【目的】アナモレリンの実臨床における有用性を明らかにする.
【対象と方法】当科非小細胞肺癌等13例について, 患者背景, アナモレリンの効果, 有害事象, 投与期間, 経過を, 後方視的に検討した.
【結果】年齢中央値は78歳. BMI 18.5未満が9例, 体重減少率10%以上が9例, ECOG PSは2が8例, 食欲不振はG2が8例で最多であった. 疲労または倦怠感は13例全例で, 全身筋力低下は11例であった. 薬物療法中8例, BSC中5例. 経口栄養剤5例, オピオイド3例, プレドニゾロン3例で併用. 主治医の問診によるアナモレリンの食欲に対する効果は, 有効11例, 無効2例. 有効11例中7例は投与開始から3日以内, 10例は7日以内に食欲が増加した. 投与期間は有効11例では11から177日 (中央値62). 無効2例では7と27日. 有害事象はCTCAE G1悪心1例, G1 QTc延長1例, G2心不全1例.
【結論】非小細胞肺癌等のがん悪液質患者において, アナモレリンの有用性が, 実臨床での検討で認められた.
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