パーソナル製品や家電製品のような量販ベースの新製品においては開発設計段階での一連の信頼性評価活動と同様に, 市場へ出荷した後の初期流動情報から信頼性を確認することが重要である.また, その結果は保守用コンポーネントの適正量手配などに用いられる.しかし, これらの製品では全国に展開された販売網とサービス網から情報をまとめあげる結果, 経済的な制約から観測月までの総販売台数と各観測月における総故障台数の情報しか取得できないことが多い.このような不完全データから製品を構成するコンポーネントの信頼度をできるだけ正確に推定する事が望まれる.本稿ではまずこの不完全データのモデル化を行い, 販売ロット毎の条件付故障確率などの未知パラメータをEMアルゴリズムの手法によってノンパラメトリックに推定する方法を提案する.さらに各観測月で販売ロット毎の故障台数が既知の従来モデルと比較し推定精度の評価を行う.
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