水平解像度が2km以下の超高解像度の気象・乱流シミュレーションデータと各種の現場データの相関を調べることによって、自然災害及び自然エネルギー利用ほか、社会の広い分野でさまざまなサービスが創出される可能性がある。しかし、地方自治体、大学、及び民間事業者の観測データや経済活動データの多くがまだ広くは流通していない。そこで、本稿では、現場データの提供側及び利用側における流通阻害要因と、流通を促すための合意形成項目を整理した。
貯蓄が投資を決めるものとされているKalecki (1929b) と,投資が貯蓄を決めるものとされているKalecki (1933b) との間において,貯蓄と投資の関係について180度転回する「コペルニクス的転回」,すなわち,「カレツキ的転回」とでも呼ぶことができる理論的転回が見られる。その「転回」によって,貯蓄と投資の均等は,所得とのかかわりによってもたらされるものであることが明らかにされる。それは,資金供給としての貯蓄は,利子率の調整によって,投資の資金需要に振り向けられ,貯蓄と投資は均等するものとされている,「セイの法則」に支配された「古典派」経済学とは異なる理論である。つまり,この「カレツキ的転回」によって,有効需要の論理に基づき国民所得水準の決定を示すマクロ経済学が誕生しうるための,経済学史上決定的な意味をもつ基盤が成立していることが示されているのである。
消費者の効用が消費と貯蓄によって決まるモデルを用いて,独占的競争のもとでも均衡財政乗数が1になることを示す。後半では同じモデルによって政府支出が十分でなければ非自発的失業が存在し,名目賃金率や物価が伸縮的であっても非自発的失業は解消せず完全雇用が自動的には達成されないことを証明する。