外科と代謝・栄養
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52 巻, 2 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
会  告
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学会賞について
特  集
  • 中村 文隆, 藤井 正和, 七里 圭子, 西 智史, 篠原 良仁, 伊橋 卓文, 横山 新一郎, 武内 慎太郎, 今村 清隆, 渡邊 祐介, ...
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「チーム医療による手術侵襲軽減策とアウトカム」
    2018 年 52 巻 2 号 p. 71-77
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/23
    ジャーナル フリー
     ERAS の手術侵襲軽減策は,多職種のスタッフによる介入が不可欠である.入院前の不安要素は患者個々に異なり,消化器外科では,術後の食事摂取,人工肛門に対する不安は多い.各医療スタッフの専門的立場の助言が治療意欲を向上させる.術後の腸管機能の回復促進対策としては,輸液量の適正化,胸部硬膜外鎮痛,早期経口摂取,早期離床などチームで取り込む事項が多い.早期離床では,プログラム内容や行動目標を定め施行することが望ましい.疼痛管理としては,急性痛サービスAPS を組織することが,安心な周術期環境を効率的に提供し,今後わが国でも普及することが望まれる.回復を実感する環境づくりは,重要であり,チームメンバーは,各専門的な知識や技術を生かし患者のセルフケアーを支援することで,早期回復の実感と不安の解消につながり,満足度の高い退院につながる.
  • 郡 隆之
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「チーム医療による手術侵襲軽減策とアウトカム」
    2018 年 52 巻 2 号 p. 79-84
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/23
    ジャーナル フリー
     Enhanced recovery after surgery(ERAS©)は「周術期管理の質」を高め手術患者が早期に回復するために開発されたプロトコルである.ERAS© を実践することはチーム内の各職種の役割を明確化することにつながるため,当科ではERAS© をベースとしたチーム医療を実践している.現在当科では,医師,看護師,薬剤師,リハビリテーション部門,歯科衛生士,栄養士,手術室,入退院調整部門,病棟クラーク,栄養療法チーム,感染対策チームで入院患者管理のチームを構成して術後回復強化を行っている.チーム医療を機能させるためのシステムとして,1)各職種の役割分担の明確化と権限委譲,2)入退院センターによる事前準備,3)多職種病棟カンファランスによる情報共有と戦略立案,4)多職種による病棟回診を構築している.周術期管理は医師と看護師だけではなり立たなくなっており,チームを編成し密な連携のもと役割分担することで効率よく周術期管理ができるものと思われる.
  • ―泌尿器科での取り組み―
    沼畑 健司, 黒本 暁人, 髙井 優季, 勝又 有記, 諸角 謙人, 星 宣次, 八木 真由, 管野 秀典
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「チーム医療による手術侵襲軽減策とアウトカム」
    2018 年 52 巻 2 号 p. 85-90
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/23
    ジャーナル フリー
  • 立石 渉, 中野 清治
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「チーム医療による手術侵襲軽減策とアウトカム」
    2018 年 52 巻 2 号 p. 91-98
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/23
    ジャーナル フリー
     心臓血管外科領域では手術侵襲軽減策として低侵襲治療がおもに採用される傾向にあるが, それに加えて術後回復プログラムであるEnhanced Recovery After Surgery(ERAS)protocol の運用が有用である.多種多様な介入を達成するためには医療チームの構成が必要である.心臓手術・血管手術,さらには患者自身の併存症,病院のもつ設備,チームメンバー構成により介入の方法はさまざま変化させる必要があり,絶えずmodified していくことがよいと考える.
  • ― Skill Mix 型チーム医療による手術侵襲軽減策とアウトカム―
    牛込 恵子, 谷口 英喜
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「チーム医療による手術侵襲軽減策とアウトカム」
    2018 年 52 巻 2 号 p. 99-107
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/23
    ジャーナル フリー
     当院では,2016 年8 月1 日より専任医師およびパラメディックより運営される周術期支援センター(Tobu Hospital Perioperative Support Center:TOPS)を開設した.本稿では,Skill Mix 型のチーム医療として術前の栄養管理に焦点をあてた,「手術準備外来」における管理栄養士の役割を報告する.当外来では,最もよい全身状態で手術が迎えられるように,入院2 週間前に外来にて患者の全身アセスメントおよび情報収集,手術に関してのリスク判定,必要に応じて直接介入を多職種(医師,看護師,薬剤師,管理栄養士,歯科衛生士)により実施していることが特徴である.いわゆる外来型のNST 活動も当外来に含まれる.また,当院の周術期管理には,術後回復能力強化プログラム(ERAS®)の概念を取り入れており,術後早期回復を目標にEarly Drinking, Eating, Mobilizing(DREAM)を達成できるようにさまざまな工夫を術前より行っている.
  • ―術後疼痛管理チームによる術後疼痛軽減策―
    竹之内 正記
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「チーム医療による手術侵襲軽減策とアウトカム」
    2018 年 52 巻 2 号 p. 109-116
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/23
    ジャーナル フリー
  • ~術後悪心嘔吐の観点から~
    仙頭 佳起, 星加 麻衣子, 祖父江 和哉
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「チーム医療による手術侵襲軽減策とアウトカム」
    2018 年 52 巻 2 号 p. 117-123
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/23
    ジャーナル フリー
     現代の周術期管理においては,効率化のなかでも安全性に加えて患者満足度の向上が求められている.術後悪心嘔吐(postoperative nausea and vomiting:PONV)は,周術期の患者満足度を下げる大きな要因の一つであり,対策が求められている.シームレスな(=途切れない)周術期管理を展開するチーム医療は,PONV 対策においても効率的かつ効果的に機能し,患者満足度を向上させる可能性があり,今後はその効果検証が必要である.当院の『周術期ケアチーム』が実践しているPONV 対策の体制や成果を,周術期の流れ(術前評価,術中管理,術直後のPostanesthesia Care Unit 管理,術後回診)に沿って紹介しながら,PONV 対策における周術期管理チームの意義と役割について述べた.
  • 寺田 享志, 中澤 惠子, 浦田 香苗, 吉田 実知, 渡邊 正志, 落合 亮一
    原稿種別: 特  集
    専門分野: 「チーム医療による手術侵襲軽減策とアウトカム」
    2018 年 52 巻 2 号 p. 125-130
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/23
    ジャーナル フリー
原著(臨床研究)
  • 松井 亮太, 稲木 紀幸, 能登 恵理, 山本 大輔, 伴登 宏行
    原稿種別: 原  著(臨床研究)
    2018 年 52 巻 2 号 p. 131-139
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/23
    ジャーナル フリー
    【目的】周術期歩行数が臨床結果に及ぼす影響を検討した.
    【方法】対象は当院で大腸手術が行われた97 例とし,術後1 週間までに3,000 歩/ 日が未達成な場合を歩行不良と定義した.短期的アウトカムは術後入院期間,術後合併症,歩行不良にかかわる因子を,長期的アウトカムは術後半年までの筋肉量減少率を検討した.
    【結果】全97 例中,28 例(28.9%)が歩行不良だった.患者背景では歩行不良群で直腸切除が多く(P=0.084),貧血が有意に多かった(P=0.013).歩行不良群で入院期間が有意に長く(P<0.001),術後合併症が有意に多かった(P=0.003).歩行不良因子についてロジスティック回帰分析を行うと,術後合併症(OR:28.1,95% CI:1.88-419.6),術前歩数3,000 歩/ 日未満(OR:29.9,95% CI:2.28-394.5)で有意差を認めた.術後半年までの筋肉量減少率は有意差を認めなかった(P=0.468).
    【結語】歩行不良は入院期間を長期化させた.術前歩数3,000 歩/ 日未満,術後合併症は歩行不良にかかわり,リハの早期介入や単位数を増加すべき予測因子と考えられた.
用語解説
巻  末
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