小標本の右側定数打切(right censored Type II)データ(RCD(n,r))から母集団のワイブル分布の形状母数mと尺度母数cを推定する場合,推定量の偏り(BIAS)の絶対値と平均2乗誤差(MSE)を小さくする方法を探究するために,まず,(i)ワイブル・プロットにおける縦横両軸方向の誤差を同時に考慮する評価関数Kと,(ii)大きさnの標本で観測された小さい方からr番目までの既知データから観測打切となった(n-r)個の未知データを予測する簡単な方法,を提案する.これにより,r個の既知データと残りの(n-r)個の未知データ予測値をあわせたものを,仮に,大きさnの完全標本と見なすと,これらに(i)で導入した評価関数Kを最小にする最小2乗法(LSE),最尤法(MLE),(b=1/m,c)に対する最良線形不偏推定法(BLUE)のほか,偏り修正法などを形式的に適用して母数mとcを推定することができる.これらの方法で求めた推定値のBIASとMSEをn=5,7,10,15,20;r=4,5,…,nに対してそれぞれN=20000回のシミュレーションで評価し,r個の既知データだけを使用する従来の場合と比較すると,われわれの提案法は,特に,mの推定では| BIAS |とMSEをかなり減少させることが示される.
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