情報地質
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20 巻, 1 号
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  • 地形特性値の抽出を例として
    野々垣 進, 升本 眞二, 塩野 清治
    2009 年 20 巻 1 号 p. 3-16
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/10
    ジャーナル フリー
    野々垣ほか(2008)が開発した曲面推定プログラムBS-Horizonでは,推定した3次B‐スプライン曲面をDEMとしてだけではなく関数としても保存できる.本研究の目的は,BS-Horizonで関数として保存した曲面を地形学・地質学分野における解析に適用し,DEMにもとづく解析手法とは異なる新しい解析手法を開発することである.
    BS-Horizonの推定結果の活用例として,DEMを用いた場合には近似計算により求められる地形特性値を,BS-Horizonで求めた3次B‐スプライン関数の係数にもとづいて厳密に計算する手法を開発した.また,FORTRANプログラムAPP4OPTとして具体化した.関数モデルを用いた地形特性値の計算例では,APP4OPTが対象とした値を正確に求められることを確認した.地形図を用いた地形特性値の計算例では,実際の地形についても本手法が有効であることを確認した.さらに,DEMを用いた解析の結果と3次B‐スプライン曲面を用いた解析の結果とを比較し,本手法を用いれば,DEMでは実現不可能であった曲面の1次微分係数,2次微分係数および定積分を利用した厳密かつ連続的な解析が可能となることを示した.
  • 構造グラフ:グラフ理論を用いた露頭構造の数学的モデル
    河西 秀夫
    2009 年 20 巻 1 号 p. 17-29
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/10
    ジャーナル フリー
    露頭データベースの作成には層序と露頭構造の数学的表現が必要である.層序と露頭構造の数学的表現方法として,グラフ理論と二項関係を使用した構造グラフ,構造行列,構造式を提案し,これらの理論的背景を検討した.構造グラフはラベル付有向グラフを使用して層序と露頭構造を表現したものであり,G=(V, E, ∅)で表現される.Vはグラフの頂点(地層)の集合,Eは弧(地層間の接触関係)の集合,∅はEの順序対 (vi,vj)を接触関係のタイプに関連づける関数である.弧の方向は下位の地層から上位の地層に向く.構造行列(sij)はグラフの隣接行列(aij)を再定義したもので,行列の要素sijは(vi,vj) ∈ Eならばsij=##であり,それ以外はsij=0である.##は地層viとvjの接触関係である.層序式は層序と露頭構造を式で表現したものであり,v1 ##1v2 ##2…##n-1 vnで表現される.また,(v1 ##1 v2 ##2…##n-2 vn-1) ##n-1 vnのように()や[ ),(]などを使用して複雑な構造を表現することが可能である.これらの手法により,露頭構造を数学的に表現できるようになった.
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