比較生理生化学
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24 巻, 1 号
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総説
  • 勝又 綾子, 尾崎 まみこ
    2007 年 24 巻 1 号 p. 3-17
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/10/02
    ジャーナル フリー
     私達が野外や屋内で何気なく見かけるアリは,分布域の広さとバイオマスの大きさによって,生態系において圧倒的な優位性を示す。高度に組織化されたアリの社会は,それぞれの種が進化過程で培った高度なケミカルコミュニケーションの多様性,すなわちコロニーメンバーが分業し活動を協調させるための,通信コードとしての情報化学物質の豊富さに支えられている。
     それではアリ達は具体的に,どのような情報化学物質を,どのように処理して,統制のとれた複雑な行動を示すのだろうか?
     本稿では,アリの社会における代表的なケミカルコミュニケーションを紹介し,そこで用いられる重要なフェロモン,化学受容器,一次感覚中枢(触角葉など),高次中枢における情報処理系の最近の研究について触れる。
  • 櫻井 全
    2007 年 24 巻 1 号 p. 18-26
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/10/02
    ジャーナル フリー
     神経回路機能の発現と調節においてニューロモジュレーションが重要な働きをもつことが知られる。 ニューロモジュレーションは特定のニューロンの膜特性やシナプス強度を持続的に変化させることで神経回路機能を調節したり, 回路そのものを再編成したりする。 軟体動物トリトニアの逃避遊泳回路において, セロトニン作動性ニューロンの活動後の時間経過に依存して他のニューロンのシナプス伝達が増強もしくは減衰することが明らかとなった。 本稿では時間経過とともに修飾効果が逆転する『タイミング依存性』のニューロモジュレーションの性質とそのメカニズムに関して, 近年著者らによって得られた知見を述べる。
技術ノート
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