日本信頼性学会誌 信頼性
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41 巻, 1 号
プロジェクトマネジメントにおける品質と信頼性
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 神林 友和
    2019 年41 巻1 号 p. 2-8
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/01/13
    ジャーナル フリー
    近年,AIを活用したビジネスが急速に拡大しており,プロジェクトマネジメントのリスク管理領域でもAIの適用が始まっている.本稿では,具体的な事例として筆者らの取り組みを交えながら不採算プロジェクトの予兆検知に注目して活用事例を紹介する.筆者らの事例は、2つのAI技術である「ディープラーニング」と「決定木」を併用して高リスクプロジェクトを予兆検知する方法である。この方法に関し、検知理由の理解しやすさと検知精度の観点で評価し,有効性を確認した.
  • 佐藤 孝司, 纐纈 伸子, 橘 克一, 下村 哲司
    2019 年41 巻1 号 p. 9-17
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/01/13
    ジャーナル フリー
    近年,お客様の要求に柔軟かつ素早く対応しながらソフトウェア開発を進めるのに適したアジャイル開発が多く導入されている.アジャイル開発では,小さく分割されたソフトウェアの開発要件を重要なものから順に開発することで,実現したいシステムの要求に柔軟かつ迅速に対応可能になる.筆者らの組織では,一部のパッケージソフトウェアの開発を,従来のウォーターフォール開発からアジャイル開発のスクラム手法に切り換えてきた.本稿では,ウォーターフォール開発で長年培ってきた開発プロセスのメトリクスによる定量的管理をスクラム手法にも応用して,スクラム手法のスプリントレビューにおいてメトリクスによる判定を加えた定量的管理の導入事例を紹介するとともに,適用効果を考察する.
  • 井上 真二, 山田 茂
    2019 年41 巻1 号 p. 18-24
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/01/13
    ジャーナル フリー
    ソフトウェア故障の発生からその原因解析およびフォールト(バグ)の修正に至るまでのプロセスと観測される信頼度成長過程との関係性を表現するアプローチについて議論する.デバッギングプロセスを意識したソフトウェア信頼性モデルは,従前からも議論がされている.本稿では,デバッギングプロセスを柔軟かつ体系的に表現するための位相型確率分布を適用しながら,デバッギング難易度を考慮したいくつかのプロセスを表現し,位相型確率分布による既存のソフトウェア信頼性モデリング枠組みに基づいたモデルをそれぞれ示す.
  • 坂本 直史
    2019 年41 巻1 号 p. 25-32
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/01/13
    ジャーナル フリー
    品質や信頼性を築くための活動は人が行うことが前提となる.そのため,関わる人がその能力を発揮して確実に作業を行い,組織全体として期待される成果を出すことが必要である.その活動の場となるビジネス環境は,労働環境の多様化や,デジタル・トランスフォーメーションと言われるような新しいビジネスモデルが次々と出てくる環境にある.当然ながら品質や信頼性を築く活動も,この大きな環境の変化に合わせた活動が要求される.大きな変化に対応するためには,リーダーや有能な一部のチームメンバーといった「個の力」に頼るのでは限界を来たす.チーム全体が効果的なコラボレーションを行って成果を出すことが必要である.このためのチーム活動を意識したリーダーシップが脚光を浴びつつある.リーダーシップは 1900 年代より研究され,リーダーに焦点をあてたものが主体であった.その後,コンセプト理論として如何にチームをエンパワーするのかという観点が中心となってきている.当論文では,このような流れを踏まえ,品質や信頼性を築くためのチームを活かすリーダーシップについて解説を行う.
  • 浦田 敏
    2019 年41 巻1 号 p. 33-40
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/01/13
    ジャーナル フリー
    システム開発プロジェクトにおけるリスクマネジメントの難しさの一因として,個々の視点や知識等の違いによる失敗原因の把握の困難さが挙げられる.即ち,不具合の発生タイミングにおいて生じる,知識不足や理解不足,誤認知や誤判断等を把握することは難しい.これらは人々の内面で生じており,様々な場面において表出させ再確認する為には工数を要するからである.また,失敗原因を複数のプロジェクトに跨って共有する良い手段がないのが現状である.本論では,プロジェクトメンバの持つ知識とコミュニケーション能力に着目したエージェント・ベース・モデルを構築した例を中心に述べる.また,人工知能等の先進技術がプロジェクトにおいてどのように活用されているかについても触れる.このような研究により,プロジェクトメンバの持つ知識や各種能力を統合的に発揮させるための判断を支援する他,プロジェクトを跨ったリスクの評価が期待される.
  • 岡田 公治
    2019 年41 巻1 号 p. 41-49
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/01/13
    ジャーナル フリー
    変革の時代に上手く適応し自ら変革を創起していくために,「定常業務」との対比において独自性や有期性により特徴付けられる「プロジェクト」の重要性が高まっている.しかしながらプロジェクトの成功率は高くない.プロジェクトの成功率を高めるために様々なプロジェクトマネジメント研究が進められているが,構成的アプローチに基づく研究は少ない.構成的アプローチにより,プロジェクトとそれを取り巻く環境に内在する問題構造の理解が進み,これまで見落とされていた視点からの新たな進展が期待される.本稿では,構成的アプローチにより,(1)プロジェクトの成功を導く意思決定が上位プログラムやビジネスの成功を妨げる場合があるという問題構造,(2)プロジェクト成功率を高めるために行われている計画精度向上と PDCA (Plan-Do-Check-Act)強化の取組みがビジネス競争力の向上を妨げる場合があるという問題構造の存在をシミュレーション実験により導出した研究事例を紹介すると共にプロジェクトの品質に関する考察を試みる.
  • 小田 篤史, 堤 雄飛, 西野 尊善
    2019 年41 巻1 号 p. 67-77
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/01/13
    ジャーナル フリー
    公共交通システムが高齢者や車椅子の利用者にとって使いやすいシステムであるためには車両の乗降口と待ち位置を一致させる定位置停止制御が重要である.定位置停止制御には正確な自己位置推定が必要であるが,現在のマーカーを用いた方式は高価であるという課題があった.著者らは画像処理による地上目標物との相対距離情報を用いて自己位置を推定し定位置停止制御を行う方法を提案した.本論文では提案手法について 10 分の 1 スケールの画像処理基礎実験とシミュレーションによる定位置停止制御の評価による実現性検討を行い,提案手法が定位置停止制御に要求される停止位置精度 1m 以内を満たす見込みを得た.
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