日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第63回研究発表大会
選択された号の論文の273件中201~250を表示しています
  • 夏のデザイン体験
    長野 彩乃, 山崎 和彦
    セッションID: PB-09
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、千葉工業大学のデザイン科学科に所属する学生のために、学習意欲向上を目的とした学生だけで進めるコトのできるサービスの提案を目的に進めた。日本の大学生にやる気がないわけはないという意見も数多く存在している。学生の学習意欲につながる要因として「学習者」、「課題・教材」と「教員」の3点が一般的に挙げられている。千葉工業大学が実施した授業満足度アンケートで多くの学生が授業や教員に満足しているという結果をだしている。千葉工業大学デザイン科学科内では先輩後輩の繋がりが薄いと感じることが多かった。大学内での学年間交流を充実させることにより大学生の学習意欲をより引き上げることができると考えテーマを設定した。対象の学生に調査を行い、実際にサービスの実験を行い研究を進めた。最終成果物として、サービスに参加する学生を集めるための「告知資料」、参加者がものづくりを進める際に手助けをするための「学生マニュアル」、運営者をする学生のための「運営者マニュアル」を製作した。
  • 枠組みを発展させるための実践と省察の報告
    小原 真衣子, 須永 剛司
    セッションID: PB-10
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究のテーマは、情報と関わり合って表現する人々の「活 動プログラム」の設計である。活動プログラムとは、情報シス テムを利用する人々の営みを規定する計画であると定義する。 活動プログラムの設計は、情報システムに精通していない一般 の人々が利用するソフトウェア・ツールを設計する際に、合せ て検討されることが必要なデザイン課題だと考えている。 著者らは、これまでに見出した活動プログラム設計の枠組み を参照し、ツールと活動プログラムの設計を数年にわたり実践 してきた。本研究では現在、これらの成果と設計過程の省察を おこなっている。本稿では、明らかとなった新たな枠組みづく りの課題とその発展性について報告する。 
  • 井上 順子, 小山内 靖美, 仲田  英起, 満岡  秀一, 齋藤  善寛
    セッションID: PB-11
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    IoT(Internet of Things)と称される、ネットワークに接続することにより効果を発揮するデジタル機器や家電商品の提案に注目が集まっている。IoTに関する製品開発ではデジタル機器やハードウェア、ソフトウェアを商品化するために多様な技術が必要とされ、開発の初期段階から開発者やデザイナーがコミュニケーションをとりながらアイデアを検討する方法が模索されている。短期間で新しい価値を提案することが期待され、異分野の企業や技術・ノウハウを活かして新事業へと昇華させる「共創型」に注目が集まっている。本研究は2016年2月から3月にかけて日本電子専門学校の3領域の学科が共同で行った、IoTをテーマにしたものづくりの教育実践である。この教育実践では、新たなデザイン教育のアプローチを探ることを目的に、複合学科の学生によるものづくりワークショップを実施した。学生たちのコミュニケーションのやりとりを観察し、デザイナーが関わる守備範囲や担う役割について考察を試みた。本研究ではこのワークショップの教育プログラムと実施により得られた知見について考察する。
  • ペアワークによるデザインファシリテーション
    金谷 英枝, 大賀 暁, 對馬 隆介, 長田 純一
    セッションID: PB-12
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は、ワークショプにおけるデザイナーの役割について述べる。
    ワークショップでは、そこに参加するデザイナーに対して、大きく二点のパフォーマンスが求められる。すなわち、客観的立ち位置でのファシリテーションと、当事者的立ち位置から斬新なアイデアを生み出すクリティビティである。
    この両者は相反する役割であるが、いくつかのワークショップでは、それが上手く両立することができている。
    しかしながら、その手法やノウハウはデザイナーのスキルや属人化しているために、活動をスケールアップすることが実現できない。
    そこで、筆者らは、これまで行ったワークショップの中で、上手く行った活動を振り返り考察することで、属人化しているノウハウとスキルを外在化することを試みた。その結果、この二つの役割をハイブリットで行う手法として「ドローイングによる参加者間での情報のシェア」および「ペアワークによるデザインファシリテーション」の二点があることを考察した。
  • 永田 翔香, 山崎 和彦
    セッションID: PB-13
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、ユーザに「緊張は楽しいもの」だと伝え、緊張による失敗等を減らすことを目的としています。また、実際に制作した作品を使用することでユーザにとって、緊張に対する意識がどのように変わるのか、評価を行いました。マイナスなイメージを持たれている緊張を楽しむことで、失敗を減らすことを目的とした提案です。最終成果物は絵本になります。この絵本は「緊張を楽しむパターン」として、デザインパターンを利用して作成しています。この「緊張を楽しむパターン」を生かすストーリーのページと、緊張を楽しむ方法としてパターンのみのページで構成されています。物語で使われるイラストは威圧感を持たせない技法を検討し、配色の検討なども行いました。配色では、色彩が人に与える影響を考慮、それに加えてユーザが受け取りやすいような配色を心がけました。キャラクターの服の色や線の色など一つ一つの検討から作成した本です。 この本を読んで「この方法を試してみたい」と思ってもらえるような本を目指しました。
  • スマートフォンアプリ「way」を事例としたチームのあり方の考察
    瀧 知惠美, 須永 剛司
    セッションID: PB-14
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、利用者が必要とする体験を実現するために、継続的にサービスを形づくっていく仕組みを作るための方法を明らかにする目的で実施する。特にこの方法を継続できるチームのあり方として、チームのメンバー構成と役割、サービス創造過程、メンバーの関わり合いの3つの要素に着目する。本稿では、スマートフォンアプリ「way」のサービス開発例に取り上げ、サービス創造過程において必要なチームのあり方を考察する。「way」の事例でチームのあり方に有効な要素を3点発見した。1点は、サービス創造過程の初期段階から、多分野に渡る専門家メンバーが共にコンセプト創造を行うことである。2点目は、サービス創造過程の初期に、作るサービスに関わる自分の体験をお互いに共有することである。3点目は、お互いの考えを詳細に共有し物事の考え方を深く理解し合うこと、その理解を促すためにはファシリテーターが必要とされることである。
  • 齋田 萌, 木村 健一
    セッションID: PB-15
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    北海道函館市企業局交通部は新たなビジュアルアイデンティティ(VI)を創出することを目指し,公立はこだて未来大学の学生と共に様々なデザイン活動を行ってきた.中でも交通ガイドマップ「ICASMAP」の制作は,交通部のVI形成の基礎となったデザインプロジェクトである.この活動は,利用者により使いやすく,わかりやすいマップを提供することを共通の目的とし,交通部と本学の学生が連携しながら進めていったものである.本稿では,著者らが関わった2014,2015年度のICASMAPの改訂内容について述べ,交通部のVI形成のためのデザイン活動を, 学生と自治体企業局の共創モデルとして総括することを目的とする.
  • 「DataMapper」のプロトタイプ開発
    杉本 達應
    セッションID: PB-16
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、データ可視化の手法を手軽に比較検討できるWebアプリケーション(以下、Webアプリ)の開発を目的とする。  筆者は、データを出発点にビジュアルを生成しデザインすることを、既存のデザインツールによる視覚デザインと区別し、「データ駆動型デザイン(Data-driven Design)」と名づけ、その教育プログラムの構築と可視化のための視覚デザインやインタラクションデザインの指針の策定を目指している。その活動の一環として、本Webアプリを開発している。  開発するWebアプリは、データ駆動型地図表現ツールとし、可視化するデータは、一般公開されている統計情報や地理情報といった公共的データを用いる。本稿ではWebアプリのプロトタイプ開発の経過と活用方法、今後の展望を報告する。
  • 市川 毅, 山崎 和彦
    セッションID: PB-17
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    現在、医療や広告分野など様々な分野でバーチャルリアリティ(以下VR)技術の応用が期待されている。最もVRの活用が期待されている分野の一つとして、 エンターテイメントの分野がある。しかし、現在のVR作品は、自分一人だけでしか体験をすることができず、体験を共有できないことが分かった。そこで、デバイスをつけてVR体験を行っている人だけでなく、周りの人たちやVR体験を待っている人たちも参加できるVR体験をデザインすることで、より魅力的なVR体験ができるのではないかと考え、このテーマを設定した。本研究では、ヘッドマウント型のデバイス及びセンサーによるVR作品を検討し、最終的には周囲の人も巻き込むことで新たな体験のできる、VR作品の提案を行うことを目的とする。最終成果物であるVRレターは、デバイスを装着するまでに手紙を書くという体験があるほか、デバイスをつけている人のリアクションを紙飛行機の動きに変えてスクリーンに映し出すことで、待っている人や周囲の人々にも体験があり、今までの問題点を解決した作品になっている。
  • 松元 真菜, 齋藤 美絵子
    セッションID: PB-18
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    今日、食育をテーマとする絵本が数多く出版されていることからも分かるように、絵本を用いて子供に食育を行うことは大変効果があるとされている。絵本を読むことを通じて、子供たちは食との良好な関係を疑似体験し、それを現実の生活に反映させることができる。  
    近年では、デジタル技術を活用した絵本が登場し、絵本というジャンルの多様化が見られる。デジタル絵本と紙媒体の絵本、それぞれが独自の表現方法を持ち、子供に与える影響も異なっている。
    そこで今回、子供の食育絵本のための新たな表現方法を考案することを目的とし、絵本の表現方法が与える効果について調査を行った。そして、結果から考案した「食育絵本に有効だと考えられるしかけ」を用いて絵本を制作した。
  • 北田 彩香, 木村 健一
    セッションID: PB-19
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー

    展覧会開催プロセスは高度で複雑であるため,開催の難易度が高い.本研究では2つの展覧会で参与観察を行い,分析結果をモデルと比較し,展覧会開催に必要なプロセスとタスクを明らかにした.モデルにはK.マックリーン(1993)のミュージアムにおける展覧会開催プロセスモデルを使用した.この結果,観察されたプロセスはプロセスモデルと同様であったが,プロセスへの関わり方が全体統括,タスク担当者,出品者で異なった. タスクはマネジメント,グラフィックデザイン,経験のデザインに分類でき,評価項目を明らかにされた.展覧会においてコンセプトは共通基盤であり,かつ,全体を駆動する核であった.これらのことから,繰り返し現れる法則性をパターンとし,記述や共有を行う知識記述方法パターンランゲージを展覧会でも作成することで展覧会開催手法の確立を行い,「全体必須」,「全体選択」,「部分必須」,「部分選択」に分類された40のパターンと3のルールが明らかになった.
  • 郡 祐太郎, 山崎 和彦
    セッションID: PB-20
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では一瞬の写真を集めた写真集を制作した。その中で 一瞬の写真をどのようにしたら撮ることが出来るのかを考え、3つのダンボールカメラを制作した。その結果ダンボールカメラを使用することで普段見ることが出来ない一瞬の写真を撮ることが出来た。
  • 梯 絵利奈, 笠松 慶子
    セッションID: PB-21
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では51種のアゲハチョウを対象とし,その色彩傾向を調査した.方法としては,PCCSを用いてグルーピングを行い,各グループの配色傾向から全体の傾向をまとめた.その結果,対象とした51種のうち48種のアゲハチョウは10グループに分類され,配色パターンは「二極化」34種と「分散」14種の2パターンに分類された.「二極化」の色彩傾向においては,対照と類似の多様な組み合わせによる配色の偏りがみられ,1.類似トーン+対照明度,2.類似トーン+対照彩度,3.類似明度+対照明度,4.類似彩度+対照彩度,5.対照明度の5つの特徴にまとめられた.この配色パターンは,既存の色彩調和論に適合することがわかった.また,「分散」の色彩傾向においては,ベースカラーの低明度無彩色と対照明度の組み合わせに,中明度のアクセントカラーによって構成されていた.なお,「分散」にみられる色彩傾向においては,既存の色彩調和論に適合するものがみられなかった.これらの結果から,二極化の色彩を用いた配色集を提案した.本研究で提案した配色集はCMF支援ツールとしての有用性が期待される.
  • 色相と明度の差の影響について
    木下 武志, 河南 翔太, 三浦 まゆ, 長田 和美, 西本 奈央
    セッションID: PB-22
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    明度の近い色や特徴が相反する色が2色隣接 するとき、私たちは感覚的 感覚的 印象に影響 を受ける。この視覚現象はグレア効果と呼ばれる。本研究 は色の対比で起こるこの視覚現象の生じる強さ、快 さ、見易 さについて検討を調査 する。CRTモニターに呈示した、PCCSの色空間での有彩色と無彩色からなる刺激を用いた。得られた知見として、快さの評価値が低い場合、見易さの評価値も低いということなどが明らかになった。
  • 頭と体と心をつなぐ遊びの活動「コネキッド(Connekid)」の取り組み事例の報告(13)
    松尾 友絵, 小宮 加容子, 石岡 葉子
    セッションID: PB-23
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は2015 年12 月19 日に開催された文科庁委託事業平 成27 年度戦略的芸術文化創造推進事業「すごいぞ、これは!」展( 以下、「すごいぞ、これは!」) と2016 年2 月27 日に開催された北海道アールブリュット・フォーラム(厚生労働省の「障害 者の芸術活動支援モデル事業」及び北海道医療大学「介護のし ごと魅力アップ事業」)( 以下、北海道アールブリュット・フォーラ ム) 内で札幌市立大学デザイン学部( 以下、札幌市立大) の学生有志が提案・実施した遊びである「けいとでおえかき」、「とうめいおえかき」の活動報告である。「コネキッド」とは「アタマ・カラダ・ハートがつながった(CONNEct) 子ども(KID) になろう!」をテーマに札幌市立大の学生がデザインした遊びや玩具を子どもたちに提供するイベントの総称である。
  • 頭と体と心をつなぐ遊びの活動「コネキッド」の取組み事例の報告(14)
    桑田 奈々, 小宮 加容子, 北川 珠寿, 森 瑞紀, 北橋 善範, 八鍬 明弘
    セッションID: PB-24
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は、福島市で開催されたイベント「キッズワークショップカーニバルinふくしま2016」内で我々が実施した、遊びワークショップ「コネキッドinふくしま2016『きになる!』」の活動報告である。 「コネキッド」とは、「アタマ・カラダ・ハートがつながった(CONNEct)子ども(KID)になろう」という意味で、札幌市立大学デザイン学部生が企画運営する遊びワークショップの総称だ。 今回は、地方独立行政法人北海道立総合研究機構森林研究部林産試験場と共同で「木育」をテーマに実施した。
  • 頭と体と心をつなぐ遊びの活動「コネキッド」の取り組み事例の報告(12)
    吉田 傑, 小宮 加容子, 瓜生 愛里
    セッションID: PB-25
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は、2015年8月に札幌市立大学デザイン学部(以下、札幌市立大)の学生有志と札幌駅総合開発株式会社の共催による遊びイベント「コネキッド!2015『風の子GO!GO!』」で行った遊びの紹介と成果報告である。今回は「風」を題材に、屋内外の風を利用した、風への理解・関心を深めるきっかけとなる複数の遊びを行った。能動的に遊びを発展させていく方法を、遊びの内容と、遊びの空間の形成という2つの観点から考案した。実際に行われた遊びの観察と映像の検証により、異なる環境で行う遊びによって生じる相互作用を考察した。その結果、更なる検討が必要であるが、遊びの発展を促す上で、異なる環境の相互作用に有効性があることが推測された。
  • -頭と体と心をつなぐ遊びの活動「コネキッド」の取組み事例の報告(15)-
    堀田 蕗敏, 小宮 加容子, 黒神 信実
    セッションID: PB-26
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    2015年12月5日~2016年4月17日の約4か月間、あそびlab!オヘソの活動の一環として、札幌芸術の森の主催により札幌芸術の森 工芸館にて開催された長期型の遊びイベント「0さいからのげいじゅつのもりハコ× マチ× あそびlab!」の紹介と、そこから得られた結果、それに対する考察と今後の展望である。今回のイベントではハコマチ遊びとフロッタージュ遊びは、それぞれが独立した遊びとして成功していたように思われる。この2つは互いに独立したものであり、会場内では同じ空間を共有しているものの、遊び同士が互いに影響しあうということは想定していなかった。しかし、2つの遊びの間を子どもたちが行き来することでそれぞれは互いに影響し合い、発展を遂げるという結果になった。今回のイベントから学んだこととして、遊びの導入は必要であるということがあげられる。考察の結果から、当初期待していた「遊びの蓄積」という効果が得られるだけでなく、2つの「遊びの蓄積」がなされる遊びを組み合わせることで、双方の遊びが互いに影響し合い、遊びの蓄積の効果が増幅されながら遊び自体が発展していくことが示された。
  • 小宮 加容子, 小田部 剛, 石岡 葉子, 山越 双葉, 山代 修平, 桑田 奈々, 北橋 善範, 八鍬 明弘
    セッションID: PC-01
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    授産施設とは、就業が困難な障がい者が自活を目指し必要な訓練を行い、その者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設である。北海道保健福祉部障がい者保険福祉課の調べによると、平成24年度は653施設あり、平均工賃月額は25,105円である。平成18年度の調べでは施設数230あり、平均工賃月額17,306円であったため、この6年間で施設数、平均工賃ともに増加していることが分かる。しかし、さらなる工賃増加が必要である。そこで、2009年に授業課題として札幌市内にある授産施設への木工製品のデザイン提案を行い、現在も販売が続いている。 その経験を活かし、今回の報告は、2015年前期にある2年生の授業課題として、北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場と社会福祉法人当麻かたるべの森と連携し、かたるべの森で制作・販売する木工製品のデザイン提案に取り組んだ。そこで、この取り組みのプロセスと、選抜された作品について報告をする。
  • 柴田 直也, 松尾 俊基, 梁 元碩
    セッションID: PC-02
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    今日では技術発展によってウェアラブルデバイスという身体に装着できる製品が市場に数多く出回っている。その中で、ヘルスバンドは身体情報を自動的に収集するウェアラブルデバイスで、ほぼ一日中、毎日装着する人との接する時間の長い製品である。そこで今回はウェアラブルデバイスにおけるユーザビリティをGraphical User Interface(GUI)を中心にヘルスバンドを使用することで人にどのような感情をもたらすのか、そしてヘルスバンドに求められる要素を調査する。本研究はウェアラブルデバイスの中の、ヘルスバンドについてGUIを中心にユーザビリティテストと管理画面の印象評価を行った。その結果ヘルスバンドのGUIの情報量や配色などがユーザビリティに大きな影響を与えており、製品の使用を続けられない大きな理由の一つであることが分かった。 特にユーザーが繰り返す日々の中でヘルスバンドを使用していくためには、達成感を感じられることが重要である。そのため、目標を達成した時にはデバイスのGUIに普段とは違った変化が求められていることが分かった。
  • 大学Webサイトのレスポンシブ化を中心に
    松尾 俊基, 梁 元碩, 柴田 直也
    セッションID: PC-03
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    現在、多くのレスポンシブWebサイトはデバイス間であまり一貫性が感じられない。そこで本研究は、マルチデバイスにおいてレスポンシブWebサイトの一貫性に関係する要素を抽出し、一貫した経験を得るための要因を明らかにする。まず、Webの変遷やデザインの基本ルールに関する文献の調査や国内の大学Webサイトの現状調査を行い、要素と要因として考えられるものを挙げた。これに具体性を持たせるため、5つのレスポンシブ化された大学Webサイトを用いて評価実験を行った。さらに、この実験によって得られた要因を芝浦工業大学のWebサイトに適用し、15個のサンプルサイトを作成した。このサンプルを用いて評価実験を行った。その結果、「色」「テキスト」「コンテンツの増減」「コンテンツのイメージ」「ファーストビュー(画面全体の構成)」「レイアウト」「メニュー」の8つの要素とそれぞれの要素ごとの一貫した経験を得るための要因を明らかにすることができた。
  • プロトタイピングを用いたコオロギの飼育プロダクトのデザイン
    高橋 祐亮
    セッションID: PC-04
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    国際連合人口部の調査によると2050年には人口は95億人以を越えると言われている.それに伴い食糧問題はさらに深刻化すると考えられている.それに対してFAO(国際連合食糧農業機関)は昆虫食を推進する論文を発表した.その中には昆虫食の歴史から有効性まで幅広く記されていた.しかし,実際のところ昆虫食が普及するためには大きな問題がいくつかある.その中でも特に重大な問題は食用昆虫を生産する方法が確立されていないことと,人々が昆虫食に対して強い嫌悪感を抱いていることが挙げられる.  そこでこのプロジェクトでは昆虫をパーソナルに飼育するためのプロダクトのデザインを行った.その際に重要視したことは,昆虫を効率よく飼育することと,利用者が昆虫食に対して嫌悪感をいだかないようにすることであった.またデザインのプロセスの中で実際に昆虫を用いて実験を繰り返すことでより実態に即したデザインが可能となった.
  • 木村 元彦, 北岡 佑基
    セッションID: PC-05
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、忘れにくくかつ自然に携行できるエマージェンシーツールの開発を目指すものである。 昨今の登山ブームにより、日本国内の登山人口は増加傾向にあるが、過去10年間で遭難事故の発生件数も増加傾向にある。 登山活動では様々な装備品が必要だが、ついつい忘れてしまうケースも少なくない。装備が不十分であれば、万一遭難してしまった場合に命の問題ともなりかねない。 全日本ワンダーフォーゲル部連盟に所属する大学生を対象とした、遭難の危険に関する実態と装備に関する意識調査を行うとともに、装備の中でもエマージェンシーツールに着目し、それらを忘れずに自然に携行するための手法の検討とツールの選定を行った。 アウトドアウェアのジッパーに、ホイッスル、ファイヤースターター、IDの3つのエマージェンシーツールとしての機能を与えることで、忘れにくくかつ自然に携行することができるプロトタイプを制作した。
  • 大石 遊, 古屋 繁, 澤田 均
    セッションID: PC-06
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
     現在、様々な動態に使用されているアクチュエータには主に回転モータが用いられており、回転運動から変換機構を通して直線運動を取り出している。そのため、回転モータ本体とその変換機構などを含めた装置群の搭載スペースが動態の形態を制限している。   特殊合金を用いた繊維状のアクチュエータ(以下、ラインアクチュエータと呼ぶ)は直線的に収縮運動を生み出すため、回転モータに比べて変換機構を必要とせず小型・軽量なうえ、動態の形状に対する制約も少ない。また、動作音がないため静粛性にも優れている。その一方で、発生トルクは回転モータほど強くなく、動作範囲も小さい。また、導電時の抵抗熱により収縮しているため冷間時の動作性が悪いなどのデメリットもある。  本研究では、ラインアクチュエータと折りたたみから復元までの動きを用いて、電源や制御装置を搭載しながらも小型・軽量で動作効率の高い動態の提案を目的とする。  段ボール板にラインアクチュエータを組み込み、異方性を持ったブラシを用いて接地面との摩擦方向を制御することで、旋回運動を行わなくとも前後左右へと移動方向を変更できる構造を持った動態を提案できた。
  • ゆりの里公園「キャナルフェスタ2015」を事例として
    塚田 健太郎, 西尾 浩一
    セッションID: PC-07
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    近年、マイクロコンピュータを使った開発環境が身近になったことで、多くのメディアアート作品が生まれている。その中でインタラクティブアートにおいては、映像技術や情報工学、電子工学など多くの先端技術を使用した作品が生まれている。作品を鑑賞するだけでなく動的で参加型であり、技術を組み合わせることにより多様な表現をすることができる。
    本研究の目的は、地域の特性を表現するアートへの取り組みであった。また、ステージ空間の演出にインタラクティブ性を持たすことによって、観客と出演者(講演者)との間に、非言語的なコミュニケーションが発生するのではないかという実験的な考えからインタラクティブアートを制作した。
  • Centered on the Analysis of Historical Documents
    李 聿芸, 羅 彩雲
    セッションID: PC-08
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    台湾のスプリングベッド産業の関連文献は非常に少なく、スプリングベッドの歴史的発展の完全な資料の保存はなされていない。本研究では文献の調査を主要な研究方法とし、台湾のスプリングベッド産業の現状を集約、職人と工場産業のインタビューを補足として、台湾の手作りスプリングベッドの関連研究の史料を確立した。本研究は台湾のスプリングベッドの産業を3つの時期に帰納。それぞれ1.「産業の萌芽期」(1950~1981):この時期の産業は手作りでの製造を特色とする。2.「産業の安定期」(1982~2001):この時期は金属スプリングと金属家具の生産量が増加し、スプリングの製造用機器が出現。もともとの手作りでの製造から機械生産の形態へと変化。3.「産業ショック転換期」(2002~現在):WTOへの加入により、国内の大型ベットの売り場は増加していき、外国ブランドの代理店もこの時出現。この時期の工場の特徴は製造だけでなく、製造と販売のパターンも以前と異なる。
  • 金 聖和, 白石 照美
    セッションID: PC-09
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、伝統紋様を通じて、中国少数民族の文化とアイデンティティの維持と継承のための手がかりを見出すことである。
    本稿では、ミャオ族とモンゴル族の紋様に着目し、そのモチーフ、由来、意味について文献による調査を行い、特徴を抽出した。
    さらに、webアンケートにより、中国の人々の少数民族紋様に対する意識調査を行った。
    その結果、以下の知見を得た
    1)文様は好まれているが、あまり使われていない。
    2)紋様の意味についてはほとんど認識されていない。
    3)民族に固有の紋様についてもその特徴が知られていない。
  • 張 琳雅, 賴 志純
    セッションID: PC-10
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    最近、地域文化産業のは各国で重んじる産業となっている。人々は産業を通して、当地の地域文化を認識することができた。また、ゲーム化の概念は宣伝、教育とサービスなど各領域で運用されている。本研究は地域文化の設計要素を調査し、ゲームデザインで開発するようになった。地域文化に関するゲームを通して、現地の文化を推進するだけでなく、人々のコミュニケーションを促進するのは本研究の目的である。本研究は文献分析から、地方文化の設計要素は、「記号」、「模範の人物」、「儀式や規範」、「価値観」四つ分野を中心することが分かった。其れに基づき、ゲームデザインを発展させることができる。各要素に対してゲームデザインの設計要素に応じるのは次のように示している。「記号」はゲームのストーリー、事件、道具とシーンなどで、「模範の人物」はゲームのキャラクターを中心となっている。「儀式や規範」はゲームのルールンや遊び方を指し、「価値観」はゲームがプレーヤーに対する影響を判明することである。
  • 浅野 志帆, 安藤 昌也, 赤澤 智津子
    セッションID: PC-11
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    デザイン領域が経験や価値までに広がった今日において、ユーザーエクスペリエンスデザインに対する理解は、デザイナーは勿論のこと、企画職やマーケティング職に従事するデザイナー以外の人々にとっても必要なスキルといえる。本研究の目的はKA法を題材に、入門者がエキスパートからの指導を受けることがなくても手法を理解・実践する方法を検討し、明確化することである。KA法が用いられるワークショップの見学を通し、得た気づきより、KA法自体に関する理解→KAカードの構造理解→KA法の実践→実践結果のフィードバックという4ステップをで最低限の理解・実践ができるパターンとした。今後は体系化したパターンが有効であるかを検討、考察し、必要に応じてパターンの再検討を行う。
  • 鈴木 英怜那, 須永 剛司
    セッションID: PC-12
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、観光学や観光人類学において重要なテーマとされる「真正性」(本物らしさ:authenticity)をもとに、食品系観光みやげのパッケージに頻出するデザイン的要素を分析した。観光土産の真正性を担保する要素として「非近代性」「ものがたり性」「贈答性」があることを明らかにし、観光土産において頻繁に用いられる視覚的要素との関連性を論じた。観光土産のパッケージについて観光学的視点を用いて検討することで、新たな観点からのパッケージデザインの考察を試みる。
  • 台湾中部の西螺地域を例として
    張 英裕, 黄 恵筠, 黄 安賀, 陳 昱樺
    セッションID: PC-13
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
     西螺地域の歴史や文化的特質を把握するために、本研究は 2014年5月中旬から6月末まで初歩的にフィールドサーベイを実施した。そして村人へのインタービュや収集してきた書類・写真・映像資料を整理し、「農業」及び「武術」が西螺地域の最も代表できる要因であると分かった。さらに2014年7月から8月中旬まで現地調査を行った。その結果、農業の代表は古亭畚、武術の代表は五行手であることが分かった。次は古亭畚と五行手の文化的要因を探索・分析し、もっとも重要な成分を抽出した。その結果、それぞれは貯蓄と富、防衛と健康であった。最後に、「貯蓄」や「健康」などの抽象的な要素を可視化にするため、本研究は造形物の構成要因を外部から内部まで三つの要素に分け、それぞれは「外観」、「動作」、「含意」である。最後にネーミングも重要である。言語の力を通して、誰もが聞くとすぐ分かるように名前でなければならない。以上の流れに踏まえて、本研究は西螺地域に専属する「記憶畚」、「電力畚」、「五行守」を制作した
     
  • Centered on the Phenomenological Aesthetics of Ingarden’s Theory
    陳 長逸, 羅 彩雲
    セッションID: PC-14
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    近年来「美学」はデザイン産業の普及に伴い急速盛んになった。文化創意パークエリアは発展し、人々の美的感覚への体験は増え続けている。デザインや環境空間に対してもよりこだわるようになった。いかにしてデザインの美的価値を判断し、美学の現象をデザインに用いるか。これは消費者のデザイン製品の選択上将来的に影響する重要な傾向である。本研究の目的は、最初の設計段階で、観察法とアンケート調査法により最近の1年内の社会的議題上の美学現象を分析し、ここから社会的議題の現象の美学的要素を探し出し、現象美学の要素と手法を製品開発の設計プロセスへと導入することである。使用者が製品を使用する際に、美学現象の体現を感じられ、現象美学が作品上に表現されることで、さらに使用者との共鳴を発生させる。
  • 医学とデザイン学の融合による次世代型呼吸器診療ツールの開発(日本大学学術研究助成金総合研究)
    孫 澤, 肥田 不二夫, 前田 牧徒, 由本 秀忠, 細谷  誠, 權  寧博, 伊藤 玲子
    セッションID: PC-15
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、昨年報告した「UD視点による呼吸プロダクトの可能性について」の継続研究報告である。
    気管支喘息・COPDの治療の基本は吸入療法である。しかし、吸入療法は、病気を完全に治すものではない。
     病態の改善を維持するためには吸入を継続する必要がある。
    重要な事は吸入のアドヒアランスを向上させる「疾患管理」である。
    本研究は子供や高齢者なども容易に使え、正しい吸入方法を身につけるための吸入指導ツールの開発である。
  • 安田 創, 小宮 加容子, 柿山 浩一郎
    セッションID: PC-16
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    下肢不自由者にとって、雪道を車いすで移動することはとても困難であり、移動の困難さ以外にも様々な不便を感じることがある。これまで、この問題を解決し快適に移動するための移動支援ツールの研究及びデザイン提案を行ってきた。しかし、これまでの研究やそれによる提案はデザイン案のレベルであり、特に走破性能についての検証と開発が足りていない。本研究ではこれまでの研究をもとに、実際の雪道での実働を意識した提案をする上での課題を明らかにするため、実験と考察を行った。これにより、雪道を走行するためには、モーターやギアボックスの出力を上げることと、スリップせずにスムーズに走るためのタイヤのレイアウトや形状の再検討が必要であることが明らかになった。  
  • 盲導犬とユーザーの快適な歩行の実現に関する研究(その4)
    赤井 愛, 阿部 光太郎, 白髪 誠一, 田上 貴久美
    セッションID: PC-17
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    盲導犬と盲導犬ユーザー(以下ユーザー)との歩行時には、ハーネスを装着せねばならない。ハーネスは『胴輪』と『ハンドル』からなり、そのデザイン、機能的な選択肢は多くない。このハーネスと併せて使用されるのが『ドッグバッグ』『ハーネスバッグ』と呼ばれるファスナー式収納袋(以下ドッグバッグ)である。ドッグバッグはハンドル部分に取り付けられ、主に(1 ) 盲導犬使用者証の掲示及び「お仕事中です」の表記により、盲導犬であることを示す、(2) 排泄用品を収納する、という2つの役割を担う。このドッグバッグの使用状況についてのヒアリング調査から、出し入れのしにくさ、ハンドル部分が重くなることで盲導犬の挙動が伝わりにくくなる、盲導犬への負荷がかかるなどいくつかの課題が明らかになった。大阪工業大学では2013 年より、盲導犬とユーザー双方の快適な歩行を目指しハーネス(ハンドル)のプロトタイプを制作しているが、本研究では、更なる快適性の向上を目指し、ドッグバッグに求められる要件を明らかにすると共に、ハーネス(胴輪)一体型ドッグバッグの形態について提案を行う。
  • 千田 真司, 徐 楚, 白石 照美, 阿部 眞理
    セッションID: PC-18
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本報では、室内防災に寄与する家具およびインテリア用材の提案を前提とし、タケの1次加工材および 2 次加工材である集成材について、視覚による感覚特性と機械的性質を調査した。その結果、皮付き1次加工材は視覚的に好まれ、 機械的性質も抜きん出て強く、強化部材としての活用が期待できる。2次加工材は視覚的に好まれ、かつ 機械的性質が皮なし1次加工材よりバラツキが小さく、主要部材としての活用が期待できる。また、2次加工材の編み構成は軽量で、引張り強く、家具の軽量化や転倒時のダメージ軽減に寄与することが期待できるなどの知見が得られた。 タケ材は、部材の処理方法や形状によって特性が大きく異なることから、集成材の比重の大きさとシート材や皮付1次加工材の引張強さ、加工性の良さや軽さを活用して家具全体の重心を下げ、転倒しにくいものにする他、家具に弾性を持たせるなどのアイデアの展開が可能であることを示した。 
  • 高木 拓哉, 齋藤 優太, 姜 超, 阿部 眞理, 白石 照美, 小幡谷 英一, 足立 幸司
    セッションID: PC-19
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    震災による被害のひとつに室内における家具転倒がある。背の高い食器棚や本棚などは転倒しやすく、下敷きとなった場合、圧死につながるケースも多くみられる。本稿では、スギ圧縮木材に2次加工を施すことによって弾性を持たせた木材料をシェルフの帆立部材に適用すれば、倒れにくい家具をつくることができると仮定し、シェルフを試作した。試作したシェルフについては、防振効果を確認するため振動試験を実施した。地震に近い周波数の振動を与えた結果、市販のシェルフにはみられない防振効果が確認できた。  
  • PTB免荷装具を対象とした歩行比較
    宮崎 御夫, 大塚 裕史
    セッションID: PC-20
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    従来、骨折などの怪我等によって下腿の免荷が必要になった場合、歩行補助具が利用される。特に下腿の完全免荷が可能であり且つ両手の自由が犠牲にならないのはPTB(Patella Tendon weight Bearing)免荷装具のみである。本研究ではPTB免荷装具を利用した歩行(既存モデル,提案モデル)と正常歩行の3種類の歩行比較を行い,利用者にとって歩きやすさと快適性が高い免荷装具の提案・検証を目的とした。まず装具装着時の歩行と正常歩行との比較を行った。歩行補助具を装着することで起こる問題点はストライド長の確保と接地時の衝撃による自由落下であった。この不具合を改善できる提案モデルをCAD上で作成し,応力解析を行った。さらに作成したものを既存モデルに取り付け歩行に障害のない健康な大学生20人に筋電図,10m歩行測定,主観評価を用いて評価を行った。10m歩行測定では歩行時間に変化はなく、歩数が減り、ストライド長が長くなった。また筋電図では変化が見られなかったが、主観評価では提案モデルの方がよりバランスと歩きやすさが向上したことがわかった。結果、歩数,ストライド長,主観評価が優れた提案をすることができ、既存モデルより歩行性が向上したと考えられる。
  • 三谷 悠, 渡邉 慎二
    セッションID: PC-21
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    近年情報技術の発展に伴いオフィスでの働き方が時間や場所に制約されなくなってきている。そのような中、自由席での業務スタイルが生まれ、コストダウンのみならずコミュニケーション活性化が注目されたフリーアドレスオフィスは増加傾向にある。一方こうしたオフィス形態の変化は、個人が対応すべき環境の制約もあり全体的な仕事満足度への影響も報告されている。本研究ではフリーアドレスオフィスという環境のなかで、個人の仕事環境を向上させることを目的とした。調査を踏まえ、「交流」の場で「集中」の場を確保することと、公共空間をパーソナライズすることの2点に着目した。個人所有の机上用品にパーテーションの効果を持たせることを提案の方向性とし、デザイン要件を、①周囲は普段通り話しかけられること(交流の確保)②作業中はパーティションとして機能すること(集中の確保)③自分のものでデスク環境を構築できること(公共空間のパーソナライズ)の3つを抽出した。「交流」の場でのパーテーションのあり方という観点で試作を繰り返し、最終的にはユーザーの所作に合わせて形状が変化し、パーテーションを作るという製品を提案した。
  • 大沢 拓也, 橋田 規子
    セッションID: PC-22
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    近年、多くの図書館で新しい建築方式や空間コンセプトの変化に合わせて、美しく魅力的な空間が増えている。その一方で既存のブックポストは昔から形が変わる事がなく、あまり意匠的に優れておらず、図書館空間とのずれが生じている。それに加え、直方体の単純な構造は返却物の破損の原因にも繋がっている。
    本研究は、芝浦工業大学図書館に設置するブックポストのデザイン提案をきっかけに、新たな構造とデザインを探求したもので、将来的には製品化を目的とする。
    近代的な図書館空間に合った意匠に加え、既存のブックポストが抱える問題点を改善したプロダクトを提案する。このことによって、図書館空間に合ったデザインを提案するだけでなく、図書館員と利用者にとって使用しやすい機能を取り入れる事で、意匠性と機能性の2つを向上させる事を目的とする。
  • 筑波大学 学生宿舎 一ノ矢33~35号棟の改修に伴う色彩デザイン
    小松崎 里恵, 庄 怡, Baniani Mahshid, 山本 早里
    セッションID: PC-23
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    筑波大学の短期留学生が入居する予定である一ノ矢宿舎の改修に伴い、評価が低い宿舎の改善と留学生の入居率を上げるため、色彩計画を行った。日本人に比べ、海外からの留学生は住居における色の好みのバリエーションが広いことから、今回の筑波大学一ノ矢学生宿舎33~35棟の色彩計画では明るいアクセントカラーを使用し、留学生にとって住みやすい学生宿舎にした。周辺の環境にあうYR~Yの彩度の低い色をベースカラーに決め、その中にアクセントカラーを使用することで、単色のつまらない学生宿舎からシックで多様性のある学生宿舎に変わった。
  • ― 上田市殿城地区「稲倉の棚田」保存会を中心に ―
    高橋 真央, 中西 織恵, 禹 在勇
    セッションID: PC-24
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    上田市所在で「日本の棚田百選」にも選定された景勝地でもある。稲倉の棚田は、江戸時代から明治時代にかけて作られたものと言われている。 土手は石と土との巧みな調和により造られ、稲倉川を挟んだ両側の約2.5kmに渡って棚田が広がっている。 本研究では、「稲倉棚田保全委員会」を中心に、農村地域の過疎化や棚田耕作放棄地の拡大などに伴い,農村景観を象徴する棚田景観の保全は大きな課題として社会的関心が高まっていることから、「稲倉棚田保全委員会」の活動や住民による地域振興・観光振興のあり方について検討を行った。
  • 場を創り出す仮設装置のデザイン
    小玉 一徳, 桑原 宏明
    セッションID: PC-25
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は、2015年10月10日(土)-11月23日(月)に開催されたのせでんアートライン妙見の森2015において、設計制作した鉄道沿線を舞台にした移動型インスタレーション作品の実施報告であった。設計制作のねらいとしては、「沿線を移動する」「場面を作る」「人を呼ぶ −駅スタンプ−」という3つのキーワードがあった。実際に設計制作したのは、キャスターのついた箱型のもので、内部に駅スタンプを設置させた装置であった。実際の運用においては、安全面の配慮から、電車の乗車や駅構内の設置場所に制限があったが、仮設の装置が場を変容させ人々に何らかの働きかけを促すことが確認された。 今後も、小さな建築・家具による仮設装置によって、人と空間の関係がどう変化し何を生むのか、設置される場所の力をどう引き出すのか、などその効果ついて実施・検証していきたい。
  • 川合 康央, 土手 光貴, 富樫 尚繁, 鈴木 隆太, 寺島 雄大, 沼田 和真, 西野 良祐
    セッションID: PC-26
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    現在我が国では,都市化と過疎化,少子高齢化などによって,地域の歴史文化継承が課題となっている.本研究は,地域の歴史的文化をわかりやすく情報発信し,その継承を行うことを目的とし,詳細な3Dモデルとゲームエンジンによって旧東海道宿場町である藤澤宿の街並みを再現する歴史的文化景観シミュレーションシステムを開発するものである.これまでの研究において、我々はゲームエンジンを使用した景観計画を支援する現代の都市空間シミュレーションシステムを開発し,その有効性について評価してきた。そこで得られた知見を背景とし,本システムでは江戸末期の宿場町街並み景観を再現した.結果,地域の記憶を継承するシステムの開発によって,その目的を達成することが可能であった.
  • 景観計画のための昼間時・夜間時景観の再現と建築の状態変更を可能にするインタラクション
    高橋 徹, 川合 康央, 池辺 正典, 門屋 博, 向坂 文宏, 池田 岳史, 益岡 了
    セッションID: PC-27
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,ゲームエンジンを用いた都市空間シミュレーションシステムの開発を行うとともに,本システムにおける注視行動を解析することにより,都市景観を評価することを目的とする.本システムは,点光源を埋め込むことにより昼間時景観とともに夜間時景観を再現することとした.また,景観を構成する建築物や都市施設に対してインタラクション可能なものとすることで,リアルタイムに景観を検討可能なシステムを提案した.本システムを通じて,新たな建築計画に対する3次元CADデータをポリゴン数の削減など必要に応じて加工し,追加することによって,事業者と近隣住民,行政の間で,景観イメージの共有を支援することが可能になると考えられる.

  • 倉田 晃希, 赤井 愛
    セッションID: PC-28
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    人間は常に他者と関わりながら生活する上で、一人でくつろぐことのできる「個」の時間が大切である。日常生活の中で手軽に「個」の時間を実現し得る空間の例としてトイレが挙げられ、読書や携帯電話から睡眠に至るまで、様々な行為を内包したくつろぎの空間としても活用されている。そこで本研究では、トイレのようにコンパクトでありながら様々な行為を内包した「個」の空間をつくることを目的とし、商業空間などにおいても手軽に実現し得るパーティションの提案を行う。実現すべき要件として(1)内と外を完全に遮断するのではなく、両者が緩やかにつながること、(2)空間全体に対する圧迫感、重量感を抑えること、(3)パーティションの移動、設置が容易であること、の3項目を挙げ、ステンレス鋼板による螺旋形のフレームを白い糸でつないだ円錐型の形態を創出した。これを天井から吊るすことにより、わずかな風でも緩やかに回転し、白い糸の重なりから透過性に富み、軽やかで浮遊感のある新たなパーティションとなった。
  • 今村 文弥, 阿部 眞理
    セッションID: PD-01
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    わが国の伝統紙である和紙は、世界的にも注目されている材料である。しかし、現代の生活に見合った使い方を模索している現状もある。本研究では、和紙の新規用途開発に貢献することを目的とする。まず、乾燥後加工を施した和紙の感覚的性質を明らかにするため、SD法による感覚試験を実施した。因子分析の結果では5つの因子が抽出され、クラスター分析では和紙が5つのクラスターに分類された。今後は、乾燥後加工を施した和紙の物理的性質を明らかする予定である。
  • 鈴木 智美, 上田 エジウソン, 寺内 文雄
    セッションID: PD-02
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    やわらかさには人を惹きつける魅力がある。ヒトは視覚情報から、色や形といった視覚的印象だけでなく、やわらかさや表面形状といった触覚的印象を感じることができる。そこで本研究では、どのような見た目がやわらかさを感じさせるのかを明らかにすることを目的とした。予備実験において被験者から得られたやわらかさを感じる形には、「丸みを帯びている」「重力を感じる」という特徴があった。そこで、それぞれの特徴を持つ白色の立体サンプルを作製し、印象評価実験を行った。その結果、丸みを帯びているほどやわらかさが感じられた。しかしながら、球体はこれに当てはまらないことが明らかになった。これは、球体を保っている状態が高い剛性を感じさせるためと考えられる。また、重力を感じる形は、潰れているほどやわらかさを感じるとは限らないことが示唆された。サンプル自体の色の影響を考え、透明・半透明のサンプルを作製し、白色サンプルと同様に実験した。その結果、やわらかさを感じる順序に大きな違いは見られなかった。しかしながら、餅やガラスといった身近なものを連想することで、同じ形であっても感じるやわらかさの種類が変化することが示唆された。
  • 石井 恭介, 上田 エジウソン, 寺内 文雄
    セッションID: PD-03
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    携帯端末には,様々な情報が送られるものの,それらの情報の意味内容を伝えることは困難である。そこで本研究では,動きの刺激によって直感的な情報提示を行うことを試みた。具体的には,手首に巻きつけるタイプの携帯型デバイスを用いて,手首の接触面に18種類の動きの刺激を与えた。そしてその動きの印象を被験者実験によって明らかにすることとした。これらの動きは,つつくような動き,押すような動き,回転するような動きの三つに大別できる。動く回数や回転の大きさ,動きの程度がそれぞれ異なる。これらの動きの印象を14名の被験者に評価してもらい,因子分析法を用いて結果を集約したところ,感情と緊急性の2つの因子によって,これらの18種類の動き刺激を説明できることが判明した。また動き刺激の相対的な位置関係から,それぞれの動きの特徴が明確になり,動きの種類によって快・不快の印象が,また動きの回数によって緊急性の印象が異なることが確認できた。特に,徐々に大きくなる動きでは,不快が高まる傾向にあった。最後に被験者に動きの刺激と対応する情報の意味内容との対応関係についてインタビュー調査を実施し,これらの対応関係を明らかにした。
  • 沈 得正, 寺内 文雄
    セッションID: PD-04
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、竹材の価値を向上させその活用可能性を拡大することを目的として、竹の持つ独特な構造に着目し、竹の表面部および内部を染色することで竹材の視覚的価値を向上させることを試みた。これまでに、竹材への染料や染色方法とそれに対応する染色可能範囲は明確となっている。そこで竹を扱う伝統工芸士とともに染色した真竹と女竹を用いたデザイン提案を行った。まず維管束のみを染色した真竹をヒゴ状に加工し、竹かごを制作した。また、染色真竹に曲げ加工を施すことで、竹製花器の竹枠を作り出すことができた。最後に赤、緑、青の三色に染色した女竹を用い、伝統工芸製品である房州うちわの試作を行った。これにより、染色竹材は竹工芸品に活用できる可能性が示唆された。染色についての評価は、竹内部に染色するため、割いた後染色部分が現れてくるのが面白い。普段竹細工に使われている朱色や茶色以外の色で染色するのが珍しく、新しさを感じたという評価が得られた。
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