日本血管外科学会雑誌
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22 巻 , 4 号
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追悼文
原著
  • 佐戸川 弘之, 高瀬 信弥, 瀬戸 夕輝, 横山 斉, 後藤 満一, 木暮 道彦, 緑川 博文, 斎藤 富善, 前原 和平
    22 巻 (2013) 4 号 p. 695-701
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】大動脈解離を伴わない孤立性の腹部内臓動脈解離(VAD)は極めてまれで,そのほとんどが上腸間膜動脈(SMA)に生じ,病態は不明のことが多く治療法は確立されていない.そこで教室で経験したVADについて後ろ向きに検討した.【対象と方法】2005年から経験したVADについて,その形態と治療法と成績について検討した.【対象と方法】年齢は41~78(平均56.7)歳,男女比は12:2.全例SMA解離で,1例は脾動脈にも解離を認めた.Sakamotoらに準じた分類では,type VIの例に,急性期に腸管虚血を疑いステント挿入,血栓摘除兼内膜切除術を各1例に施行した.またtype IIの1例で,発症3カ月後瘤拡大のため瘤切除を施行した.他の11例では,保存的に治療し症状は改善した.遠隔期にSMAの径の拡大はみられず,解離の距離は38.0±15.1 mmから20.7±15.7 mmと有意に縮小した(p<0.001).形態上,SMAの解離腔および血栓の縮小に伴い,type II,type IVが多くなっていた.最長6年10カ月の追跡期間で,全例生存しており合併症は認められていない.【結語】内臓動脈解離のほとんどはSMA解離例であり,多くは保存的に治療可能であるが,病態によって侵襲的な治療を選択すべきである.造影CTは診断に有用であり,発症後は定期のフォローアップが重要である.
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  • 渡辺 俊明, 平山 亮, 萩尾 康二, 坂口 健, 上木原 健太, 鈴木 龍介
    22 巻 (2013) 4 号 p. 703-707
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】炎症性腹部大動脈瘤では周囲組織との癒着が強く,開腹による人工血管置換術は死亡率や合併症発生率が高いとされ,開腹・剥離操作を要しないステントグラフト治療は有用な選択肢である.炎症性腹部大動脈瘤に対し実施した血管内治療の成績を報告する.【方法】2007年6月から2011年11月の間で,172例の腹部大動脈瘤・総腸骨動脈瘤に対しステントグラフト内挿術を施行し,そのうちの9例(5.2%)は炎症性腹部大動脈瘤と考えられた.炎症性動脈瘤の診断は,術前の臨床症状とCTによる画像評価をもとに行った.【結果】全例でステントグラフト内挿術に成功,周術期の死亡や合併症の発生はなかった.遠隔期の死亡は1例で膵癌の進展によるものであった.術後の経過観察期間中に,通常の動脈瘤に比べ早期に瘤径の退縮が得られた.開腹手術への移行はなかった.2例では腸腰筋や腰椎椎体への炎症波及が認められたが,いずれも保存的治療で軽快した.また別の1例では術後3年で総腸骨動脈周囲に炎症が再燃し,ステロイド治療を要した.【結論】炎症性腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療は安全で有効な手段であると考えられた.しかし炎症の波及または退縮の機序は不明な点が多く,慎重な経過観察が重要である.
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  • 坂本 滋, 坂本 大輔
    22 巻 (2013) 4 号 p. 709-714
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】マルファン症候群の心血管病変の予後は不良で,大動脈解離や瘤の再発を起こし,再手術が必要となる.この再手術例の成績,治療方針,および当科で経験したマルファン症候群の遠隔期成績を検討した.【対象と方法】2012年4月までに,臨床的にマルファン症候群と診断した22例のうち,再手術を施行した9例を対象とした.初回手術時の年齢は平均47.3±12.6歳で,心血管病変は,AAE 2例,AAE+AR 7例,Stanford A型解離4例,Stanford A型解離+AAE 6例,Stanford B型解離3例であった.手術はBentall手術12例(+弓部大動脈置換7例),Cabrol手術3例(+弓部大動脈置換1例),AVR 2例(+解離腔閉鎖1例),弓部大動脈置換1例,David手術2例(+弓部大動脈置換1例),胸部下行置換2例,Yグラフト置換1例であった.このうち,複数回の手術が必要であった症例は9例(41.0%),22回の手術を施行した.1例には4回の手術,2例には3回の手術を施行した.同一部位の反復手術は4例(冠動脈瘤の再発1例,ARの進行3例),追加手術は5例(新たな解離発生2例,AAE進行3例)であった.【結果】マルファン症候群の心血管病変で再手術を施行した症例の手術成績は手術死亡1例(11.1%)で,グラフト感染であった.他の8例は生存している.当科で経験したマルファン症候群22例の手術死亡は3例(14.3%),術後のCVA 1例,グラフと感染1例,出血によるMOF 1例であった.遠隔期死亡は2例,それぞれCVA,肝癌であった.累積生存率は10年で64.3%,累積再手術回避率は10年25.0%であった.【結語】再手術の原因は解離,動脈瘤の再発であった.病変を残すことが再発に関連があり,反復手術や追加手術となるため,積極的な予防的手術が再手術を減少させるものと考えられた.初回で基部置換+弓部置換の拡大手術,あるいは再手術を考慮した Elephant trunkおよび Reverse elephant trunkなどを選択することが追加手術,術後合併症を減少させるものと考えられた.さらに,マルファン症候群の手術例は厳重な術後経過観察と,その家族も含めた定期的な経過観察も重要であると考えられた.
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  • 正木 久男, 田淵 篤, 柚木 靖弘, 渡部 芳子, 三村 太亮, 古川 博史, 山澤 隆彦, 本田 威, 滝内 宏樹, 種本 和雄
    22 巻 (2013) 4 号 p. 715-718
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】膝窩動脈以下の病変を有する重症虚血肢に対して血管内治療を行うかあるいはバイパスを行うかを明らかにする.【対象および方法】1995年5月から2011年6月までに当科で膝窩動脈以下の病変に対して血管内治療ないしバイパスを施行した150例164肢を対象として,術式別に治療成績を検討した.血管内治療の適応は,1.全身状態が不良,2.5 cm以下の狭窄ないし閉塞病変を対象とした.【結果】バイパス群(B)は119例131肢,年齢46~89歳,平均70歳,男性99例,女性20例で,血管内治療群(E)は31例33肢,年齢は47~89歳,平均72歳,男性25例,女性6例で両群間に有意な差はなかった.術前合併症は,B群,E群でそれぞれ高血圧54%,61%,糖尿病36%,55%,透析29%,58%,虚血性心疾患27%,32%,脳血管障害18%,23%で透析が占める割合がE群のほうが有意に高値であった.病院死亡率はB群1例(0.8%),E群は0%であった.一次累積開存率は,B群3年72%,E群3年54%で,B群のほうが有意に高値であった.二次開存率は,B群3年82%,E群3年60%であった.救肢率は,B群3年86%,E群3年82%で両群間には有意の差はなかった.生存率はB群5年57%,E群5年42%でE群のほうが有意に低値であった.【結語】膝窩動脈以下の病変を有する重症虚血肢では,開存率は血管内治療群に比べてバイパス群のほうが良好であったが,救肢率には差はなかった.治療成績や生命予後をみれば当科での血管内治療の適応は妥当と考える.
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  • 力丸 裕人
    22 巻 (2013) 4 号 p. 719-723
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】当院では,下肢静脈瘤に対する大伏在静脈部分ストリッピング術において,2009年6月よりInvisiGrip vein stripper(以下InvisiGrip)を導入し,使用してきた.従来法と比較し,長所,問題点について検討した.【方法】導入後より2012年3月までにストリッピング手術を施行した61例,84肢について検討し,期間中,従来式のストリッピングワイヤーを使用した11肢と,術中に別の術式に変更した5肢を除く51例,68肢(以下I群)について,導入前の2007年4月より2009年5月までのストリッピング例,38例,50肢(以下C群)と比較し,検討した.【結果】I群は片側例21,両側例30,CEAP分類別では,C2 20肢,C3 26肢,C4a 20肢,C6 2肢であった.期間中InvisiGripではストリッピングを行い得なかった例が5例,5肢あったが,すべて大腿に切開を追加するなどしてストリッピング手術は施行し得た.完遂率は93.2%であった.I群とC群の比較では,手術時間は,I群42.3 ± 15.8分/肢,C群76.8 ± 28.0分/肢で,I群が有意に短縮していた.術後抜去部疼痛は,I群12肢(17.6%),C群24肢(48.0%)に認められ,有意にC群に多かったが,すべて軽度で鎮痛剤の追加を必要とする例はなかった.【結論】InvisiGripを用いたストリッピングでは良好な結果が得られており,手術創が1箇所ですむメリットとあわせて,大伏在静脈部分ストリッピング手術における標準的なデバイスのひとつとして使用しうると考えられた.
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症例
  • 野村 拓生, 松浦 誠, 浅野 満, 山下 輝夫, 林 友美, 藤田 博文, 荻野 和功
    22 巻 (2013) 4 号 p. 725-727
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は68歳男性.主訴は食思不振.糖尿病の合併以外に感染や外傷の既往は認めなかった.CT検査にて,総肝動脈を圧排し膵臓と接する最大短径40 mm大の腹腔動脈瘤を認めた.胸部や腹部大動脈,ならびに他の内臓動脈に動脈瘤の併発はなく孤立性動脈瘤であった.術前選択的動脈造影検査で肝臓への側副路となる胃十二指腸動脈の流量が不十分で,血管内治療(塞栓術)の適応は臓器灌流障害を来す危険性が高いと判断し,瘤閉鎖術に加えて大伏在静脈を用いた脾動脈-総肝動脈バイパス術を同時に施行した.病理組織学的検討では,感染などの所見はなく真性瘤であり,動脈硬化性変化のみであった.術後経過は問題なく,術後24日目に軽快退院となった.動脈硬化に起因する孤立性腹腔動脈瘤は比較的稀であり,文献的考察を加えて報告する.
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  • 猪狩 公宏, 工藤 敏文, 豊福 崇浩, 地引 政利, 井上 芳徳
    22 巻 (2013) 4 号 p. 729-731
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:上肢に発生する動脈瘤のほとんどが仮性動脈瘤であり,その成因としては外傷性が多いとされている.今回われわれは非外傷性の成因が強く疑われる上腕動脈仮性動脈瘤の1例を経験したので報告する.症例は46歳,男性.右上腕部の腫瘤を自覚し,超音波検査で上腕中央部に最大径40 mmの上腕動脈瘤を認め,瘤内には血栓が充満していた.手術は動脈瘤切除および自家静脈による置換術を施行し,病理組織学的検査で仮性動脈瘤と診断した.上肢に発生する動脈瘤の多くが外傷性の仮性動脈瘤である.治療としては動脈瘤切除が行われるが,症例に応じて血行再建術を考慮する必要がある.
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  • 藤井 明, 上原 麻由子, 宮木 靖子, 稲岡 正己
    22 巻 (2013) 4 号 p. 733-736
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例はMarfan症候群の39歳女性.既往歴として,約7年間に計5回の手術で大動脈全置換が施行されている.以降,当院外来通院中であったが,左下腿拍動性腫瘤を自覚したため精査加療目的に入院となった.3DCTなどの精査の結果,最大径33 mmの腓骨動脈瘤を認めた.手術は内側アプローチにて瘤を露出・endoaneurysmorrhaphyを施行した.術前ABI正常で,前・後脛骨動脈はともに良好に開存していたため,再建は行わなかった.瘤壁の病理検査では,嚢胞性中膜壊死がみられ,内膜にフィブリン析出を伴い,Marfan症候群に伴う動脈病変に矛盾しなかった.術後は合併症なく,良好に経過した.腓骨動脈領域に発生する四肢末梢動脈瘤は極めて稀ではあるが,基礎疾患ゆえの他部位の動脈瘤の発生をふまえ,今後も厳重な経過観察が必要と考えられた.
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  • 中村 裕昌, 山口 裕己, 中尾 達也, 大島 祐, 德永 宜之, 浅見 冬樹
    22 巻 (2013) 4 号 p. 737-740
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:71歳女性.胸痛を主訴に受診した.CTで急性大動脈解離の診断の下,上行弓部大動脈人工血管置換術を施行した.術直後より急激な肝酵素およびCPKの上昇を認め内臓血管の閉塞が疑われた.このため経食道エコーを使用して腹腔動脈の閉塞を確認し,緊急で右外腸骨動脈-総肝動脈バイパス術を施行した.その後肝酵素およびCPKは順調に低下し,重篤な合併症なく軽快退院した.急性大動脈解離における内臓動脈の血流確認に経食道エコーは有効であった.
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  • 末澤 孝徳, 青木 淳, 古谷 光久, 山本 修, 櫻井 淳
    22 巻 (2013) 4 号 p. 741-745
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:胸腹部大動脈瘤に対する腹部分枝バイパスおよびステントグラフト内挿術(debranching + TEVAR)後のperigraft seromaは,対処が困難であると予想される反面,解剖学的に周囲臓器への影響が出やすく,経過観察ができない可能性が高いと思われる.このような病態に対し,血管内治療を行った症例を報告する.74歳,女性.他院での弓部・下行大動脈置換後の末梢吻合部仮性瘤と,胸腹部大動脈瘤に対し,debranching + TEVARを施行.PTFE graftの周囲にseromaを形成し,イレウスをきたしたため,大伏在静脈にExpress stentを内挿して作成したcovered stentを,PTFE graftに裏打ちするように留置し,seromaは縮小した.Perigraft seromaに対するcovered stentを用いた血管内治療は,有用な選択肢の1つと思われた.
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  • 今井 章人, 渡邉 寛, 佐藤 藤夫, 平松 祐司, 榊原 謙
    22 巻 (2013) 4 号 p. 747-749
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:61歳男性.動作時の両手の痺れと両下腿痛を自覚し受診.大動脈縮窄症と診断され,左右第3肋間動脈は嚢状の動脈瘤を形成し瘤化した根動脈と交通していた.前脊髄動脈盗血症候群による神経症状と考えられ,左鎖骨下動脈-下行動脈バイパスを施行し,肋間動脈・根動脈瘤の処理は出血や脊髄虚血の危険性を考慮し行わなかった.術後,下肢の虚血症状は改善し血圧管理も降圧剤を不要とした.CT検査でバイパスの血流により,逆行性の側副血行路の血流が減少し動脈瘤も縮小・消退したが,上肢の症状の改善は得られなかった.
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  • 石川 巧, 村上 忠弘, 阪口 正則
    22 巻 (2013) 4 号 p. 751-754
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:感染性腸骨動脈瘤のchronic contained ruptureに化膿性脊椎炎を合併した稀な症例を経験したので報告する.症例は68歳,男性.繰り返す発熱と,腰痛,安静時の両下肢の疼痛を主訴に入院となった.造影CT・MRI検査で両側腸骨動脈瘤と,L4/5,L5/S1椎間板,L4,5椎体の破壊像を認めた.血管造影検査にて分葉状の動脈瘤を認めた.感染性腸骨動脈瘤と化膿性脊椎炎と診断した.手術は,まずaxillo-bifemoral bypassをおき,続いて開腹した.右腸骨動脈瘤の後壁は欠損しており,その背側に器質化血栓を認めた.動脈瘤の中枢と末梢で断端閉鎖を行った.また腰椎椎間板は可及的に掻爬した.培養検査にて血栓よりpseudomonus aeruginosaが検出された.
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  • 古川 浩, 小西 敏雄, 深田 睦, 岡田 拓, 坂上 直子
    22 巻 (2013) 4 号 p. 755-757
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は75歳女性.腰部脊柱管狭窄症に対する腰部椎体間固定術施行中の事例.腹臥位でL3/4椎間板を髄核鉗子で郭清中に同部より出血あり,血圧30 mmHgまで低下するも急速輸液,輸血にて循環動態回復し固定術を終了,ICU入室となった.その4時間後に再び血圧50 mmHgまで低下し造影CTを施行,腹部大動脈末端部背側に動脈相で造影される後腹膜血腫を認め,腰椎手術中に発生した大動脈損傷による出血性ショックと診断した.緊急開腹術を施行し,腹部大動脈末端部背側に穿孔部を認めたため,フェルト補強下に縫合閉鎖した.術後経過は順調で,1カ月間の歩行リハビリ後に独歩にて自宅退院となった.稀ではあるが椎間板手術の際に発生しうる致命的合併症であり,迅速な対応が必要である.
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  • 渡邉 倫子, 石坂 透, 石田 敬一, 田村 友作, 松宮 護郎
    22 巻 (2013) 4 号 p. 759-763
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:EVAR後,持続するtype II endoleakにより瘤径拡大をきたしopen conversionに至った症例を経験した.症例は61歳男性,径88 mmの腎動脈下AAAに対しEVAR施行.術後半年のCTで腰動脈からのtype II endoleakを認めたが,瘤径縮小(83 mm)していたため経過観察した.しかし,術後1年で瘤径再拡大(95 mm)をきたした.経動脈的塞栓術は血管屈曲が高度で不成功に終わり,手術を施行した.腎動脈下遮断が可能で,ステントグラフトメインボディは冷却下に牽引抜去,左右レッグは抜去せずに人工血管と縫合した.Type II endoleakからopen conversionに至った報告は国内ではまだ少ない.術前瘤径が非常に大きい場合は,術後endoleakを考慮すると再手術のリスクファクターとなりうるため,若年で手術リスクが低ければ,初回人工血管置換手術を選択するのが望ましいといえる.
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  • 尾畑 昇悟, 向井 省吾, 森元 博信, 平岡 俊文, 打田 裕明, 山根 吉貴
    22 巻 (2013) 4 号 p. 765-768
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は64歳男性.胸部下行大動脈瘤に対して胸部大動脈弓部血管バイパス術および下行大動脈へのステントグラフト挿入術後,6年目にステントグラフトの屈曲を指摘された.遠位弓部の大動脈瘤は直径76 mmに拡大していた.2年の経過観察の後.拡大傾向が持続するため.胸部弓部大動脈人工血管置換術を行い.大動脈瘤とともにステントグラフトを除去した.胸骨正中切開からのオープンステントグラフトは遠位弓部の大動脈瘤に対して,左拡大開胸を必要とせず,低侵襲かつ有効な手段であるが,endoleakにより遠隔期に瘤の拡大をきたし再手術が必要となる場合があり留置後の経過観察には造影CTを行い,endoleakの有無を確実に追跡する必要があると考えられた.
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  • 鈴木 仁之, 井上 健太郎, 矢田 真希, 近藤 智昭, 加藤 憲幸, 下野 高嗣
    22 巻 (2013) 4 号 p. 769-772
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:重篤な合併症を伴い,耐術性に問題のある大動脈破裂3症例に対し,ステントグラフト内挿術(EVAR)を施行して救命ができたので報告する.全例局所麻酔下に大腿動脈よりアプローチしてステントグラフトを破裂部位に留置した.全例EVARにより止血でき,初期救命に成功した.重篤な合併症を伴う大動脈破裂に対するEVARは,救命の可能性を高める低侵襲治療として期待できるが,その適応と限界については,今後さらなる検討が必要であると考えられた.
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  • 達 和人, 洲鎌 盛一, 上江洲 徹, 小船井 光太郎, 熊野 浩, 加藤 誠也
    22 巻 (2013) 4 号 p. 773-777
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は64歳男性.既往歴として冠動脈形成術,左肺癌手術等がある.肺癌術後のフォローアップの造影CT検査で,腎動脈下腹部大動脈に2カ月前の単純CTでは認めなかった大動脈周囲の血腫形成と,後壁に向かって造影剤漏出を認め,腹部大動脈破裂による仮性動脈瘤が疑われた.手術は腹部正中切開にて瘤へアプローチ,瘤周囲には強固な癒着を認めた.瘤切開後,後壁に欠損孔があり,陳旧性の血腫が充満していた.これを一部除去すると椎体がみえたため,腹部大動脈の慢性破裂 chronic contained ruptureと診断し,I字型人工血管置換術を施行した.術後経過は良好で,22日目に軽快退院となった.拡大を伴わない腹部大動脈にcontained ruptureが生じるのは稀であり,文献的考察を加え報告する.
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  • 宮入 聡嗣, 小出 昌秋, 國井 佳文, 渡邊 一正, 津田 和政, 大箸 祐子
    22 巻 (2013) 4 号 p. 779-782
    公開日: 2013/06/25
    [早期公開] 公開日: 2013/05/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は63歳,男性.9年前に腹部大動脈Yグラフト置換術,5年前に同グラフト感染を発症した.人工血管の十二指腸穿破がみられ,Yグラフトを除去し,右腋窩-両側大腿動脈バイパス術と十二指腸-空腸吻合を施行した.大動脈は腎動脈直下で盲端とした.今回,突然の下血,著明な貧血と血圧低下で緊急入院となった.CTで大動脈盲端と横行結腸の癒着,結腸への造影剤の漏出,大腸内視鏡で横行結腸内に大動脈盲端の縫合糸がみられ,同部位から出血していた.大動脈盲端の横行結腸穿破の診断で手術となった.腹部正中再切開,癒着を剥離して大動脈の盲端と穿孔部を露出すると,盲端は陳旧性の血栓が充満し大動脈壁は破綻していた.血栓でかろうじて盲端が閉鎖された状態で,少量の血液が流出していた.ウシ心膜の短冊を使用し大動脈壁を2層で再縫合した.癒着での残存横行結腸粘膜露出面は焼灼し,横行結腸を切除,端々吻合で再建した.術後経過は良好であった.
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