正常なCMOS回路の静的電源電流(I_<DDQ>)は微小であるが, 回路内の欠陥により静的電源電流が増大することが多い.このため, I_<DDQ>計測で得られる情報はCMOS回路のテストと欠陥解析に役立つ.また, 従来から用いられてきた縮退故障モデルと論理テストでは対処できない欠陥がCMOS回路に存在するので, I_<DDQ>情報は質の高いテストと効率的な欠陥解析を行うために不可欠でもある.本論文では, I_<DDQ>テストにおいて多用されるトランジスタ短絡故障モデルを用いて, I_<DDQ>テストの原理, I_<DDQ>テストベクトルの選択手法およびI_<DDQ>情報と外部出力論理値情報の併用による故障診断手法について延べる.
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