大気中の二酸化炭素の濃度増加による地球温暖化は、地球環境問題の一つであり、その対策技術として、エネルギー利用の高効率化や代替エネルギー開発を進めて行く必要がある。本研究では、代替エネルギーの一つである海洋温度差発電に注目し、そのエネルギー収支を検討した。その結果、100MW級海洋温度差発電所1基は、石炭火力に比して140,000t-C・yr-1の二酸化炭素排出抑制に相当し、エネルギーペイバックタイム(投入比)は0.46年となることがわかった。加えて副次的効果として、海洋の強制循環による二酸化炭素の吸収量の増大は、産業革命以前の二酸化炭素濃度と現在の二酸化炭素濃度との差に基づいて計算すると7,800 t-C・yr-1となることがわかった。
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