-
中山 広文, 塩飽 修身, 蒲生 信博, 橋田 千寿
原稿種別: 本文
セッションID: 2G1-G1
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
科学的な思考力を育成するためのカリキュラムを開発し,実践を行っている併設型中高一貫教育校の併設中学校がある。カリキュラム評価としてローソンテスト多肢選択版一部自由記述版(原版:Anton. E. Lawson,改訂版:笠潤平)を実施した結果,思考操作段階の伸長が認められた。また,課題解決型学習(サイエンス探究)の論文を探究プロセスに関するルーブリックをもとに評価したところ,論理的な考察にやや課題は残るが,課題解決の道筋や観察・実験の計画性,見通しなどに成果を認めることができたので報告する。
抄録全体を表示
-
名越 利幸, 八木 一正, 黄川田 泰幸, 高室 敬
原稿種別: 本文
セッションID: 2G1-G2
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
「学校気象台」事業は,地域の学校と大学との連携事業として,大学が盛岡地域のいくつかの地点における局地気象情報をリアルタイムで提供しながら継続的に記録することにより,急激な気象変化の要因を探るデータを提供し,地域社会構築のためのセンター的役割を果たすことを目標としている。今回,小学校4年生理科における「学校気象台」データ活用のための研究授業において,概念形成に役立つことがわかった.一方,算数と理科教科書における単位や科学概念の出現順が理科→算数になっている部分に,気がついた.このような事例は,教科書会社の単元構成の再考によって,ある程度解消されると考え,以下報告したい.
抄録全体を表示
-
小倉 康
原稿種別: 本文
セッションID: 2G1-G3
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
米国で優れた理系進学者の育成に成果を上げているメリーランド州モンテゴメリー郡ブレア高校を訪問調査し,その才能育成カリキュラムと郡の才能育成施策の特徴を報告するものである。
抄録全体を表示
-
大関 健道, 山家 真二, 木庭 治夫, 長谷川 仁子, 佐々木 弥生, 小倉 康
原稿種別: 本文
セッションID: 2G1-G4
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本調査研究は、各地域において学校及び学校外における児童生徒の理数教育に取り組んでいる機関・組織、団体等を対象にして、理数教育充実のための地域における連携・協力関係の構築のための様々な要素(条件や資源、仕組み)、及び構築のプロセスを明らかにするために半構造化面接を行った。その結果、連携・協力関係構築にとって必要と思われる要素が抽出された。特に、学校における理数教育充実のための連携・協力関係については、教育委員会と連携して学校の理数教育支援を行うための中核となる組織・機関・団体の存在、及び学校と教育資源・人材とをつなぐコーディネーターの役割・機能が重要であることが明らかになった。
抄録全体を表示
-
山家 真二, 大関 健道, 木庭 治夫, 長谷川 仁子, 佐々木 弥生, 小倉 康
原稿種別: 本文
セッションID: 2G1-G5
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本調査研究では、各地域において学校及び学校外における児童生徒の理数教育に取り組んでいる機関・組織、団体等を対象にした半構造化面接によって「理数教育充実のための地域における連携・協力関係」の構築にとって必要と思われる要素(条件や資源、仕組み)が抽出された。この結果を基にして教育委員会といずれかの組織・機関・団体がコアになって児童生徒の理数教育支援を持続して継続的に行う「科学教育プラットフォーム・ネットワークモデル(持続可能モデル)」として研究仮説を修正した。この研究仮説を検証するために、市区町村教育委員会、大学・高等専門学校、科学館・博物館等、理数教育に関連する活動をしているNPO法人を対象とした調査票を設計した。インタビュー調査で明らかになった「理数教育充実のための地域における連携・協力関係」の構築にとって必要と考えられる要素について、それぞれの重要度と実現度を中心とした質問項目を作成した。2010年度は、全国の市区町村教育委員会を対象とした調査を実施した。
抄録全体を表示
-
宮下 治
原稿種別: 本文
セッションID: 2G1-H1
発行日: 2011年
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
東日本大震災を経験し,日本列島に住む私たちにとっては知っておかなければならない自然事象に対する知識と知恵が必要である。そのためにも,小学生の段階から理論とともに野外自然体験学習の中から体験的にしっかりと学ばせていくことが必要である。本研究は,東京都公立小学校における,①自然事象と自然事象(理科)指導に対する教師の意識の実態,②野外自然体験学習の実施状況,③野外自然体験学習の実施内容の調査結果に基づき,現状と課題を明らかにした。その上で,小学校の理科教育に求めることについて提言を行う。
抄録全体を表示
-
河井 延晃, 高垣 マユミ
原稿種別: 本文
セッションID: 2G1-H2
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
天文教育に関する研究は,科学教育の観点からも,公的な教育制度を対象として比較的多くなされてきた。本論はそれらを先学に位置づけつつも,比較的緩やかな組織活動として女子大学天文部の調査分析を行った。天文活動への関心や動機調査から,部員にとっての天文活動は言語的知識のみでないことが明らかとなった。これらは公的教育制度以外にも,様々なメディア表象を介して関心が広く形成されていることも推測される。また,ビジュアルイメージを利用した活動はポピュラーサイエンスと親和性が高いともいえるが,これが公的教育制度や地域活動と緩やかに連関すれば,科学のグラウンディング(社会への広範な根付き)への寄与も想定される。
抄録全体を表示
-
山邉 昭則
原稿種別: 本文
セッションID: 2G1-H3
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本発表では、大学において専門が確定する前の学習者の教養教育に着目し、二つの実践例を通して、科学と社会の関係を重視した新しい教養教育の試みを報告する。実施した結果、異なる志向の受講生同士のやり取りを通して得られる自己省察、複数の学術分野の知見の融合、専門家間の連携の重要性への気づきなどが認められた。さらに、専門を確定する前に、科学研究全体を俯瞰する視点を得る機会として有効に働いたことも示唆された。
抄録全体を表示
-
元木 環, 永田 奈緒美, 岩倉 正司, 水町 衣里, 宗本 晋作, 塩瀬 隆之
原稿種別: 本文
セッションID: 2G1-H4
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
2010年に京都大学総合博物館で開催した『科学技術Xの謎』の展示デザインについて報告する.X線という多様な研究分野で利用されているが抽象的な概念の理解が必要となるテーマの展示であっても,ビジュアルアイデンティティ(VI)を取り入れた展示自体の工夫を行うことや,印刷メディア・映像メディアなど複数のメディアを効果的に統合してコンテンツを作成することで,より多くの人に届く企画展の制作を試みた.
抄録全体を表示
-
渡辺 信
原稿種別: 本文
セッションID: 2G1-H5
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
科学教育は学校を卒業するとその役目は終わってしまう。教育が知識の伝達にその目標を置き、自ら考えることによって、問題を発見し、解決する試みは要求されていない。学校教育と生涯学習との連結が見られないといってもよい。特に、数学教育においては学校での主要科目にもかかわらず、生涯学習での位置を失う。実社会で人々に要求されることは、受験の数学問題が解けるというのではなく、自らは考えることによって最適解を求めることであり、数学学習が重要な働きをする。生涯学習としての数学のあり方を考察する。難しい数学理論を追い求めるのではなく、具体的な事柄を考える主体的な数学を生涯学習として楽しみたい。
抄録全体を表示
-
高藤 清美, 中川 麻子, 高嶋 啓
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-E1
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
フィジカルコンピューティング用の優秀なプラットフォームとして普及が進むArduinoはハードウェアおよびプログラミング環境の使いやすさに定評がある。科学教育の分野でもArduinoが活用できる場面を多数挙げることができる。本研究発表では、Arduinoを活用して試作した実験教材の例として、乾電池の寿命の研究のための実験装置と風向風速計と連動するインタラタティブ動画再生装置について紹介した。さらに、科学教育分野でのArduinoの活用方法について言及した。
抄録全体を表示
-
兒玉 明典, 川村 康文, 田山 朋子
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-E2
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
今まで,色素増殖太陽光電池の実験は,高い学習効果が認められていながらも,学校現場で行うには費用がかかりすぎると言われていた。その原因としては,生徒実験を行うための材料として,今まで高価なペースト状の二酸化チタンとヨウ素電界質溶液を用いてきたためである。そこで,著者らは粉末の二酸化チタンと,ヨウ素を含むうがい薬を用いた実験教材で電子メロディを鳴らすことに成功した。この成功によって,色素増殖太陽光電池の実験が日用品で行えるようになり,より科学技術を身近に感じることのできるものが完成した。今回はその改良と本実験材料を用いて実践を行った際の報告を行う。
抄録全体を表示
-
飯野 直子, 金柿 主税
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-E3
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
火山噴煙は大気の運動を可視化している.そのため自由大気中を移流拡散する大気汚染物質のメソスケールの挙動を理解するうえで有用な情報を提供している.ここでは,2011年霧島新燃岳噴煙の移流拡散について衛星画像や地上観測映像,拡散モデルを用いて解析し,その教材化を検討した.
抄録全体を表示
-
斉賀 勝也, 山本 勝博
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-E4
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は,再結晶の実験をより身近な物質として食塩の結晶育成の方法を研究した。結晶をより大きく,美しくする方法を課題とし,実験を行った。身近な物質から美しい結晶を作り子ども達に興味を抱かせることがねらいである。
抄録全体を表示
-
高橋 三男, 雑賀 章浩, 福司 稔, 飯田 寛志, 田島 公基, 石黒 光弘, 近藤 浩文, 後藤 顕一, 林 誠一, 山本 勝博, 堀 ...
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-E5
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究では,理科教育のためのO_2/CO_2計測システムを関発している。我々にとって身近な存在で、薬用、香辛料、食用としてさまざまな恩恵を受けている植物、生姜(ジンジャー)に着目し,生姜の内呼吸における酸素と二酸化炭素の関係について計測を行った。
抄録全体を表示
-
後藤 顕一, 清水 武夫
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-F1
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
高等学校理科課題研究では,科学に関する課題を設定し,観察,実験などを通して研究を行い,科学的に探究する能力と態度を育てるとともに,創造性の基礎を培うことが目的である。今回の取組では,高等学校の理数科において理科課題研究を意識し実践を試みた。実践した高校では,今までも研究した内容をまとめたり発表したりしてきたが,研究内容を文章や言葉でいかに伝えるかに課題を感じていた。そこで,理数科における総合的な学習の時間を活用し,年間計画のなかに,表現力の育成を目指し「相互評価表」を用いる取組を取り入れ実践したところ,興味深い知見が得られたので報告する。
抄録全体を表示
-
小泉 治彦
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-F2
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
受動的で学ぶ意味を見いだせない生徒が多い現状において、自ら「学ぶ力」を高めるための授業を高等学校理科に取り入れる試みを行った。新聞を活用した震災の調べ・発表学習や地域の教材を用いた授業を展開することにより、生徒の意欲・関心をある程度高めることができた。
抄録全体を表示
-
山田 貴之, 益子 典文
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-F3
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は,中学校理科授業における主体的学習を促進する授業ルーチンの導入過程に着目し,VTRとVRにより授業を記録し,教師の発話内容を分析した。教師の発話の中から授業ルーチンの導入・定着に向けた発話を抽出し,「理科授業の学び方」と「科学的な思考力」の形成について「説明」(授業ルーチンの内容や意義を説明する)と「価値づけ」(学習者の反応を価値づける)の両面から整理分析した。その結果,4月に「理科授業の学び方」と「科学的な思考力」に関するルーチンを多く導入することで,学習者に理科学習を成立させる基盤を形成するとともに,授業における目的意識と観察・実験活動および結果を分析・解釈する活動を促進していることが明らかとなった。
抄録全体を表示
-
栢野 彰秀, 佐藤 未菜, 三宅 正太郎
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-F4
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究では、小学校の理科授業においてイメージマップを学習支援ツールとして利用したクラスの児童が書いたイメージマップは、授業の進行につれてどのような変容が見られるのか。書いた時期の異なる複数のイメージマップをマップを比較した時、どのような考えを待ったのか。これら2点を、抽出児童を中心して事例的に明らかにし、それらに考察を加え、イメージマップを学習支援ツールとして利用するより効果的な小学校理科授業のための示唆を得ることを目的とした。その結果、抽出児童もクラスの児童も単元の学習内容の理解は概ね妥当であることが明らかになった。明らかになった課題を克服するためには、水の状態変化とそのときの温度変化をより一層関連づける第4学年の学年目標を意識した授業展開を図る必要があると考察された。
抄録全体を表示
-
宇野 勝博, 柳本 朋子, 真野 祐輔
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-F5
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究の目的は,教員養成大学における大学生の論証力の問題点を,不可能性の説明に対する評価に焦点をあてて検討することである。そのために,不可能性の説明が要請される問題を用いた調査を行い,問題の解法を評価する記述を分析・考察する。そうした記述から,「必要十分条件に関する誤解」や「すべての場合に成り立つということについての認識不足」を指摘する。
抄録全体を表示
-
高橋 みどり, 長澤 友香, 池田 博史
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-G1
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
地域を挙げて科学コミュニケーションを推進していく事業の展開に先立ち,市民の科学技術への興味・関心の度合いや考え方の傾向,科学コミュニケーションに関する認知度を把握するためのアンケート調査を行った。その結果,多くの人は科学技術により諸問題は解決されると思う一方で専門家との対話を望んでおり,自らの意思決定には不安を感じていることが明らかになった。
抄録全体を表示
-
吉田 実久
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-G2
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は,現在科学に関心を持っている市民が過去にどのような学習経験を持っているか,という点に着目し,サイエンス・カフェ参加者へのアンケート,インタビュー調査を用いて,調査・分析した.その結果,サイエンス・カフェ参加者は物事への幅広い興味関心があり,また自分で疑問に思ったことを積極的に調べるという行動を取る傾向があることが示された.
抄録全体を表示
-
尾崎 勝彦
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-G3
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
日本語では生と死の教育と称される、いわゆるデス・エデュケーションの目的は、命の尊さや唯一性、生きて行くあるいは生きている意味などを考えさせることにある。デス・エデュケーションの最も単純な形態は、死に関する情報を映像などの視聴覚教相で提示し、その前後の情動変化を見ることである。映像は情緒的に死を取り扱ったものが提示される場合が多いが、本報告では死を「科学的」に捉えたものを提示した。その結果有意な情動変化が見られたので報告する。
抄録全体を表示
-
三宅 志穂
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-G4
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
思慮探い市民を育成するための現代的スローガンであるESDは,大学など教育機関においてさまざまな形で展開されている。しかしながら,大学生のSDへの意識や態度を評価する指標は未だ確立されてはいない。汎用的な指標を探求していくための課題は多いが,そのひとつにいかなる問題状況(文脈)を設定すべきかという問いがあろう。本研究では,PISA2006調査に用いられた問題状況のテーマをフィルターとして,大学生の意識するSDが示す問題状況の特色を探った。結果,SDとして学生の意識する問題状況の多くは「資源」に関連していると分かった。また,科学的リテラシーの枠組みで捉えきれない問題状況を,学生はSDとして意識していることも示唆された。
抄録全体を表示
-
植木 幸広, 久保田 善彦
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-H1
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
振り子の学習において,自分の予想や仮説にこだわり過ぎるあまり,適切な考察ができないことが報告されている。これは,理論負荷性に関連し,実験誤差をどのように解釈するかによって引き起こされると考えられる。本研究は,実験数値の導き出し方や比較のさせ方が,誤差の認識及び理論負荷性の出現にどのように関連するかを調べた。実験数値を「平均する・平均しない」,「直接比べる・グラフを描いて間接的に比べる」場面で調査した結果,以下の2点が明らかとなった。・平均した数値で比べるよりも平均しない数値で比べた方が誤差を認識しやすい。・度,理論負荷性のある考察をすると,グラフを描いてもその傾向は変容しにくい。
抄録全体を表示
-
田崎 裕太, 大辻 永
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-H2
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は「科学教育の文化研究」に属するものである。民俗学的な視点から文化について調査を行ったところ,「科学教育の文化研究」を進めるに当たって,「社会構造」や「精神構造」にも配慮する必要があるという示唆を受けた。また,それらに加えて日本人の,「自然観」,「土着科学」,「教育活動」について調査した結果,これらの背景には共通して仏教思想が見られた。日本での科学教育実践をリードしてきた筑波大学附属小学校理科部の実践の中にも,調査と一致する仏教思想的特徴が見られた。このことから,日本において科学教育の文化研究を進める上では,潜在的・文化的指針として仏教思想を考慮する必要があると考えられた。
抄録全体を表示
-
山崎 良雄, 間々田 和彦, 小口 太朗, 笹岡 由加, 山崎 彩美
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-H3
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
千葉大学教育学部地学研究室は、児童生徒の時間と空間の認識の揺らぎを調査し、地学的教材開発を行ってきた。これらに基づいた地学教材の実例を示す。
抄録全体を表示
-
間々田 和彦, 山崎 良雄, 小口 太朗, 笹岡 由加, 山崎 彩美, 大谷 康治郎
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-H4
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
地学で扱う時間感覚は大学生で3グループに分かれ、適切な時間感覚を持つグループは学校教育の中でそれを学んだことが明らかになった。これを踏まえた教員養成が必要であろう。
抄録全体を表示
-
小口 太朗, 笹岡 由加, 山崎 良雄, 間々田 和彦
原稿種別: 本文
セッションID: 3G1-H5
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は学生の砂や土に対する認識に疑問を抱き,大学生を対象にアンケート調査を行った。その結果,学生の砂や土の認識の度合いや,考え方などが明らかになった。
抄録全体を表示
-
猿田 祐嗣
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-E1
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究の目的は,国際数学・理科教育動向調査(以下, TIMSSと記す)の理科論述形式問題の解答データをもとに,我が国の児童・生徒の科学的論述力の特徴を探ることである。今回は,TIMSS2003理科論述形式課題のうち,化学の基礎的概念としての「粒子」に関する問題を取り上げ,小学校第4学年の児童の解答を分析対象とした。その結果,小学生は物質の状態を表す言葉を体験の中から選び出し,的確に表現できていることが明らかとなった。
抄録全体を表示
-
和田 志保美
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-E2
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
読み取った数値情報を元に考えるグラフの問題が苦手な原因として、どのように数値情報が可視化されたかを誤解して数値を読み違えている可能性がある。そこで本稿ではバブルチャートを例に、バブルの「大きさ」がバブルの直径で表現される場合とバブルの面積で表現される場合の2通りがあることを実証し、数値情報を読み取り間違う可能性を示す。その上で、曖昧なバブルチャートに代わるグラフ種としてターゲットスコープ図と散布円図を提唱する。
抄録全体を表示
-
イルマン アンワリ , 熊野 義介
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-E3
発行日: 2011年
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
Meta-cognition is close to reflective thinking that is aware thinking of its own conceptual and contextual as well as being conscious of the reasons and evidence that support hypothesis or conclusion. The purposes of this study are to understand meta-cognitive ability of Japanese students. Research subjects were 32 undergraduate students second-year of Science Education Department of Shizuoka University which divided into 9 groups randomly. Artificial Neural Network (ANN) is used to determined strategy of students in solve problems. All of groups are 9 groups, but 7 groups whom could solve the problem. The results show that percentages of Japanese High School students are 42.9% in high category. The average time of undergraduate students is 31 minutes, where the fastest time about 7 minutes, and the lowest time about 61 minutes. According MCAI (Meta-Cognition Activity Inventory) questionnaire was showed that students never read all the details of the statement to solving problems. Therefore, meta-cognition ability has affects to time efficiency and the details reading are not important to understand and solve the problems.
抄録全体を表示
-
泉 俊輔, 進藤 明彦, 平松 敦史, 内海 良一
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-E4
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は高校生の「理系らしさ」はどのようにして生れるのかを,高校生の認知主義的学習感に着目し,アンケート調査により解析した。その結果,高校生たちは,思考過程の重視志向が高いことを「理系らしさ」と認識している可能性が高いことが示された。また,意味理解志向性は高校の理系カリキュラムの中で成長する可能性が高いことも明らかとなった。
抄録全体を表示
-
若月 聡
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-E5
発行日: 2011年
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
発表者は私立・東邦大学理学部および、千葉市が設置する看護師養成機関である千葉市青葉看護専門学校にて、「中等教育と高等教育とを接続する役割を持つ科目授業」を担当している。それぞれ目的・性格が異なる教育機関であるが、そこでの取り組みを中心に、「中等教育と高等教育とを接続する教育実践」について、考察する。
抄録全体を表示
-
岸本 忠之
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-F1
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
研究目的は,中学1年生の正負の数に関する意義理解の実態を明らかにすることである。研究方法は,正負の数の指導後に59人に対して質問紙調査を行った。正負の数の意義として,負の数の存在(正の数ととも統一的に表せる),演算の可能性(いつでも減法が可能となる),代数和(減法を加法として統一的に表せる)を挙げた。その結果,生徒は,負の数の存在と代数和について比較的意義を理解しているのに対して,演算の可能性について十分とは言えない。
抄録全体を表示
-
早田 透
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-F2
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
数学教育において,一般化はその中核を占める重要な考えであり,先行研究によって豊富な示唆がもたらされている.しかし数学教育学における理論の役割を考え先行研究を整理した結果,教授学的契約に象徴されるように「一般化のための教授学的状況」を対象とした理論研究の必要性が示唆された.
抄録全体を表示
-
高井 吾朗
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-F3
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本稿の目的は,現在の数学教育においてメタ認知を指導育成する意義とは何かということを明らかにすることである。その方法として学習指導要領の目標を参照し,「主体性」,「数学を活用する力」,「伝え合う力」が求められていることを指摘し,それらを支えるものとして「拡張されたメタ認知」が位置付くことを提言した。そして,このことからメタ認知を今日の数学教育において指導育成する意義を見出した。
抄録全体を表示
-
小原 豊
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-F4
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本稿は,ケースメソッドを用いた小学校教員養成の実践研究の一端として,算数科の教科内容知識の拡充について試行した結果を報告するものである。調和平均を題材としたケース分析及びインタビュー調査で確認された同法による指導効果として,(1)算数教材の数学的分析と授業でのその発展的な指導可否の思慮深さを啓発すること,(2)被験者による児童への詳細な発問姿勢の促進に資すること,の2点を指摘した。
抄録全体を表示
-
大滝 孝治
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-F5
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本稿では,コンセプションの四面体モデルを用いて,スファード(A. Sfard)の理論におけるコンセプションの変容過程を解釈した。その結果,内面化を《対象》と《記号》の変容,凝縮化を《概念》の変容,具象化を《確信》の変容として同定した。
抄録全体を表示
-
二見 尚之
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-G1
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
学習者がロボット・プログラミングを体験しながらプログラミングについて学習するのを支援する機能について検討した.ロボットのプログラミング環境やプログラム作成の流れを検討し,必要となる機能を考察した.ロボットにはKIROBOを,プログラミング環境にはIconWorksを取り上げた.
抄録全体を表示
-
宮本 俊光
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-G2
発行日: 2011年
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本稿は,間主観性に基づいた算数・数学科の授業のための情報環境を構築を目的とする.この情報環境を用いて実験授業をしたところ,有効な結果が得られたので,その結果報告をする.具体的には,数人の被験者に対して,数学の課題を用いて,実験授業をした結果を報告する.
抄録全体を表示
-
石田 優耶
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-G3
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
三次元動的幾何環境での作図活動が個人の空間図形概念にどんな影響を及ぼすのかについて,立方体の作図活動の事例に基づいて考察した。その結果「三次元動的幾何環境での,解析や作図の段階をもつ作図活動が,個人の空間図形概念の構成的な側面を明確にするという影響を及ぼす」という事実を捉えた。
抄録全体を表示
-
井上 美喜子, 北村 光司, 西田 佳史, 出口 貴美子, 高山 隼人, 小尾 重厚, 城 仁士
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-G4
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は,地域に根差した傷害予防教育の一環として,長崎県大村市で発生した傷害のデータをもとに大村市版傷害予防DVDを開発し,市民公開セミナーを開催した.アンケートを用いて,事故に関する知識レベル,大村市の取り組みに対する身近性,最近のヒヤリ・ハット,公開セミナーの効果などを調査した結果,地域化されたデジタルコンテンツが,市民の安全行動をおこすきっかけとなり,地域全体で安全な社会システムの構築を確立するための第一歩となる可能性が示唆された.
抄録全体を表示
-
瀬戸崎 典夫, 渡辺 阿利紗, 岩崎 勤, 森田 裕介
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-G5
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は,タンジブル太陽系教材において実物模型を使って天体CGを操作することによる効果を空間認識の観点から評価することを目的とした.大学生を対象に,2種類のインタフェースを介する比較実験を行った.その結果,天体模型を用いることによって,学習者の興味,操作に対する集中力,理解,授業活用における有用性に対して高い評価を得た.また,空間認識が苦手な学習者に対して天体模型は,直感的な操作を促し,地球視点の映像への集中力や,学習意欲を高めることが示された.
抄録全体を表示
-
坂谷内 勝
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-H1
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
OECDのPISA2009年調査とIEAのSITES 2006の国際比較調査によると、日本の学校の数学の授業でICTが活用されていないことが報告されている。筆者はこれまで、日本の学校の授業におけるICTの低活用の実態とその要因分析を行ってきた。本稿ではICTを活用している中学校数学の教師に焦点を当て、どのような教育実践を行っているのかについて報告する。
抄録全体を表示
-
平澤 林太郎
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-H2
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
学習指導要領の改訂で,小学校から粒子についての基本的な見方や概念を系統的に獲得していくことが示された。そこで,小学校6学年「燃焼の仕組み」において,「燃焼による空気のイメージの表現」と「ものづくり」を軸に授業をデザインして実践を行った。すると子どもたちは,「酸素や二酸化炭素の割合を変化させないために空気の通り道が必要である」という見方を粒子のイメージで捉え,ものづくりに活用していく姿が見られた。
抄録全体を表示
-
金子 真隆, 山下 哲, 北原 清志, 高遠 節夫
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-H3
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究では,我々が行った教員対象のアンケート調査,および教科書調査により明らかとなった,教材中の図の利用の実態とニーズに基づき,我々の開発してきたKETpicによるCollegeレベルの数学教材中への挿図が,そのようなニーズを相当程度満たし得ることを例証する。
抄録全体を表示
-
飯塚 貴大, 川崎 将貴, 八森 久宜, 田崎 剛士, 東原 貴志, 松風 嘉男
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-H4
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究では,ディジタルフォトフレーム及び書画カメラなどのICT機器を活用した,中学校技術・家庭科(技術分野)の軽くてじょうぶな橋の製作を題材とした授業実践で,ICT機器のCAIとしての機能について考察した。授業においてディジタルフォトフレームは,工具の使用方法や材料を切断・接合する方法,製作マニュアルなどの情報を学習者に提示していた。また,書画カメラで撮影されたたわみ量の違い画像は,ペアで比較・検討をさせ,その部分を補強・補修させるといった,学習者の行動を引き起こす刺激として機能していた。以上のことから,これらのICT機器は,情報の提示と学習者の行動の制御の2つについて,CAIとして機能していたと考えられた。
抄録全体を表示
-
石井 雅代
原稿種別: 本文
セッションID: 3G2-H5
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本研究は,高等学校数学科の授業において,空間図形の問題に取り組むために,立体の教材を手作りして実施したものである。空間図形に苦手意識を持つ生徒も,実際に立体を用いることで,理解しやすかったといえよう。
抄録全体を表示
-
中山 迅, 林 敏浩, 伊黒 雅洋, 裏 和宏
原稿種別: 本文
セッションID: 1B2-B1
発行日: 2011/08/23
公開日: 2018/05/16
会議録・要旨集
フリー
本発表では,主として粒子モデルに関する学習用の児童・生徒向けアニメーション作成支援ソフトウェアとして開発した"Galop"を用いた理科授業について提案する。Galopは,その前進として開発された反復再生可能型描画システムPolkaで描かれた線画を元にして,それに簡単な操作で動きを付けるソフトウェアである。児童・生徒が,これを用いて変化を伴う現象を,モデルの動きとして表現しながら学習することで,現象のモデル的な理解を深めるようにすることを意図するシステムである。
抄録全体を表示