近年,高齢化社会の進展に伴う労働力不足の解消や高齢者のQOL向上に向けた解決策として,生活支援ロボットに大きな期待が寄せられている.人と共存することを前提としている生活支援ロボットの実用化や普及には安全性の担保が必要不可欠であり,安全技術の開発や安全規格の策定が進められてきた.そして,2014年2月に生活支援ロボットの国際安全規格であるISO13482が発行され,今後,生活支援ロボットの実用化や普及が加速されることが期待される.筆者らは,生活支援ロボット実用化プロジェクトに参画し,ロボットの安全技術およびその技術を搭載したロボットの開発を行うとともに,ISO13482の策定に参画し,離床アシストベッド"リショーネ^[○!R]"において世界初のISO13482の認証を取得した.本稿では,ISO13482の概要を説明し,ISO13482の認証取得の一例としてリショーネの事例を紹介する.また,今後の生活支援ロボットの普及拡大に向けた安全に関する課題を提起し,課題解決に向けた提案を行う.
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