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平田 公一
2011 年 26 巻 1 号 p.
1-2
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
ジャーナル
フリー
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廣岡 芳樹, 伊藤 彰浩, 川嶋 啓揮, 大野 栄三郎, 石川 卓哉, 松原 浩, 伊藤 裕也, 中村 陽介, 平松 武, 中村 正直, 宮 ...
2011 年 26 巻 1 号 p.
3-5
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
ジャーナル
フリー
膵疾患画像診断における最近の進歩について概説した.超音波検査はLevovist
®やSonazoid
®などの超音波造影剤が使用可能になることで,B-mode画像に血行動態を加味した診断が出来ることになった.このことは電子走査化によってEUSにおいても重要な意義を有することになった.細胞質や細胞外液中に存在する水分子の水素原子核(プロトン)の拡散を検出し拡散強調画像(DWI)として画像化する技術やperfusion CTの現状を知ることは膵の画像診断を考える上で極めて重要である.
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松原 浩, 廣岡 芳樹, 伊藤 彰浩, 川嶋 啓揮, 大野 栄三郎, 石川 卓哉, 伊藤 裕也, 中村 陽介, 平松 武, 中村 正直, 宮 ...
2011 年 26 巻 1 号 p.
6-10
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
ジャーナル
フリー
膵疾患の診断における超音波内視鏡検査(EUS)の有用性は世界中で広く認められている.造影EUS(CE-EUS)は,いわゆる第二世代超音波造影剤Sonazoid
®(第一三共)を使用することで,膵疾患に対する良質な造影イメージと持続的な観察を実現した.造影EUSによる持続観察後,Time-intensity curve(TIC)を作成し定量的解析を行うと,膵管癌はピーク後のecho-intensityの速やかな低下が特徴的であった.また,B-mode画像診断,肉眼的な造影イメージ診断に,TICを用いた定量的評価を加えることで,膵疾患の良悪性の鑑別診断能の向上が得られる.
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祖父尼 淳, 森安 史典, 辻 修二郎, 石井 健太郎, 糸川 文英, 土屋 貴愛, 栗原 俊夫, 池内 信人, 田中 麗奈, 梅田 純子, ...
2011 年 26 巻 1 号 p.
11-22
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
ジャーナル
フリー
膵疾患において血流動態を加味したCE-USは,鑑別診断および進展度診断に有用とされている.しかし高音圧性の超音波造影剤Levovist
®を用いたCE-USでは限界があり問題点も明らかとなってきた.そのためより精密な描出や評価が可能となる第2世代低音圧性超音波造影剤Sonazoid
®や新しく開発された造影超音波手法を用い,これまでのLevovist
®を用いたCE-USとの比較検討をおこなった.結果では,総じてSonazoid
®がLevovist
®より緻密な画像が得られ,これまで以上に正確な染影評価が可能であった.Sonazoid
®を使用することでLevovist
®では映像化が困難であった微小血管内でのマイクロバブルの細かい動きをリアルタイムに繰り返し可視化することができた.特に悪性腫瘤では腫瘤内部の微小血管に一致してマイクロバブルが不規則に揺れ動く,いわゆるirregular rolling signが特徴的で良悪性の鑑別に有用であった.膵疾患においてSonazoid
®を用いたCE-USは従来のLevovist
®以上に診断能の向上が得られ,鑑別診断に有用であった.
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北野 雅之, 小牧 孝充, 坂本 洋城, 今井 元, 鎌田 研, 工藤 正俊, 安田 武生, 竹山 宜典
2011 年 26 巻 1 号 p.
23-28
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
ジャーナル
フリー
超音波内視鏡検査(EUS)は他の画像診断と比較すると高解像度のため,2cm以下のTS-1膵癌の診断に有用である.しかしながら,EUSにて低エコー腫瘤として描出された病変でもその鑑別診断に難渋する場合がある.筆者らはEUS領域において造影ハーモニック法による膵実質染影像の撮像を可能にしたシステムを開発した.造影ハーモニックEUS検査(CH-EUS)により膵充実性病変はAvascular,Hypovascular,IsovascularおよびHypervascularの4パターンに分類される.通常型膵癌をHypovascularパターンとした場合,CH-EUSによる膵癌診断の感度および特異度はそれぞれ89~96%および64~89%であり,特にTS-1膵癌における診断能はMDCTを凌駕していた.さらに,CH-EUSは,膵管内乳頭粘液性腫瘍における壁在結節に血流が存在することで,粘液塊との識別を容易にした.
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入澤 篤志, 高木 忠之, 渋川 悟朗, 佐藤 愛, 池田 恒彦, 鈴木 玲, 引地 拓人, 佐藤 匡記, 渡辺 晃, 中村 純, 阿部 洋 ...
2011 年 26 巻 1 号 p.
29-36
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
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慢性膵炎の予後は芳しくなく,より早期での慢性膵炎診断の重要性が認識されていた.早期慢性膵炎は微細な膵実質・膵管変化のみが伴うと考えられ,従来の画像診断(体表超音波検査,CT,内視鏡的逆行性胆膵管造影:ERCP,など)では異常を捉えることは困難であった.近年,超音波内視鏡(EUS)による慢性膵炎診断が提唱され,その有用性は高く評価されてきた.EUSは経胃もしくは経十二指腸的に,至近距離から高解像度での観察が可能であり,他の検査では捉えられない異常が描出できる.2009年に慢性膵炎診断基準が改定され早期慢性膵炎診断が可能となり,この診断基準にEUS所見が明記された.より早期からの医療介入のためにも,慢性膵炎診療におけるEUSの役割の理解はきわめて重要である.特に,上腹部痛や背部痛を訴える患者で,明らかな消化管異常が認められず慢性膵炎が疑われる症例においては,積極的なEUS施行が推奨される.
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金子 真紀, 真口 宏介, 高橋 邦幸, 潟沼 朗生, 小山内 学
2011 年 26 巻 1 号 p.
37-42
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
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膵癌は予後不良な癌腫であり,早期診断が極めて重要である.各種画像診断の進歩は著しく,MDCTやMRI機器の発達,EUSの普及と技術の向上により,小膵癌の発見数は増加している.当センターで経験した通常型膵管癌693例のうち,最終病理診断にて2cm以下のTS1膵癌は32例(4.6%)であった.これらTS1膵癌に対するMDCT,DWIおよびEUSでの診断能の比較検討を行った結果,腫瘤描出率はMDCT 92.3%,DWI 77.8%,EUS 100%であり,質的診断はMDCT 84.6%,DWI 77.8%,EUS 96.8%であった.さらに,これらの組み合わせによる総合診断では全例に膵癌と診断し得た.MDCT,DWI,EUSを活用することで,小膵癌の診断が可能な状況になったと考える.
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小林 剛, 藤田 直孝, 野田 裕, 伊藤 啓, 洞口 淳, 尾花 貴志, 越田 真介, 管野 良秀, 山下 泰伸, 加藤 雄平, 小川 貴 ...
2011 年 26 巻 1 号 p.
43-53
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
ジャーナル
フリー
分枝型Intraductal papillary-mucinous neoplasm(IPMN)の進展様式と,Endoscopic ultrasonography(EUS),Intraductal ultrasonography(IDUS)による評価について概説した.当科でEUSにて1年以上の経過観察が可能であった分枝型93名(平均観察期間46ヶ月)では,当初から乳頭状隆起が指摘されていた21名中48%に増大,38%に側方進展が確認され,その他,経過中の新たな出現が10%みられた.しかし,このような乳頭状隆起の進展例からは浸潤癌への進行はみられなかった.IPMN由来浸潤癌の発現は2%,異所性多中心性の併存膵癌が1%みられた.
IPMNの実質浸潤を示すEUS像には2つのpatternがみられた.1つはintestinal type由来で高乳頭状腫瘍を有するが悪性度が低く,緩徐に粘液癌として浸潤するもので,浸潤部のEUS像はmixed-echo patternを呈する.他方は乳頭状隆起を呈しながら悪性度が高く,管状腺癌として浸潤するpancreatobiliary typeやoncocytic type由来であり,通常型膵癌と同様に膵実質内のsolid-echo patternを示す.さらに,低乳頭状ないしは平坦部から浸潤する例の中には,多房性で粘液産生に乏しく管状腺癌として早い進展を示し,high-grade gastric typeからの浸潤が推察される例があり,これも通常型膵癌と同様に膵実質内のsolid-echo patternを示す.
他臓器への穿破は,IPMN 274名中18名6.6%,分枝型では3.5%にみられた.Intestinal typeが94%を占め,瘻孔部に間質浸潤を伴わない機械的穿破が67%,浸潤性穿破が33%みられた.機械的穿破例の瘻孔部には,膵実質浸潤を示すmixed-echo patternを呈する例はみられなかった.また,機械的穿破例では瘻孔部の膵管上皮から連続して他臓器の上皮へ側方進展する例が44%みられた.
分枝型の主膵管内側方進展を,術前にIDUSを施行した24名の切除例で検討すると,54%に組織学的進展が確認され,進展距離は平均25mm(5~50mm)であった.側方進展の有無と分枝型の大きさ,局在,乳頭状隆起の高さ,および組織学的異型度との間に有意な関係はみられなかったが,側方進展を有する群では主膵管径が太く(
p =0.03),膵管造影上の最大径の計測では全て6mm以上であった.IDUSによる主膵管内進展の存在診断能は,sensitivity 92%,specificity 91%,overall accuracy 92%と高い有用性が示された.
分枝型は生物学的悪性度と共に多様な進展様式を考慮した診療方針が必要である.切除適応の判定にはEUS所見が重要で,手術が決定した際の術前検査として主膵管径が6mm以上であれば,主膵管内側方進展を考慮してIDUSを行うことが望ましい.
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廣田 衛久, 津田 雅視, 辻 喜久, 下瀬川 徹
2011 年 26 巻 1 号 p.
54-58
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
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本邦における自己免疫性膵炎(AIP)のほとんどが1型に分類され,その病理組織学的特徴のひとつは閉塞性静脈炎の合併である.このため,AIPにおいて膵血流動態が変化している可能性がある.我々はPerfusion CT(P-CT)を用いてAIP患者の膵血流動態を解析した.血流解析はSingle-compartment kinetic modelを用いて行った.AIP患者11症例のTime density curve(TDC)とパラメーターの比較を,正常膵12症例を対照に行った.AIP患者のTDCは対照と比較し立ち上がりの傾斜がなだらかで,ピーク値が低かった.パラメーターの比較では,このTDCの特徴を反映し膵への流入血流を表すF
V値がAIPで有意に低かった.ステロイド治療を行った9症例では治療後に有意にF
V値の改善を認めたが,正常域まで回復した症例は少数であった.
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辻 喜久, 渡邉 翼, 塩川 雅広, 栗田 亮, 澤井 勇悟, 上野 憲司, 塩 せいじ, 宇座 徳光, 児玉 裕三, 小泉 幸司, 磯田 ...
2011 年 26 巻 1 号 p.
59-65
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
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[背景と目的]脳虚血性疾患では,虚血領域は2種類に分けられ,壊死に至る不可逆性の領域と,虚血であるものの治療によって壊死することなく治癒する可逆性虚血領域である.今回,重症急性膵炎にPerfusion CTを用いれば,可逆性虚血領域が診断できるか検討した.
[方法]発症3日以内に,Perfusion CTを撮像した71人の重症急性膵炎患者を対象とした.全ての膵実質を,頭部,体部,尾部に分け,膵血流速度(F
V),膵血流量(V
D)をPerfusion CT(Single compartment kinetic model)にて測定した.3週間後に造影CTを行い,頭部,体部,尾部がそれぞれ壊死したか診断した.
[結果]発症早期に,F
V,V
Dどちらも低下している場合,高率に壊死した.発症早期に,F
V,V
D片方だけ低下している場合,壊死する場合もあれば,回復する場合もあった.発症早期に,F
V,V
Dどちらも低下していなければ壊死しなかった.
[考察]発症早期にF
V,V
Dどちらも低下した実質は高率に壊死し,このような実質は不可逆性膵虚血/早期壊死であると考えられた.単一のParameterのみ低下した実質は,必ずしも壊死しない場合があり,こうした実質は可逆性膵虚血である場合があると考えられた.以上から,複数のPerfusion Parameterを用いることで,可逆性-非可逆性膵虚血を診断しうる可能性があると考えられたが,こうしたPerfusion CTの所見と病理との比較や,用語の定義など,今後の課題であると考えられた.
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杉本 博行, 竹田 伸, 野本 周嗣, 粕谷 英樹, 藤井 努, 中尾 昭公
2011 年 26 巻 1 号 p.
66-71
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
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当科では膵癌に対し門脈合併膵頭十二指腸切除をこれまで積極的に施行してきた.膵癌手術において剥離面陰性にすることは良好な予後を得るために最も重要である.より精密な進展度診断を行うために当科では術中超音波検査および門脈血管内超音波検査(IPEUS)を施行している.さらに肝転移の診断においては術中にReal-time tissue elastography(RTE)を応用している.IPEUSは8Fr,20MHzのtip rotating system IVUS catheterを用いているが,門脈浸潤の診断において最も信頼性の高い診断法である.また肝転移の鑑別診断は手術の適応決定に重要である.RTEにより組織の硬さを画像化することが可能となった.術中RTEは肝良性腫瘍と肝転移の鑑別診断を容易とする.これらの術中超音波検査法は適切な膵癌手術を行う上で重要である.
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本杉 宇太郎, 市川 智章, 荒木 力
2011 年 26 巻 1 号 p.
72-78
発行日: 2011年
公開日: 2011/03/07
ジャーナル
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拡散強調像は水分子の拡散現象を画像化する方法であり,拡散の程度を見かけの拡散係数(ADC値)として定量することができる.拡散強調像による定量的評価は種々の膵疾患に応用されている.今回我々は限局型自己免疫性膵炎11病変と膵癌70病変を対象にADC値測定を含めた画像解析を行い鑑別に有用な所見の検索を行った.限局型自己免疫性膵炎のADC値(0.79×10
-3mm
2/sec)は,膵癌のADC値(1.10×10
-3mm
2/sec)に比べ有意に低値であった.鑑別に有用であったその他の画像所見とADC値による定量的評価を組み合わせた鑑別診断能は感度91%~100%,特異度98%~100%と極めて高い値を示した.
これらの結果により拡散強調像の有用性が示されたが,一方で既報と比較することにより撮像方法によるADC値のばらつきなど限界があることも示された.IVIM-DWIモデルを用いた拡散強調像の今後の展開について述べる.
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