日本レーザー医学会誌
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15 巻, 2 号
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  • 陳 明裕, 寺尾 牧, 浅見 勲, 吉位 尚, 藤田 邦夫, 寺延 治, 石井 準之助, 島田 桂吉, 浜田 充彦
    1994 年 15 巻 2 号 p. 1-7
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    矯正治療時の疼痛は殆どの場合-過性ではあるが, 有効な対処方は少ないのが現状である。我々は, 矯正治療時の疼痛緩和を目的に, Na: YAG レーザー, Ga-Al-As 半導体レーザーを応用し, その有効性を報告してきた。しかし, レーザーは波長によってその作用が異なるためHe-Neレーザーについて同様の実験を行い, その有効性について先の半導体レーザーでの結果と比較検討した。被験者は, 神戸大学病院矯正部外来患者および同医局員で, 平均年齢20.7歳であった。予め歯牙接触関係等に左右側で, 差が無いことを確認した同顎左右第1大臼歯を被験歯とした。被験歯近遠心もしくは近心に同じ厚みのエラスティックセパレーターを挿入し, 挿入直後にレーザーを片側にのみ近心根, 遠心根の各中央相当部頬側歯肉に各々1分間ずつ計2分間接触照射し、反対側を非照射対照側とした。なお, 照射に際しては被験者に, 照射側が判別されないよう努めた。レーザー装置は, 波長632.8nm, 出力6m W のSOFT-LASER 632Rを連続波で2分間用いた。調査はアンケート用紙にて行い, 疼痛の開始時期, 消失時期, 最大疼痛の時期およびその程度を患者自身に記入させ, 次の来院時に回収した。疼痛評価はVisual analog scale (VAS) を用いて行い, 各症例の非照射側を対照として比較した。その結果22例中14例で照射側VAS値の滅少を認め, VAS平均値も照射側2.33, 対照側3.91と有意の差を認めた。疼痛時期については両群間に差を認めなかった。半導体レーザーとのVAS値の比較も有意の差を認めず, 何れのレーザーにおいても同程度の除痛効果が得られたものと考えられる。
  • 棚橋 善克
    1994 年 15 巻 2 号 p. 9-15
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    レーザーによる尿路結石破砕法の最大の利点は, 結石破砕に必要十分なエネルギーをごく細い光ファイバーを通じて伝達できることである。このことは, 非常に細い内視鏡を使用して砕石がおこなえることを意味している。
    またもうひとつの利点は, 現在用いられている砕石用レーザーの波長・出力では, 尿路上皮に対してほとんど悪影響を及ぼさず, 安全性が高いということである。
  • 黒川 公平, 鈴木 孝憲, 山中 英寿
    1994 年 15 巻 2 号 p. 17-22
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症の治療では, 経尿道的前立腺切除術が“GOLD STANDARD”として行われてきた。しかし, 最近保存的治療が注目を集めている。経尿道バルーンレーザー治療は保存的治療の一つと考えられている。われわれは, PROSTALASETMによる治療の可能性を知る目的で, 雄雑種成犬を用いた基礎的検討を行い, 次のような結果を得た。1. 前立腺組織障害は45.0℃, 20分間で起きた。また, 尿道括約筋障害は47℃,20分間で起きた。2. 尿道冷却の効果は6mm以内であった。また, レーザーは10mm以内でそのエネルギーが熱に変換されて, 温度上昇に関与した。3. 経尿道的レーザーハイパーサーミア (TUBAL-H) を用いての実験で, 尿道コンプライアンスは増加し, その効果は16週間持続した。4. 経尿道的レーザー前立腺切除 (TUBAL-P) により4週後には空洞が完成し, 6カ月間持続された。
  • 青木 豊, 野垣 譲二, 岡田 清己
    1994 年 15 巻 2 号 p. 23-27
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症32症例に対し経尿道的前立腺レーザー手術 (TULS-P) を行い, その効果を評価した。適応はAUA前立腺症状スコア (AUA-PSS) 15点以上, 尿流測定にて最大尿流率15ml/sec以下, 経直腸的超音波断層にて前立腺容量20ml以上とした。レーザー照射はNd: YAG レーザーを, ファイバーは LaserSonics 社製 UltraLineTMを用いた。照射方法は, Contact 照射により膀胱頸部から精阜にかけて2時・4時・8時・10時の4ケ所を基本部位とし, 3時・5時・7時・9時に追加照射を行った。出力は50ワット, SPOT 照射またはRUNMNG照射で30秒から60秒間の連続照射で行った。治療効果はAUA-PSS・最大尿流率・残尿量・前立腺容積により判定した。各有効率は, AUA-PSS 81.3%, 最大尿流率75.0%, 残尿量 87.5%, 前立腺容積96.9%であった。副作用としては, 10例に-過性尿閉を, 2例に急性精巣上体炎を認めた。以上より, 側射用ファイバーを用いた前立腺レーザー手術は前立腺肥大症の手術の-手段になり得るものと思われた。
  • 大道 雄一郎, 荒井 恒憲, 村井 勝, 中島 章夫, 菊地 眞, 辻 明, 小田島 邦男, 中島 史雄, 早川 正道, 中村 宏, 内海 ...
    1994 年 15 巻 2 号 p. 29-36
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    近年, 泌尿器科領域において尿管及び尿道狭窄に対するレーザー治療の研究が積極的に行われている。しかし, これらのレーザー治療は従来の内視鏡下の治療法と比較して, 出血が少ない等術中合併症は軽減しているが, 再狭窄を生じやすいという欠点が認められている。我々は尿管及び尿道の狭窄に対して術後再狭窄がなく, 簡便でかつ安全な手技によるレーザー治療の開発を目的として基礎的研究を行った。まず, 尿路狭窄に対する最適な治療用のレーザーを選択するために基礎実験を行い, 紫外アルゴンレーザーと Ho: YAGレーザーの作用を比較した。Ho: YAG レーザーは紫外アルゴンレーザーと比較して蒸散効率が劣るものの照射部周囲組織に対する熱変性効果は弱く, 再狭窄防止の観点から尿路狭窄治療に最も適していると考えられた。また, 簡便な治療法を確立するために尿路狭窄治療用のマルチファイバーカテーテルを開発し, ガイドワイヤー先行ガイド方式による照射方法を採用して基礎的に検討した。線維化尿路狭窄のモデル犬を作成して, HO: YAG レーザー又は紫外アルゴンレーザーとマルチファイバーカテーテルを併用した治療を試みたところ, 紫外線アルゴンレーザーでは 11週間, Ho: YAG レーザーでは6か月間観察して, 再狭窄の発生は認められなかった。以上の結果から, 本法は尿路狭窄治療に有用であると考えられた。
  • 平川 真治, 宮川 征男, 飯野 晃啓
    1994 年 15 巻 2 号 p. 37-41
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    最近, 当科では染色や固定の不要な共焦点型レーザー顕微鏡(CLM) を血尿患者と男性不妊症患者に特に応用している。今回31例の血尿患者の尿を採取した。31 例中23例が泌尿器科疾患, 8例が糸球体性疾患の患者だった。尿中の変形赤血球と正常赤血球は CLM で観察すると, きわめて形態学的に差がみられた。CLM による泌尿器科疾患に対する感度と特異度は各々100%, 95.7%, 一方, 糸球体性疾患に対する感度と特異度は各々100%, 87.5%であった。
    27例の正常男性と14例の男性不妊症患者について, 精液を採取して CLM で観察したところ, 正常男性と男性不妊症患者の精子にはいくつかの形態学的な差がみとあられた。良い精子は頭部が狭く, 中片が長く, 頭部のアクロゾーム領域が広いことが推測された。一方, 3例の血精液症患者の精液中の赤血球は CLM で正常赤血球だった。
    以上の結果より, CLM は尿中赤血球や精子の形態学的評価をより簡便かつ容易にするものと思われる。CLM は血尿患者の有力な補助的診断法になりうると考えられ, また男性不妊症の研究に役立つものと思われる。
  • 米沢 卓実, 小野村 敏信
    1994 年 15 巻 2 号 p. 43-49
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 15 巻 2 号 p. 51-53
    発行日: 1994年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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