情報地質
Online ISSN : 1347-541X
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15 巻, 4 号
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システム・ソフトウェア開発
  • 正路 徹也
    原稿種別: システム・ソフトウェア開発
    2004 年 15 巻 4 号 p. 185-192
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/02/28
    ジャーナル フリー
    粉末X線回折法で鉱物が同定され,その結果を他の用途のためにエクセルで処理することを念頭に,X線回折パターンをエクセルのグラフシートに表示するプログラムを開発した.このプログラムは,MS-ExcelのVBA(Visual Basic for Application)で動く.作業は,?@X線回折計からエクセルのワークシートへのデータの転記(ただし,各X線回折計に依存する),?AX線回折パターンの描画,?B回折ピーク位置の抽出,?C同定とその結果のグラフへの表示に分けられる.これにより,論文・報告書等へ添付する図の作成が容易になるとともに,回折データや同定結果を他の目的に利用するときにもエクセルの機能を利用することができる.
論説
  • 米澤 剛, 升本 眞二, 根本 達也, 坂本 正徳, 塩野 清治
    原稿種別: 論説
    2004 年 15 巻 4 号 p. 193-208
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/02/28
    ジャーナル フリー
    地質関数は3次元空間内の任意の点に対して,その点がどの地質体に含まれるかを特定することができる関数であり,地質図のコンピュータ処理の基本要素である.地質関数を基礎にして3次元地質構造のモデル化あるいは可視化のアルゴリズムが開発されてきた.しかしながら,地質関数は地質境界という概念を含まないため,地質境界線の取り扱いは未解決の課題として残されていた.本論文ではこの課題を解決するために,3次元空間内の任意の点にその点の直下にある地質体と直上にある地質体の対を対応づける拡張地質関数を新たに定義した.拡張地質関数により地質体と地質体の境界を明確に定義できるため,地質図に地質境界線を表現できることが可能となる.この拡張地質関数にもとづいて地質表示面に地質境界線を作図するアルゴリズムを開発し,Visual BasicプログラムGeomodel2003として具体化した.このプログラムは従来開発されてきたGeomodel2000を基礎にしている.既存のサブルーチンは可能な限りそのまま活用し,境界線を描くのに必要な部分のみを新たに追加した.いくつかのモデルを使って,アルゴリズムの妥当性と有効性を検証した.秋田県の本荘地域の3次元地質モデルをGeomodel2003に適用して地質平面図,地質断面図や立体地質図のすべてに地質境界線を表示できることを確認した.
  • Howladar M. F., 林 大五郎
    原稿種別: 論説
    2004 年 15 巻 4 号 p. 207-219
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/02/28
    ジャーナル フリー
    大規模な地殻の運動によって出現したヒマラヤ山系はインドプレートとユーラシア大陸プレートとの衝突によりもたらされた.ここに取り上げた一連の弾性有限要素モデルは中央ヒマラヤの主要スラスト(MCT,MBT,MFT)の発達過程を表している.Johnson(2002)によって作成された中央ヒマラヤのバランス地質断面図を多少修正したものを平面ひずみの条件のもとで使用した.インドプレートの速度を40Maでは10cm/年,20Maでは5cm/年,10Maでは2cm/年に設定した.シミュレーションの結果,水平圧縮応力σ1はテーチスヒマラヤ,高ヒマラヤ,低ヒマラヤ,サブヒマラヤ,そしてMCT,MBT,MFTの萌芽地帯にスラストを生じさせた.特に将来MCT,MBT,MFTとなる萌芽地帯全体でのスラストの発生する領域の占める割合は高い.
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