日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
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  • Kai Zhao, Min Chen, Bok-Hee Kim, Qing Xu, Duan-Ping Huang
    セッションID: 1P144
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    La2NiO4+δ powders were derived from a ployaminocarboxylate complex precursor method. Particle morphology of the powders was tailored by the calcining temperature. Screen-printing technique was employed to fabricate the La2NiO4+δ electrodes. At 800 °C‚ the electrode prepared from superfine starting powder exhibited a polarization resistance of 0.38Ω•cm²‚ an overpotential of 103 mV at a current density of 200 mA•cm¯² and an exchange current density of 102 mAcm̶¯²
  • 吉田 省吾, 岸田 寛, 沢辺 佳成, 中根 堅次, 伊藤 滋, 藤本 憲次郎
    セッションID: 1P145
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    現在多く用いられている金属系材料よりも高温領域での使用に対応した、同等のあるいは凌駕する熱電特性を示す無機材料の探索が進められている。これまでに我々は溶液プロセスのひとつである静電噴霧堆積法を用い、電極材料などの作製を検討してきた。 本研究では静電噴霧堆積法を駆使してn型半導体としての特性が期待されるペロブスカイト型構造を有するCaMnO3の薄膜作製およびAサイトであるCaにLaを置換した同型置換体の薄膜作製を検討し、Ca1-xLaxMnO3+δ薄膜の作製に成功した。その薄膜はペロブスカイト型構造をもつ平均200~300nmの単一相薄膜であり、なかでもCa0.6La0.4MnO3+δしが良い電気伝導度を示した。しかし、熱電特性の指標であるパワーファクターはLaの置換量が増加するにつれ減少した。
  • 濱田 剛, 奥谷 猛, 永井 秀明
    セッションID: 1P146
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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     本研究では、静磁場印加電磁浮遊法を用いた擬似的な微小重力環境下で、過冷却融液からの凝固により、Bをドープしたp型Si-Ge熱電材料を作製し、過冷却融液からの凝固で得られる組織が熱電性能に与える影響を考察した。低い過冷却度(ΔT=77K)でトリガーを与えて凝固させた試料において、組織の伸長方向に異方性が見られた。また、この試料は結晶面の配向性をもち、<211>配向、及び<111>配向が、凝固方向に対し水平、及び垂直方向の切断面でそれぞれ確認された。<211>配向方向に対する測定結果では、低い熱伝導率と高い電気伝導率を示すことがわかった。これより算出された無次元性能指数ZTは1000KでZT=0.704を示し、従来のp型Si-Ge(1000KでZT=0.478)よりも高い熱電性能を示すことがわかった。
  • 喜々津 伸一, 宮崎 英敏, 鈴木 久男, 安達 信泰, 太田 敏孝
    セッションID: 1P147
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    希土類ニッケル酸の一種であるSmNiO3は低温で絶縁体的、高温で金属的な性質へ変化する。この性質を利用して、SmNiO3を薄膜として作製することにより、近赤外線領域の光に対して、温度により透過率を制御する機能を持った薄膜の作製が可能となる。本研究では水溶液法を用いて石英基板上、およびシード層(スピンコートにより1層成膜し、750ºCで結晶化)上にSmNiO3薄膜の作製を行い、得られた薄膜の結晶構造、および光学的性質を評価した。シード層上に成長させたSmNiO3薄膜は、近赤外線領域の光に対して透過率に温度依存性を示し、温度の上昇により透過率は減少する傾向を示した。
  • 九門 知世, 小舟 正文, 長谷川 利行, 西岡 洋, 吉田 晴彦, 森 英喜, 本多 沢雄
    セッションID: 1P148
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    近年, エネルギー枯渇の問題が深刻化しており, このエネルギー問題を解決する材料として熱電材料が注目されている. しかしながら, 我々の生活や産業社会において熱電材料の普及は進んでいない. 熱電材料の普及には無害かつ安価で高性能であることが必要不可欠である. 我々の研究室では, 環境負荷が少なく, 比較的安価で入手し易いTiO2, Co3O4に注目した. 本研究は, TiO2の不定比酸化物特性とTiO2へのCo(II価, III価)添加効果により高い導電性を得て, 熱電特性の向上をはかることを目的としている.
  • 菊池 丈幸, 谷津 佳穂子, 九門 知世, 小舟 正文, 西岡 洋, 山崎 徹
    セッションID: 1P149
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    錯体重合法を用いてCo-Ti-O系における新規熱電変換材料の合成を試みた.種々出発組成を有する反応前駆体粉末を錯体重合法を用いて作製し,それらを823Kから1273Kの温度範囲で,大気中または水素-窒素混合ガス中にて熱処理し焼結体を得た.試料の評価として,粉末X線回折による相同定と格子定数の精密化,蛍光X線分光による組成分析,直流四端子法による導電率測定,走査型電子顕微鏡による組織観察を行った.
  • 井村 廉平, 横田 壮司, 坪井 康敏, 五味 学, 青柳 倫太郎
    セッションID: 1P150
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    熱電変換材料は熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する材料であり、排熱の再利用等で次世代のエネルギー源のひとつとして期待されている。その熱電特性はゼーベック係数、電気伝導率、熱伝導率によって定義され、その性能向上の為には、ゼーベック係数及び電気伝導率の向上もしくは熱伝導率の抑制がキーとなってくる。その中で、我々は、マルチフェロイック材料であるBiFeO3及びBi(m+1)Fem-3Ti3O3m+3に着目した。マルチフェロイック材料は強誘電性(低い熱伝導率)及び強磁性(高い導電率)が同一物質内に共存する材料であり、熱電材料としても興味深い。本研究では、BiFeO3</sub及びBi(m+1)Fem-3Ti3O3m+3おいてAサイトおよびBサイトの元素置換を行い、その導電率と熱電特性の関係に関して探査した。
  • 計 賢, 梅木 元春, 大幸 裕介, 嶺重 温, 矢澤 哲夫
    セッションID: 1P151
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    300~500℃程度の中温領域で動作する燃料電池は、発電効率が高く、また電極触媒に白金などの貴金属が不要となることから中温領域で高いプロトン(もしくは酸化物イオン)伝導性を示す材料の開発が盛んに進められている。我々は、分相や結晶化を積極的に利用した新しい機能性ガラスの合成について検討を進めている。分相は自己組織化的に進行し、新たなナノ構造制御法として期待される。溶融ガラス中のプロトン伝導性については古くから調べられており、例えばDoremusはシリカガラス中のNa+イオン導電率はH+イオン導電率より10,000倍大きいことを報告している[3]。また後にErnsbergerはガラス中のプロトンは電荷担体にならないのではないかと述べている。これは溶融温度が一般に1000℃を超える高温であり、プロトン(-OH基)濃度が著しく低いうえに、また-O-とH+はイオン対として強く結びつき、プロトン解離に大きなエネルギーを要することが根拠であった。ところが一方でそれより以前の1965年に並河らは窯協誌にアルカリイオンを含まないBaO-P2O5ガラスが比較的高い導電率を示し、これは恐らくプロトンによるものであろうと指摘していた。河村らはイオン注入法によって外部からプロトンを注入すると、プロトン導電率が10桁以上上昇し、またリン酸カルシウムガラスに比べてリン酸マグネシウムガラスでよりプロトン伝導性の増加が顕著になることを明らかにした。我々はガラス組成や処理条件を検討することにより、300℃を超える温度域でプロトン輸率(tH)=1のリン酸塩ガラスの作製に初めて成功し、その燃料電池発電を確認した(開回路電圧:1.1 V @500°C)。本研究ではこのガラスを電解質に用いた燃料電池の中温領域における発電特性について報告する。アノード電極にはニッケルを、またカソードにはBa0.5Sr0.5Co0.8Fe0.2O3-δ(以下BSCF)を使用した。
  • 臼井 寛明, 大幸 祐介, 菊池 丈幸, 嶺重 温, 矢澤 哲夫
    セッションID: 1P152
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    我々は溶融法によるガラスを作製し、さらに分相や結晶化処理を施すことで従来にない新規機能材料ガラスの作製について検討している。通常の固相粉末法と比較して、融液を経由することで原子拡散が容易になることから、原子置換による正孔/電子濃度の精密操作なども可能になると期待される。一方、磁束によって超伝導のON-OFFを行うスイッチが開発された。他にも近年、超伝導体と酸化チタンをヘテロ結合することで、光照射により超伝導状態のON-OFFを制御する試みが進んでいる。そこで本研究では、超伝導体として知られるBi2Sr2CaCu2OxにTiO2をドープしたガラスを作製し、TiO2量と析出結晶相との関係、さらにUVによる電気特性などについて調べた。
  • 三橋 将也, 中山 忠親, 遠藤 慎, 徳地 明, 江 偉華, 鈴木 常生, 末松 久幸, 新原 晧一
    セッションID: 1P153
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    本研究ではナノ秒パルス電源を用いてエレクトレットや強誘電体セラミックスの帯電実験を行った。使用したナノ秒パルス電源はパルス幅が約100(ns)で出力電圧が20-25(kV)である。帯電を行った材料はエレクトレット材料として用いられるPTFEと強誘電体セラミックスのチタン酸バリウムである。それぞれの材料を加熱(PTFE;300 ℃、BaTiO3;140 ℃)した状態でコロナ放電による帯電を試みた。その結果、PTFEは表面電位が-1600(V)以上に帯電し、DC電源を用いた場合と比較して2倍程度帯電させることができた。また、チタン酸バリウムについてもナノ秒パルス電源による帯電ではDC電源を用いた場合に比べて高い表面電位が得られた。
  • 西尾 繁
    セッションID: 1P154
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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     V2O5の可視光誘起着色の動作メカニズムを解明するために、V2O5粉末の周囲に存在する水分と、可視光誘起着色の感度の関係を調査した。その結果、V2O5粉末の周囲に存在する水分の濃度が高くなるにつれ、可視光誘起着色の感度が高まることが分かった。着色物は固体ではなくゲル状物で、ラマン分光分析の結果、V2O5nH2Oであることが分かった。つまり、V2O5の可視光誘起着色はV2O5 + nH2O → V2O5nH2Oなる反応によるものと分かった。
  • 本塚 智, 森永 正彦, 多賀谷 基博, 生駒 俊之, 吉岡 朋彦, 許 哲峰, 田中 順三
    セッションID: 1P155
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    粉末冶金法において、金属粒子(純鉄粒子や純銅粒子など)へ合金成分(黒鉛粒子)を混合して、複合粒子が創出される。金属粉と黒鉛粉は比重差が大きく、単純に混合する方法では、比重分離し、複合体としての均一性が保てない。そのため、有機バインダや熱拡散結合によって両者を複合化し、分離を防止する方法がなされている。しかしながら、これらは炉内汚染やエネルギー効率悪化の原因となり、バインダや熱拡散を用いない金属-黒鉛複合粒子の製造法が求められている。本研究では、その複合化技術としてミリングプロセスを用いて、金属-黒鉛の複合粒子を創製し、その界面状態を評価した。
  • 黒澤 俊介, 横田 有為, 柳田 健之, 吉川 彰
    セッションID: 1P156
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    われわれは、医療用PETカメラや宇宙・天文観測用などで要請がある高阻止能のシンチレータの開発を行っている。従来はCe:Lu2SiO5(LSO)といったシンチレータがあったが、放射性同位体176Luの影響で内在バックグラウンドが大きいという問題があった。そこで、われわれは内在バックグラウンド源を含まない高阻止能シンチレータとしてCe:SrHfO3の開発に取り組んでいる。しかしながら、Hfを含むこの材料の融点は摂氏2774度と高温のため、従来の結晶育成方法(Czochralski法やマイクロ引き下げ法)での結晶育成は困難であった。このため、われわれはSpark Plasma Sintering (SPS)法を用いて2mol%のCeを添加したSrHfO3セラミックの開発を行い、光物性の評価を行った。その結果、透過率は20%以下と悪いものの、Ce3+に由来する発光スペクトルを得ることができた。
  • 青井 芳史, 原 弘晃
    セッションID: 1P157
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    アモルファス炭素(a-C)は、微細加工可能な薄膜として比較的容易に得られることから電気化学センサ材料等への応用が期待されている材料である。本研究では、パルスレーザー堆積法により作製したa-C薄膜に自己組織化単分子膜(SAM)を形成し、分子認識機能を付与することで、電気化学センサ等への応用を目指して研究を行った。SAMを形成する分子には3-アミノプロピルトリエトキシシラン (APTES)を用い、評価方法には接触角測定、原子間力顕微鏡(AFM)、 X線光電子分光法(XPS)を用いた。水の接触角とAFM測定より、APTES吸着後の表面状態の変化が確認でき、XPS測定によりa-C表面上にAPTESの存在が確認できた。
  • 高崎 史進, 中島 靖, 西川 拓, 後岡 宜孝, 小川 信明, 渡辺 巌
    セッションID: 1P158
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    炭酸ジルコニウムアンモニウム(以下AZC)水溶液は、製紙、塗料等の分野で水溶性高分子化合物の架橋剤として利用されており、高い耐候性、安全性が特長である。特に昨今の安全性を重視する趨勢において、AZC水溶液に対する潜在需要は高まっているが、利用拡大には架橋性能の改良が必要である。我々はAZC水溶液の架橋性能がその溶存構造に起因するとの推定に基づき、AZC水溶液の溶存構造と架橋性能の関係を解明するため、[Zr]=1M(mol L-1)、[NH4+]及び[CO32-]を変化させたAZC水溶液の拡張X線吸収微細構造分析を実施した。また、これらの水溶液のポリビニルアルコールに対する架橋性能も評価した。その結果、特定の[NH4+]及び[CO32-]でZrに対する炭酸イオンの配位数が飽和したモノマー型の化学種が生成すること及びそのモノマー型化学種が架橋性能に優れることが明らかになった。
  • 折川 拓也, 小石 哲也, 石原 知, 中山 忠親, 鈴木 常生, 末松 久幸, 新原 晧一
    セッションID: 1P159
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    Zr は耐食性に優れ、原子炉材料や耐食性容器等として用いられる金属である。この微粒子は、粉末冶金、触媒などの原料として期待されているが、自然発火性のために作製された報告はない。パルス細線放電(PWD)法は、他の気相法より 1~2 ケタ高いエネルギー変換効率を有し、卑金属超微粒子を作製可能な方法である。また、有機物蒸気/霧中で超微粒子作製を行うことにより、有機物被覆処理が容易に行える特徴を有する。 このような特徴を有するPWD 法を用い、Zr の金属細線を使用してZr の超微粒子の作製を行った結果、PWD法によりZr を主相とする有機物被覆超微粒子を作製することに成功した。
  • 井上 康平, 松谷 龍太郎, 眞田 智衛, 小島 一男
    セッションID: 1P160
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    ポリインH-(C≡C)n-Hは炭素同素体の一種であり、sp混成軌道をもつ直鎖状分子である。また、特徴的な一次元電子状態を有することから、電子材料などへの応用が期待されている。しかし溶液中や真空下でしか安定的に存在できず、工業的に応用することは難しい。固体中のカーボンナノチューブ内部や銀コロイドに固定化されたという報告があり、我々はこれまでに、ゾル-ゲル法を用いて各鎖混在ポリインをSiO2乾燥ゲル中に固定化し、その安定性について報告してきた。本発表では、鎖長別ポリインをSiO2乾燥ゲル中に固定化し、鎖長別の安定性について調べた。
  • 柳田 宰, 中山 忠親, 藤原 健志, 吉村 武, 石井 将之, 鈴木 常生, 末松 久幸, 新原 皓一
    セッションID: 1P161
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    材料自身が外部刺激に感応して様々な反応を示す材料であるスマートマテリアルの1つである温度応答性高分子としてN-イソプロピルアクリルアミド(NPIAAm)が挙げられる。本研究ではNPIAAmを用いて作製されたレジストが水を含むことによって体積が大きく変化することを利用して、電極間に粒子1個分のチャンバーを作製してセラミックス粒子を捕捉することで「液体中における粒子 の電気伝導度の評価」を試みている。本報告では光リソグラフィー法によって作製した電極上にバイオレジストを塗布、UV露光、加熱処理を施した後に電極間にマイクロビッカースにより加工した粒子捕捉用のチャンバーが水を含むことで閉じるチップの作製に成功したことについて報告する。
  • 伊藤 万智, メディ アマド, 菅原 義之, ブーリー ブルーノ
    セッションID: 1P162
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    無機層状化合物はイオン交換反応、酸塩基反応や酸化還元 反応を駆動力として層間にゲスト分子を導入する、インターカレー ション反応が進行することが知られている。中でも、固体酸であ るH 型層状酸化物への有機塩基のインターカレーションは酸-塩 基反応を利用した無機-有機ハイブリッド合成の代表例である。 このように無機層状化合物をホストとしたハイブリッドの合成 が盛んに研究されているが、有機ケイ素化合物であるポリシルセス キオキサンもハイブリッドのホストとして用いることができるこ とが知られている。ポリシルセスキオキサンは前駆体を制御す ることにより側鎖や末端基のデザインが可能であることから多様 なハイブリッドを合成できる可能性がある点で無機ホストよりも 優れている。本研究でホストとして用いるラメラ構造を持つポリシ ルセスキオキサンであるSiO1.5(CH2)3SO3H(以下LSQ-SO3H) 5)は層表 面に-SO3H 基を有しており、酸-塩基反応によりn-アルキルアミン を層間にインターカレーションできることが今までの研究で分か っている。 本研究ではLSQ-SO3H 層間に酸-塩基反応を駆動力としてポリエ チレンイミン(以下PEI)をインターカレーションさせることを試み、 生成物のキャラクタリゼーションを行った。
  • 長沼 康弘, 加藤 千尋, 田中 聡美
    セッションID: 1P163
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    シリコン前駆体ペルヒドロポリシラザン(PHPS)を真空紫外(VUV)光励起により生成した励起酸素原子(O(1D))やオゾン(O3)等の活性酸素種と反応させることにより,ポリエチレンテレフタレート(PET)上への酸化シリコン(SiOx)膜の低温形成を試みた。その結果,乾燥空気フロー中でのVUV光照射は,PHPSコーテイング膜における水素や窒素の脱離,および酸素の取り込みによるSiOxへの転化に有効であることがわかった。形成したSiOx膜は緻密かつ透明であった。SiOx膜の形成によりPETフィルムは表面硬さの向上することが明らかになった。
  • 藤崎 貴志, 西出 利一, 永井 直文, 伯田 幸也, 水上 富士夫
    セッションID: 1P164
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    ナノファイバー状アルミナゾルを撥水化剤を用いて撥水化し、それを用いてアルミナ薄膜を作製した。ナノファイバー状アルミナゾルに、(トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン(FAS) を反応させた。ろ過後、コロイド状アルミナゾルまたは白色沈殿とコロイド状ゾルを得た。反応液の状態は、FASの添加量および反応温度・時間により変化した。コロイド状ゾルから作製した薄膜の接触角は、反応条件により異なった。Al:FAS=1:0.075(モル比)(50℃/1h)および1:0.1(モル比)(50℃/1h)から得られた薄膜では、接触角は97~104°と高く、撥水性を示した。
  • 平 靖之, 地井 元規, 五十嵐 睦夫, 中野 裕美
    セッションID: 1P165
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    ゼオライトの細孔中にアルカリ金属クラスターを内包した複合体は,強磁性をはじめとした磁気転移の起こり得る系として知られている。磁気転移の発現機構は未だ明らかではないが,ゼオライトにおける骨格構造の化学組成が影響を与えていると考えられる。そこで,本研究では,ゼオライト中のケイ素をゲルマニウムに置き換えたゼオライト類似化合物が化学組成を比較的制御しやすいことに着目し,物性との関連性および発現機構解明を試みた。複合体のホストとして,ソーダライト型ゼオライト中のケイ素をゲルマニウムで置換したアルミノゲルマニウム酸塩(AlGe-SOD)を,構造規定剤の添加量を変えて合成した。最適な添加量により,AlGe-SODの形態を制御し,ゼオライト類似複合体を合成することができたのでここに報告する。SEMによる形態観察を行ったところ,構造規定剤を加えない試料は柱状結晶であった。構造規定剤添加量を徐々に増やすと,結晶粒径は小さくなり,x = 1.0試料では,ほとんど立方体に近い結晶粒子を得ることができた。
  • 田中 みゆき, 殷 シュウ, 佐藤 次雄, 會澤 純雄, 平原 英俊, 成田 榮一
    セッションID: 1P166
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    薬剤輸送や遺伝子導入の担体として,無機化合物を応用する研究が行われている.層状複水酸化物 (LDH) もそのひとつであり,薬剤や生体関連物質とLDH複合体の細胞輸送についてもすでに検討されている.本研究では,Mg-Al系LDHに蛍光色素フルオレセインナトリウム (Fluo) を取り込んだナノ複合体 (Fluo/LDH) を合成し,ほ乳類細胞へのLDHナノ複合体の輸送機構を解明することを目的とし,細胞内輸送の可視化を行った.その結果,エンドサイトーシスとよばれる機構によりLDHナノ複合体が細胞内へ取り込まれ,細胞内でゲスト分子が放出される様子が明らかとなった.また,LDHの形態が細胞輸送に与える影響についても検討を行った.
  • 山下 洋子, 原田 智洋
    セッションID: 1P167
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    近年,酸化タングステン(WO3)は可視光応答型光触媒として注目されている。本研究では,安価なW原料であるAPT(5(NH4)2O・12WO3・5H2O)がクエン酸等の錯体形成能力の高い有機化合物と広い組成範囲で高濃度の錯体溶液を作ることに着目し,化学組成・構造を変化させたタングステン(W)錯体について検討した結果,クエン酸等の錯化剤化合物とアンモニウムを含有するW錯体を合成し,熱分解することで20~80nmのWO3ナノ粒子が得られることを見出した。前駆体の化学組成が粒径に及ぼす影響および熱分解機構とトルエン気相分解による光触媒特性評価結果を報告する。
  • 登内 駿介, 殷 シュウ, 佐藤 次雄
    セッションID: 1P168
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    Ag3PO4は非常に優れた光酸化活性を示す物質であり、容易な溶液法により合成された。均一なTiO2-xNy粒子は、沈殿剤としてHMT(ヘキサメチレンテトラミン)を用いた均一沈殿法により形成した粒子を400oCで焼成することで合成された。これらをボールミルで混合することでナノ複合体を合成した。特性評価として、XRD、SEM、TEM、BET、拡散反射スペクトルを行った。また、光触媒活性評価としてローダミンB分解を行った。
  • 大和田 武志, 大石 知司
    セッションID: 1P169
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    近年、情報化社会の発展に伴い、表示装置は必要不可欠な存在となっている。特に次世代ディスプレイとしてフレキシブルディスプレイが期待されている。このディスプレイにはフレキシブル基板が必要不可欠であり、柔軟性と高いガスバリア性を兼ね備えたフレキシブル基板の開発が求められている。本研究では、フレキシブルディスプレイに必要不可欠な材料として、簡便なゾルゲル法を利用した透明性・諸耐性・ガスバリア性に優れた基板材料の開発を行った。また、この基板上へ当初溶解しているが加熱により顔料へと転換するラテント顔料を用い、インクジェット法とレーザ照射を併用したカラーフィルタの高速成膜法について検討した。
  • 林 拓道
    セッションID: 1P170
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
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    Y2O3:Euは赤色蛍光体として使用されているが、高精細化には微粒化が必要である。流通式の超臨界水熱法では、高結晶性の微粒子を短時間で合成できることから、Y2O3:Eu微粒子の連続合成を検討した。X線回折より主生成物はYOOHであり、Y2O3の脱水反応までは至らないことが判明した。550℃以上での焼成後はY2O3の生成が確認され、TEM観察より、焼成温度800℃までは粒径は保持されているが、1050℃では粒径増大が認められた。蛍光測定から、水熱合成物でも615nm付近にブロードなスペクトルが得られたが、焼成処理により612nmのピーク強度の増加が認められた。  
  • 藤井 英司, 川端 浩二, 岩蕗 仁
    セッションID: 1P171
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    酸化スズや酸化インジウムは高い導電性や熱線遮蔽効果を有しており,かつ可視光領域の吸収が少ないため,帯電防止・静電防止・熱線遮蔽機能が必要な分野の透明電極材料として幅広く用いられている。特に,酸化インジウムスズ (ITO) は,機能性に優れているため幅広く用いられているが,インジウム資源の枯渇の懸念から,インジウムの代替元素をドープした酸化アンチモンスズ (ATO) やフッ素ドープ酸化スズ (FTO) 等の酸化スズをベースとした材料が求められている。本研究では,ドープされる基本材料を酸化スズとし,まずは,連続流通式マイクロリアクターを用いて,酸化スズナノ粒子を水熱合成することを目的として,合成条件等の検討を行った。
  • 菅原 慎也, 大石 知司
    セッションID: 1P172
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    有機色素含有有機無機ハイブリッド膜は、表示装置を始めとして幅広い分野への応用が期待されている。カラーフィルタはその応用先の1つである。有機色素には溶媒に溶け、熱処理により顔料の性質を発するラテント顔料を、有機無機ハイブリッドにはシロキサン基結合アクリル樹脂を用いたゾルゲル法により、カラーフィルタの高性能化を図った。本研究では、光酸発生剤(PAG)を用いたラテント顔料含有ハイブリッド光パターン膜の作製とその膜耐性の検討を行った。
  • 早瀬 元, 金森 主祥, 中西 和樹
    セッションID: 1P173
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    エアロゲルの力学的強度を改善するため、非反応性のメチル基により柔軟性や低い架橋密度を実現した有機-無機ハイブリッドエアロゲルがこれまでに研究されてきた。本研究においては3官能性ケイ素アルコキシドmethyltrimethoxysilane (MTMS) と2官能性アルコキシドdimethyldimethoxysilane (DMDMS) を前駆体、n-hexadecyltrimethylammonium chloride (CTAC) を相分離抑制のための界面活性剤として用い、酢酸と尿素を使った酸性/塩基性触媒による2段階ゾル-ゲル反応でエアロゲルを合成することに成功している。この出発組成を変化させることでエアロゲルの微細構造や結合を制御し、密度・力学特性の変化を調べた。
  • 田巻 良, 永井 正幸
    セッションID: 1P174
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    固体表面の濡れ性において、近年では動的撥水性の認識が強まり水平面上における水滴の弾きやすさよりも斜面上における水滴の転落性(滑水性)が重視されている。滑水性は、極めて微細な表面の不均一性がその性状に影響することが知られているため、平滑な表面が求められる。本研究では、加水分解反応を利用した液相析出法を用いて平滑な酸化チタン薄膜つの作製を試みた。作製したTiO2薄膜の膜厚は268 nm、平均表面粗さは20.0 nmであった。比表面積率は1.02であり、斜面上における水滴の転落挙動においての抵抗は小さいと考えられる。また、薄膜の結晶構造はアナターゼの単一相であり、光触媒活性による表面上での有機物の分解、超親水性による水滴除去が期待できる。
  • 吉原 大貴, 小林 亮, 加藤 英樹, 垣花 眞人
    セッションID: 1P175
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    グリコールとシリコンアルコキシドから調整可能なグリコキシドシラン(GMS)は水溶性のケイ素化合物である。GMSは1つのシリコンに対してグリコールが単座配位した構造となっていると考えられる。しかし、GMSの正確な構造に関する知見は乏しい。また、GMSは水溶液中で序々に加水分解するため安定性に問題点があるといえる。本研究では、GMSの構造解析と水溶液中で安定な新規水溶性ケイ素錯体の開発を試みた。29Si NMRの結果からGMSは原料であるTEOSとPGの1~4置換体の混合物であり、わずかに重合していることが明らかとなった。新規水溶性ケイ素錯体の開発の詳細については当日報告する。
  • 杉浦 元彦, 倉田 亮平, 細川 三郎, 岩本 伸司, 小林 恵太, 和田 健司, 井上 正志
    セッションID: 1P176
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    当研究室ではグリコサーマル法により合成したSi修飾チタニアを窒化処理し、さらに少量の鉄を担持した触媒が、可視光照射下でのアセトアルデヒドの光触媒分解反応において高い活性を示すことを既に報告している。本研究ではアセトアルデヒド分解反応におけるCO2生成挙動について検討した。アセトアルデヒドは反応開始後速やかに減少したが対応して生成するCO2は理論量に比べて少なかった。そこで、長時間反応を行うとアセトアルデヒド消失後にも関わらずCO2生成が認められた。これはアセトアルデヒドを分解する過程で中間体が生成しているためと考えられた。また、初期アセトアルデヒド濃度が低いとき速やかに完全酸化できることを見出した。
  • 西村 達也, 増田 祐一, 細川 三郎, 和田 健司, 井上 正志
    セッションID: 1P177
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では共沈法による六方晶REFeO3の合成およびその触媒特性について検討した。焼成過程における保温時間を検討したところ、保温時間が30 minの場合では六方晶YbFeO3が得られたが、保温時間が12 hの場合では主生成物は斜方晶YbFeO3であり、非晶質からの結晶化および六方晶から斜方晶への相転移が同じ温度域で起きることが示唆された。TEM観察では六方晶は微粒子であったが、斜方晶は大きな結晶であった。これは、相転移が起きる過程で、核生成後、粒子が急速に成長し、表面積が急激に低下したためと考えられる。試料のプロパン燃焼試験を行ったところ、六方晶は斜方晶より高い活性を示した。これは六方晶の方が表面積が大きいためであると考えられる。
  • 小林 雅, 熊田 伸弘, 三浦 章, 米崎 功記, 武井 貴弘, 藤井 一郎, 和田 智志
    セッションID: 1P178
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    非鉛圧電体を目指して数多くの研究がなされており、マルチフェロイックを有するぺロブスカイト型構造を持つBiFeO3もその候補の一つである。BiFeO3(以下BFO)は固相反応では単一相の均一微粒子粉末を合成することが難しい。そこで水熱法に注目し、BFO微粒子の合成を試みたので、その結果ついて報告する。
  • 小野 剛, 陶 究, 青木 光子, 伯田 幸也, 竹林 良浩, 依田 智, 古屋 武, 佐藤 敏幸, 日秋 俊彦
    セッションID: 1P179
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    マイクロミキサを用い、連続式水熱法によるCaxSr1-xTiO3(CSTO)の合成を行った。 Ca組成(x)と結晶構造や粒径の関係を整理するとともに、粒子生成機構を検討した。
  • 中村 祐子, 島内 理恵, 西澤 均
    セッションID: 1P180
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    ソルボサーマル法を用いて金属酸化物の前駆体を合成した。出発物質として七モリブデン酸六アンモニウムとチタンテトライソプロポキシドをMo / ( Mo + Ti ) = 0.0、0.2、0.4、0.5、0.6、0.8、1.0の比となるように混合し溶媒であるエチレングリコールに溶かした後毎分6.5℃で190℃まで加熱した。得られた前駆体試料は(Mo+Ti)=0.0、0.8、1.0では粉末が、それ以外の割合ではゲル状試料が得られた。XRD測定の結果すべて非晶質だった。また500℃3時間焼成することにより結晶性の各種金属酸化物に対応するピークを示した。ゲル状前駆体をガラス基板に塗布して焼成したところ緻密な薄膜が得られた。
  • 森保 綾乃, 塚原 優, 鎌田 海
    セッションID: 1P181
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では酸化還元酵素を吸着させた酸化鉄半導体薄膜を用いた可視光誘起酵素反応の可能性を調査した。可視光照射により半導体薄膜中に生成した正孔が酸化還元酵素の活性中心に存在するヘム鉄を酸化し、これが基底状態に戻る過程で基質を酸化する。種々の波長の光を用いて光酵素反応を行った結果、酸化鉄の吸収端より短波長の光照射により酵素による光酸化反応が進行することが明らかとなった。
  • 斎藤 達哉, 吉田 道之, 高橋 康隆, 尾畑 成造, 櫻田 修
    セッションID: 1P182
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    チタン酸バリウム(BaTiO3)は誘電体材料であり、電子部品に広く用いられている。従来のBaTiO3の合成法には固相法、水熱合成法、シュウ酸塩法、ゾルゲル法などがあり、固相法では高温(800~1200℃)での熱処理が必要であり、水熱合成法ではチタン源として四塩化チタンが用いられているため、有害な塩化水素の発生を伴う。我々は、これまでに有害なハロゲン、窒素、硫黄を含まないチタンを含む水溶液について報告してきた。本研究ではこのチタン酸に水溶性のバリウム化合物を溶解して水熱処理する低温合成について検討した。
  • 井上 侑子, 鳥飼 紀雄, 渡 孝則, 矢田 光徳
    セッションID: 1P183
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    液相法により、モリブデン酸コバルトナノチューブとナノワイヤーの合成に成功した。ナノチューブやナノワイヤーの生成には共存陰イオンが重要な役割を果たしており、硫酸イオンやフッ化物イオン存在下においてこれらの一次元構造体が生成することがわかった。
  • 水野 伸寛, 大幸 裕介, 嶺重 温, 矢澤 哲夫
    セッションID: 1P184S
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    シリカ/アルミナ複合酸化物は、SiO4四面体ユニットのSi4+の一部がAl3+に同形置換し、電荷補償のために導入されるH+によってSi-OH-Al結合することにより高酸性度を示す。そのためSi-OH-Al水酸基を高濃度に有するシリカ/アルミナ複合酸化物は高プロトン伝導性を示すと考えられる。Si-OH-Al水酸基を高濃度に分散させるためには酸素を介してSiとAl原子を交互に配列する必要があり、本研究では酸と塩基が1:1で反応する酸・塩基反応に注目し、Si-O(H)-Alの原子配列制御を試みた。
  • 中田 健太, 伊藤 滋, 藤本 憲次郎
    セッションID: 1P185
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    ソフト化学手法により、層状酸化物のホスト層を雲母のように単層剥離して得られる無機酸化物ナノシートは、ナノシートそのものの機能や他種物質との複合化による新機能が期待されている。ナノシートを基質に均質に堆積させる効率的な方法が検討されているなか、本研究では塗布技術のひとつである静電噴霧技術を利用し、各種溶媒下におけるナノシートの基板への堆積形態を観察した。 薄膜作製の準備段階として、レピドクロサイト型層状チタン酸塩K0.8Ti1.2Fe0.8O4を作製し、単層剥離した後、ナノシートを分散させる溶媒およびその濃度を変化させた試料を基板に付着し、SEMで形態の違いを観察した。
  • 三坂 好央, 水谷 雅巳, 木口 賢紀, 西嶋 雅彦, 青柳 健大, 宇佐美 ?隆, 今野 豊彦
    セッションID: 1P186
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    セラミックス薄膜の性質を決定づける化学組成、結晶学的または微構造的因子は、成膜プロセスに大きく依存することが知られている。本研究では、PMNの組成、本焼温度、アニールの有無、及びアニール時の基板の対向の有無等の成膜条件がPMN薄膜の結晶性に及ぼす効果について検討した。いずれの試料からもパイロクロア相は観察されなかった。ロッキング曲線の半値幅は、STO基板が0.45°程度であったのに対して、基板を対向して973Kでアニールを行なったPMN薄膜では0.83°と他の条件よりも良好な結晶性のPMN薄膜を得ることができた。
  • 久井 一駿, 細川 三郎, 井上 正志
    セッションID: 1P187
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    ソルボサーマル合成したY3Al5O12、YBO3およびY3Ga5O12に355 nmの励起光を照射すると400–500 nmの幅の広い発光が観察されることを見出した。Y3Ga5O12の発光は、Y3Al5O12やYBO3よりも高かったが、600 ℃以上の温度で焼成したY3Ga5O12では本発光は消失した。また、錯体重合法で合成したY3Ga5O12では、本発光は観察されなかった。様々な温度で焼成したY3Ga5O12のXRDパターンを測定したところ、600 ℃以上の温度で焼成した試料では低角度側へのピークシフトが観察された。以上の結果から、ソルボサーマル合成したY3Ga5O12を600 ℃以上で焼成することで結晶構造の再構築が起き、特異な発光が消失したものと考えられる。
  • 砥綿 篤哉
    セッションID: 1P188
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    金属の微粒子は、それを構成する金属元素の特性を利用して、配線材料、磁気材料、センサ材料、触媒など、各種の技術分野において、幅広い用途開発がなされている。近年、これらの金属微粒子の用途開発・研究の成果として、その粒子径が、金属微粒子を利用する最終製品の性能に対しても、大きな影響を与えることが見出されてきた。例えば、最終製品の高機能化ならびに小型化を図る目的として、粒子径の極めて細かい金属微粒子の利用が検討されている。そのうち銅はその融点1083 ℃と低く、低毒性であるため非常に有効な材料としての可能性を有したものであると考えられる。また、ナノサイズの銅粒子は金などの貴金属粒子と同じように赤色のプラズモン吸収を示す材料である。さらに銅は高い導電性をもつことから、利用範囲の広い材料として期待される。この報告では、特別な装置も必要なく、比較的安価に合成できる液相法に関して種々の検討を行った。図1はさく酸銅を原料として、ジメチルホルムアミド、水の溶液を密閉容器に入れ、180℃で5時間反応させたときに合成された粒子である。X線回折によると、金属銅のみであり、酸化銅は見られなかった。粒子の大きさは、200-500nmであるが、粒子同士のネッキングがみられた。
  • 内藤 友貴, 谷口 貴章, 松本 泰道
    セッションID: 1P189
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    層状酸化物はその2次元結晶構造から特異な電気的・磁気的性質を示す可能性があり、高機能材料として盛んに研究が行われている。例えば、YBa2Cu3O7-δなどの銅酸化物高温超伝導体は、CuOの2次元平面が超伝導層として働くことで、超伝導の挙動が現われる。このような層状酸化物は固相法による合成が一般的であるが、最近では、溶液プロセスにより有機無機層状ハイブリッドを合成する方法も多く研究されている。本研究では、溶液プロセスを用いて、有機物アニオンを層間に持つ有機無機層状ハイブリッド酸化銅を合成し、その磁気的性質を評価した。
  • 水谷  雅巳, 木口 賢紀, 西嶋 雅彦, 青柳 健大, 宇佐美 徳隆, 篠崎 和夫, 今野 豊彦
    セッションID: 1P190
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    本研究ではCSD法を用いてSrTiO3(001)上にBiFeO3- BaTiO 3エピタキシャル薄膜を成膜し、配向性を向上させるために高温ポストアニールを試み、結晶性および組織の観点からナノ構造を調査した。配向性はXRD法、微細組織は透過電子顕微鏡による断面組織観察を行った。BaTiO3の固溶量およびアニール条件がBiFeO3薄膜の微細組織に及ぼす影響について検討した。
  • 高井 千加, 藤 正督, 白井 孝, 藤本 恭一
    セッションID: 1P191
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    ナノ粒子の微細構造を制御することにより、触媒や薬物担持体、光学材料などの機能性発現が期待される。これまでに様々な構造制御法が報告されているが、材料が限定されることやエッチング条件の決定が困難などの課題がある。著者らは、無機テンプレート法を用い、ナノサイズのシリカ中空粒子の合成技術を開発した。キュービック状カルサイト表面に、ゾルゲル法を用いてシリカコーティングを施す。酸処理によりカルサイトを除去し、中空粒子を得るという方法である。本研究では、有機酸で被覆したキュービック状カルサイトをテンプレートとしたシリカスケルトン粒子の合成法を開発した。有機酸、シリカ種、溶媒の反応系の組み合わせを変えることで簡便にスケルトン構造を生成することが可能である。本稿では、スケルトン粒子の生成機構について報告する。
  • 小林 大記, 小黒 かく, 近藤 篤, 前田 和之
    セッションID: 1P192
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
    非対称有機架橋剤 p-(EtO)2OP-C6H4-Si(OEt)3とZr源からの無機有機ハイブリッドナノ多孔体の合成において、これまでカチオン性界面活性剤を用いて得られていた生成物と同様の層構造を有する生成物が、界面活性剤を用いなくても得られ、高い比表面積を示すことがわかった。
  • 高倉 佳江, 田原 聖一, 菅原 義之
    セッションID: 1P193
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/28
    会議録・要旨集 フリー
     層状リン酸ジルコニウムや有機ホスホン酸ジルコニウムは、Zr-F錯体をリン酸存在下加熱によってFを揮発させる直接沈殿法で合成されているが、長時間の合成が必要、単一相の合成が困難という問題点がある。  LPD(liquid-phase deposition)法は、陰イオンソースH2OがO2-、OH-を供給する反応と、F-を捕捉するB(OH)3との平衡反応により、金属-F錯体から金属酸化物を得る手法である。有機ホスホン酸も有機ホスホン酸陰イオン[RP(O)O2]2-ソースとして働くと期待できるため、本研究ではエチルホスホン酸ジルコニウムの合成を行った。 XRDより回折線は、a=0.900(9)nm、b=0.529(2)nm、c=2.09(2)nm、β=101.3(9)°の単斜晶で帰属できた。また、固体31P MAS NMRよりエチルホスホン酸基のP由来と思われる一本のシグナルを観測できた。以上よりエチルホスホン酸ジルコニウム単一相の合成が確認できた。
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