外科と代謝・栄養
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49 巻 , 5 号
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特  集
  • 丸山 道生
    原稿種別: 特 集
    専門分野: 「術後の栄養や食事を再考する」
    2015 年 49 巻 5 号 p. 191-198
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
     「術後の食事」に関して,「手術後,消化管運動が回復してから,流動食から開始し,徐々に通常の食事にステップアップして行く」と考え方は全世界共通であった.これまで,世界各国には,それぞれの国や地域の食文化を反映した独自の術後食があり,術後食は流動食から常食までのステップアップがある段階食が一般的であった.近年,NST活動や入院期間の短縮の必要性とクリニカルパスの普及の影響などで,術後食の改革の必要性が増していた.それに加え,術後早期回復を目的としたERAS が普及することで,本邦でも術後早期の経口摂取の開始,段階食の見直しが進んでいる.これには手術が安全に行われ,かつ低侵襲化されたことが前提となっている.今後,術後栄養管理は経口栄養が主流となっていくと予想され,術後食の科学的検討が望まれる.
  • 福島 亮治
    原稿種別: 特 集
    専門分野: 「術後の栄養や食事を再考する」
    2015 年 49 巻 5 号 p. 199-203
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
     外科手術後や重症ICU患者における早期経腸栄養が,感染症をはじめとする合併症の低減や在院期間の短縮に有用であることは,1990年代より数多く報告され,現在では少なくともその理念に関しては,おおむねコンセンサスが得られていると考えられる.しかし,実際の臨床の場では,早期経腸栄養が必ずしも十分に履行できているとは限らない.実臨床における早期経腸栄養は,これまでチューブを使用した経管栄養が主体に行われており,このためには腸瘻の造設や,胃管の留置が必要で,このことが,その履行の妨げの一因となることは否めない.一方,昨今のfast track surgery,ERASプロトコールの普及や腹腔鏡手術が増加するにともない,外科手術後患者の早期経口栄養に対する関心が深まっている.本稿では,早期経腸栄養の有用性や外科手術後患者における早期経腸栄養施行の障害について概説するとともに,早期経口栄養について考察する.
  • 吉川 貴己, 青山 徹, 林 勉, 山田 貴允, 川邉 泰一, 佐藤 勉, 尾形 高士, 長 晴彦
    原稿種別: 特 集
    専門分野: 「術後の栄養や食事を再考する」
    2015 年 49 巻 5 号 p. 205-211
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
     胃癌手術後には,手術侵襲,術後合併症,術後後遺症などによって,体重が減少する.体重と脂肪量は術後,継続的に減少していくが,筋肉量は3カ月以降増加に転じる.術後1 カ月での体重減少率15%以上は,術後S-1継続の危険因子と報告されたが,ERAS管理など最新の管理によって体重が維持されるようになり,その意義は薄れてきている.一方,新規に報告された術後1カ月での除脂肪体重減少率5%以上は,術後S-1継続の新たな危険因子として,鋭敏な指標である.術後の筋肉量維持には,術後合併症の予防,手術侵襲の制御などが重要であろう.術前運動療法や手術侵襲の軽減を期待した腹腔鏡手術の効果はControversialである.現在,EPA強化栄養療法や,グレリン投与,投与カロリーの増強などの介入研究が臨床試験として行われている.
  • 原 拓央, 堅田 知子, 辻 美千代
    原稿種別: 特 集
    専門分野: 「術後の栄養や食事を再考する」
    2015 年 49 巻 5 号 p. 213-218
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
     胃切除術後の食事管理について具体的なガイドラインは存在せず,各施設が経験的手法によって対峙しているのが実情である.
     以前慣習的に行われていた分割摂取指導は,介入によって術後の栄養状態にマイナスの影響を及ぼしている可能性があると思われたため,当院においては中止が妥当と判断した.
     術後2 日目から退院日までの食種を患者自身に選択させる試みでは75 例中69 例がプログラムを完遂し,従来の段階的食事提供と比較して術後急性期の摂食熱量が有意に多く,除脂肪体重を喪失しやすいとされる術後早期の体重減少率を有意に軽減させた.また適切に選択された症例を対象にすれば,安全性にも問題はなかった.
     一連の臨床研究により,患者個々の摂食意欲を可及的に尊重することに最も意義があると思われた.
  • ~最適な食事内容の検討と評価~
    井上 真, 長尾 智己, 迫 秀則, 大久保 浩一, 佐藤 博
    原稿種別: 特 集
    専門分野: 「術後の栄養や食事を再考する」
    2015 年 49 巻 5 号 p. 219-226
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
     手術後も消化管機能が保たれる心臓手術の術後は,経口摂取による栄養管理が早期に開始となる.経口摂取による栄養管理は患者の「食べようとする意志」に左右されるため,その摂取量には個人差が認められる.さらに,術後は多くの症例で食欲の低下を認め,必要と考えられている摂取量を充足していないケースも見受けられる.一方,手術技術の進歩により,体力的に難しかった心臓手術を80歳以上の高齢者も受けることが可能になってきた現在において,これまであまり気にされることがなかった心臓手術の術後の栄養管理にも目を向けていく必要が生じてきている.すなわち,術後の早期回復を目指し,経口で効率的に栄養を摂取してもらうための最適な食事内容を検討,評価していくことが今後の重要な課題である.
  • 井田 智, 比企 直樹, 熊谷 厚志, 布部 創也, 峯 真司
    原稿種別: 特 集
    専門分野: 「術後の栄養や食事を再考する」
    2015 年 49 巻 5 号 p. 227-232
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
     栄養管理の基本は経腸栄養であることはいうまでもない.しかし術後早期には経口摂取が不十分であるため,3大栄養素を含む静脈栄養を併用した効果的な栄養管理が必要となる.2013年には本邦独自の静脈経腸栄養ガイドラインが改定され,静脈栄養を行うに当たっては,脂肪乳剤の投与が原則とされている.術後早期の脂肪乳剤投与による合併症も危惧されるが,投与速度に留意するなどの対策により安全に投与可能である.
原  著
  • 坂田 文子, 高橋 啓明, 知久 一雄
    原稿種別: 原 著
    2015 年 49 巻 5 号 p. 233-240
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
    【目的】成長期のラットを用い,高カロリー輸液剤に臨床用量の微量元素製剤(1mL/1L)を混注し投与総熱量を制限した200kcal/kg/day投与すると,微量元素製剤中の鉄に由来する非コロイド鉄により鉄の吸収と再利用を阻害するヘプシジン-25が誘導される.本研究では,高カロリー輸液剤への微量元素製剤の混注量がヘプシジン-25誘導に及ぼす影響を検討した.
    【方法】成長期の8週齢ラットに,投与総熱量200kcal/kg/dayで微量元素製剤混注量の異なる高カロリー輸液剤を3日間投与した後,血清ヘプシジン-25を測定した.微量元素製剤の混注量は,臨床用量,臨床用量の1/2および1/4とした.対照は鉄を含まない微量元素製剤を混注し投与した.
    【結果】臨床用量の1/4ではヘプシジン-25誘導は認められなかったが,1/2および臨床用量ではヘプシジン-25誘導が確認された.
    【考察】成長期のラットにおいて投与総熱量を制限した場合,高カロリー輸液剤への微量元素製剤混注量はヘプシジン-25誘導に影響を及ぼすと考えられた.
  • Etsushi Ogawa
    原稿種別: Original Article
    2015 年 49 巻 5 号 p. 241-248
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
    [Background] Severe surgical insults are known to impair host immunity leading to infectious complications. We hypothesized that gut ischemia reperfusion (gut I/R) would have deleterious effects on hepatic mononuclear cells (MNCs).
    [Materials and Methods] Fifty-seven male ICR mice were randomized to the sham (n=13), I/R30 (n=12), I/R45 (n=17), and I/R60 (n=15) groups. The I/R30, I/R45, and I/R60 mice underwent 30, 45, and 60 minutes of superior mesenteric artery (SMA) occlusion, respectively. Forty-six mice (13 in sham, 11 in I/R30, 12 in I/R45 and 10 in I/R60) survived until postoperative day 2 (POD2). On POD2 the surviving mice were killed and hepatic MNCs were isolated, counted and analyzed for determination of phenotypes (Kupffer, T, B, NK cells) and TLR4 and CD14 expressions using flowcytometry. Plasma cytokines (IL-12p70, TNF-α, IFN-γ , IL-6, MCP-1 and IL-10) and alanine aminotransferase (ALT) and aspartate aminotransferase (AST) levels were also measured.
    [Results] There was a significant negative correlation between the ischemic period and hepatic MNC numbers (p=0.01, r=-0.375). The I/R60 group showed significantly smaller hepatic MNC number than the sham and I/R30 groups. With regard to the percentages of each phenotype, CD14 and TLR4 expressions, plasma cytokines, or ALT and AST levels, no significant differences were observed among the 4 groups.
    [Conclusions] Severe gut I/R reduces hepatic MNC number. Because hepatic MNCs play an important role in the elimination of pathogens and toxins in portal blood flow, we should be aware of the possibility of impaired hepatic immunity after severe gut I/R.
臨床研究
  • ―若年健常大学生ボランティアにおける横断的観察研究の結果より―
    谷口 英喜, 牛込 恵子, 今井 菜津子, 田中 明美, 有水 友美
    原稿種別: 臨床研究
    2015 年 49 巻 5 号 p. 249-257
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
    【目的】制限アミノ酸に分類されるリジンの働きに関する基礎的なデータを提示する目的で,血中リジン濃度(リジン値)と,食事習慣および血液学的所見との関連性を検討した.
    【方法】対象は若年健常大学生ボランティア101名(21.0±1.5歳,男性20名,女性81名),研究デザインは観察横断研究.リジン値(HPLC法)と生活習慣実態調査アンケートおよび栄養状態および造血能を示す血液指標との相関をみた.
    【結果】リジン値は,中期的には豆類の摂取不足に伴い減少していた(P<0.05).短期的には,たんぱく質(r=0.23)または飽和脂肪酸(r=0.20)を多く含む食物の摂取と弱い相関が考えられた(P<0.05).血清アルブミン値,血糖値,ヘモグロビン濃度,バリン,メチオニン,イソロイシン,ロイシン,アルギニンとの間に正の相関が認められた(P<0.05).男性で高値を示していた.
    【結論】本研究の結果からリジン値は,食事習慣との関連性が疑われ,栄養および赤血球系の造血能に関する血液指標との関連性が示唆された.
用  語
記  録
巻  末
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