比較生理生化学
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27 巻 , 1 号
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総説
  • 佐々木 謙
    2010 年 27 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/04/27
    ジャーナル フリー
     社会性昆虫に見られる成虫期の表現型多型はカーストと呼ばれ,繁殖や巣内の仕事の効率を高めるために進化した性質であると考えられている。カーストの形態分化は幼虫期の神経・内分泌系による作用と異なる遺伝子発現を通して起こる。近年,カースト間で異なる栄養代謝系の遺伝子発現に関する研究が進み,カースト特異的な内部・外部形態への分化が分子レベルで解明されつつある。非繁殖個体であるワーカーは,繁殖個体不在の条件下において,成虫期の外部形態を維持したまま,一部の内部器官や行動を可塑的に繁殖型に転換することができる。カーストの転換に伴う行動変化は脳の生理的変化の結果生じるが,その行動変化は脳の構造にまで影響を与え,最終的にはカーストに特殊化した脳をつくり出す可能性がある。このようなカースト分化や転換における基本的な生理・分子メカニズムは,多くの社会性をもつハチ目で共通していると考えられる。その一方で,社会性の進化の程度により,生殖腺刺激ホルモンの制御機構が種間で異なる例も見つかっている。本稿では,社会性昆虫における繁殖制御メカニズムを紹介するとともに,その内分泌メカニズムの進化についても議論したい。
  • 永田 仁史
    2010 年 27 巻 1 号 p. 10-18
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/04/27
    ジャーナル フリー
     工学的な方向推定処理における主要な従来法,および,本稿で新たに導入するチャネル間差信号に基づく一般化相互相関関数について説明し,簡単な性能比較によってこの関数を用いた方法の優位性を確かめる。さらに,従来の聴覚の音源定位の計算モデルについて述べた後,とくにチャネル間差信号に基づく一般化相互相関関数の音源定位モデルとしての予備的検討を行う。これにより,この方法を用いて両耳受聴音からの2次元の定位が可能であり,工学処理の中で高性能であるとされるmultiple signal classification(MUSIC)法と同等の性能であること,また,聴覚モデルに要求されるのと同様,両耳間レベル差のみによって方向推定可能であることを確かめる。聴覚の音源定位モデルとしての提案までにはまだ未検討の課題が多いが,実環境における聴覚の高い定位性能を模擬できるような音源定位の計算モデルとなる可能性がある。
技術ノート
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