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大倉 仁寿, 坂口 辰徳, 矢島 健, 小林 洋治, 陰山 洋
セッションID: 1P044
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
本研究ではクエン酸法によって得られた母体を金属水素化物で還元することにより20~100nmの粒径を持つサブミクロン粒子
ATiO
3-xH
x(
A = Ba, Sr, Ca)を作製し、高温固相反応で得られたミクロン体粒子との比較から粒径依存性を調べた。放射光X線回折測定を行いRietveld法による精密な構造解析を行った結果、サブミクロン粒子ではより格子定数の伸びが大きく水素化が起こりやすいという事を見出した。またミクロン体で生じた水素濃度の不均一性が解消されたため、より正確な水素反応特性を知ることができた。
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辻村 知之, 小池 章夫, 黒木 有一
セッションID: 1P045
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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Liイオン伝導固体電解質は、全固体電池や金属空気電池への適用が期待されている。我々は、比較的ガラス化しやすいSiO
2-ZrO
2-P
2O
5-Na
2O系ガラスを前駆体として予め作製し、LiNO
3溶融塩においてイオン交換することで高イオン伝導性ガラスを得ることを試みた。イオン交換前後のイオン伝導度測定の結果、イオン交換前のNa系リン酸塩系ガラスのイオン伝導度は、3.0×10
-9から3.4×10
-8S/cmであったが、イオン交換後のLi系リン酸塩系ガラスのイオン伝導度は3.4×10
-7から5.5×10
-5S/cmであることが分かった。イオン交換により1~4桁イオン伝導性の向上が認められた。これはLiイオンのイオン半径がNaと比較して小さいことに起因すると考えている。
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渡邉 賢, 坂口 勲, 高田 和典, 木田 徹也, 島ノ江 憲剛, 羽田 肇, 大橋 直樹
セッションID: 1P046
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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混合導電体を用いた酸素分離膜は、外部回路、電源を使用せず酸素の分圧差のみを駆動力として、高温で空気中から酸素のみを選択的に分離することが可能である。従って、製鉄所などの廃熱を熱源とした省エネルギー型酸素製造法として期待されている。その主な課題としては、作動温度の低温化、Coフリー材料の開発などが挙げられる。本研究では、中高温用Coフリー酸素透過膜として報告されているBa0.95La0.05FeO3(BLF)に着目し、同位体18O2を用いた気相/固相交換反応により、中高温域における酸素拡散挙動について検討した。
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大垣 武, 安達 裕, 坂口 勲, 菱田 俊一, 大橋 直樹, 羽田 肇
セッションID: 1P047
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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ScN薄膜は、MBE法を用いて作製した。基板にはm面サファイア単結晶と、比較としてMgO(110)単結晶を用いた。作製した薄膜の結晶構造、成長用式は、RHEED、XRD、AFMを用いて評価した。薄膜の電気特性は、室温でHall効果測定により評価した。
m面サファイア単結晶を用いても110配向ScNがエピタキシャル成長することが確認された。高温で成長させたScN薄膜は、同じ結晶構造で格子不整合6.8%のMgO(110)単結晶上に作製した薄膜に比べ、高い結晶性を有していることが確認された。Hall効果測定から求めた移動度も、MgO(110)基板に比べ、m面サファイア基板に作製したScN薄膜の方が大きく、その差は成長温度が高いほど顕著にみられた。
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松本 有平, 島内 理恵, 西澤 均
セッションID: 1P048
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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NASICON型構造において高価数イオンを導入した物質の1つである(Al
xTi
1-x)
4/(4-x)Nb(PO
4)
3に着目した。Al(OH)
3、TiO
2、Nb
2O
5、(NH
4)
2HPO
4を出発物質とし、固相反応を行った。その結果、単一相TiNb(PO
4)
3と固溶体(Al
xTi
1-x)
4/(4-x)Nb(PO
4)
3を得ることができた。この物質を用いて、電気伝導度測定を行ったところ、X=0.2において最も高い電気伝導性を確認した。リートベルト解析によりX=0.2前後でイオンのサイト占有が異なっていることがわかった。
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上田 彰吾, 分島 亮, 日夏 幸雄
セッションID: 1P049
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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配位子として酸素とセレンを含む2種類の層状遷移金属オキシセレナイドYBi2M2O4Se2 (M = 遷移金属)に注目し、その電気的性質について調べた。YBi2Cu2O4Se2の結晶構造は、CuにはSeが4配位し、稜共有することで2次元正方格子を形成している。この層とY, Bi, Oからなる層とが交互に積層し、2次元層状構造をとっている。この化合物の電気的性質は、比抵抗、磁化率比熱測定から、典型的な金属的挙動を示すことが分かった。さらに、電子構造計算の結果からCuSe層が伝導層となっており、ホールがキャリアであることが示唆され、2次元的な電気伝導性を示すことを見出した。
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平林 雄樹, 菅 章紀, 住野 誠, 鈴木 正史, 深谷 治彦, 小川 宏隆
セッションID: 1P050
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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最近,150-400℃の中温領域で高いプロトン導電率(~10-2S cm-1以上)を示す無機・有機系,もしくはそれらのコンポジット体材料の開発が盛んに行われている.その中でも、SnP2O7のSnサイトに3価のカチオン(In,Al,and Sb)をドープしたリン酸二量体が高いプロトン伝導率を示すことが報告されている.そこで、本研究では,同じ結晶構造を有するZrP2O7の固体電解質の創製を目的とし,ZrP2O7セラミックスのZrサイトにAlイオンを部分置換したZr(1-x)AlxP2O7セラミックスの合成を行い,そのプロトン伝導特性を検討した.
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田村 一将, 青野 宏通, 猶原 隆, 前原 常弘, 渡部 祐司, 平澤 英之
セッションID: 1P051
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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癌の新しい治療法として交流磁場焼灼療法が注目されており、交流磁場中での優れた発熱特性を持つ磁性材料が期待されている。我々はこれまでにフェリ磁性体であるY
3Fe
5O
12系フェライトが優れた発熱特性を持つことを報告した。しかし、この希土類鉄ガーネットR
3Fe
5O
12では、R=Sm,Gdなどのランタノイドの方が大きい磁気モーメントを有しているためより大きい発熱特性が期待できる。今回、様々な希土類元素(R=Y,Sm,Gd,Dy,Ho,Er)についてのフェライトを逆共沈法により作製し、さらにこれらの試料をビーズミル粉砕し交流磁場中での発熱特性の検討を行った。
その結果、最も発熱したのはY
3Fe
5O
12であり、RがY>Sm>Er>Hoの順であった。またGd,Dyは発熱能力を示さなかった。これらの発熱特性は、粉砕前のフェリ磁性体としての特性に酷似していた。従って、交流磁場中での発熱能力には希土類元素による磁気モーメントの影響以外の因子が存在すると考えられる。
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秋山 祐輔, 青野 宏通, 猶原 隆, 前原 常弘, 渡部 祐司, 平澤 英之
セッションID: 1P052
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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癌の新しい治療法の一つとして磁性材料を用いた交流磁場焼灼療法が期待されている。その材料として我々はこれまでにビーズミルにより物理的粉砕することで微粒子化したY
3Fe
5O
12が超常磁性体となり、Néel損失により交流磁場中で優れた発熱特性を示すことを報告している。本研究では、Y
3Fe
5O
12フェライトを先述の方法で微粒子化し、焼成することで粒子成長させ、それぞれの粒子径での発熱特性を検討した。また、各々の発熱量と磁場強度の関係を調べることで超常磁性とフェリ磁性の境界の検討も行った。
ビーズミル粉砕を行った試料の粒子径は21nmであった。焼成により粒子は成長し700℃で焼成した試料が粒子径約37nmとなり発熱量のピーク0.46W・g
-1を示し、それ以上では減少した。粒子径約30nmの境界線を境に、600℃以下で焼成した試料は磁場強度の二乗と発熱量の比例関係が、それよりも高い温度で焼成した試料については磁場強度の三乗と発熱量が比例することを確認できた。これは、境界線を境に磁性が超常磁性からフェリ磁性へ変化したことを示唆する。
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早坂 浩昭, 長浜 太郎, 島田 敏宏
セッションID: 1P053
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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鉄をベースとした新磁性材料の開発のため、大気圧CVDでナノ構造を制御する方法を検討した。鉄は、もっとも基本的な磁性材料の一つであり、そのナノ構造制御は新しい永久磁石の合成やスピントロニクス素子の探索に有意義である。触媒ナノ粒子を用いた大気圧CVD法で、Ar:H2気流を流した管状炉を用い、金のナノ粒子を散布した基板を原料であるFeCl2またはFeの下流に置いて全体を加熱することにより形成される構造を調べた。
加熱温度900℃以下では鉄の微粒子や薄膜しか得られず、金ナノ粒子の効果は見られなかった。しかし、温度を金と鉄が固溶する1050℃まで上昇させると、金ナノ粒子の効果とみられる様々なナノ構造が観察された。生成メカニズムと大量合成法を議論する。
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佐藤 淳貴, 小林 亮, 加藤 英樹, 垣花 眞人
セッションID: 1P054
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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発表では、安価な試薬を形態制御剤として用いた水溶液プロセスによるFe
3O
4合成と形態制御について報告する。様々な有機物を形態制御剤として検討した結果、ピコリン酸をFe
2+に対して等量用いたときに多数の結晶面が露出したFe
3O
4粒子が析出することが明らかとなった。露出結晶面の数は、反応時間が6hのときが最も多く、ピコリン酸の添加量をFe
2+に対して等量以上用いたときや反応時間が6h以外の条件では、減少する傾向が観察された。この露出結晶面数の変化は、ピコリン酸が特定の結晶面に吸着し、その結晶面の成長速度に影響を与えていることによるものと考えられる。
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大園 啓太, 中野 裕美, 佐治 他三郎, 三宅 正司, 小林 美学
セッションID: 1P055M
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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Li-Nb-Ti-O系固溶体(Li
1+x-yNb
1-x-3yTi
x+4yO
3以後LNTと省略)は0.11 < x < 0.33, 0 < y < 0.09の組成域で超構造を有するM相が存在する。著者らは、この超構造を有するLNT固溶体を母体として希土類を添加し、ミリ波照射により低温・短時間で蛍光体を合成することを検討してきた。この蛍光体は、電気炉合成(1100℃24時間)により得られた蛍光体とほぼ同等の発光特性を発現させることができ、単一母体で、RGBそれぞれの発光を発現した。今回、ミリ波照射による加熱温度を900℃~1000℃と変えて合成した。構造および微構造を詳細に解析し、発光特性と構造の関係を調べたので報告する。
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金子 奈津美, 藤原 忍
セッションID: 1P056
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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蛍光体は,外部から吸収したエネルギーを発光という形で放出する材料である.蛍光体はおもに照明やディスプレイ用途として取り扱われてきた.これに対し,近年は外場の環境を変化させ,物理的・化学的相互作用により発光特性を制御することで,蛍光体をスマート材料として利用しようという試みがなされている.そこで本研究では,酸化還元反応により,CeO2:Sm3+の蛍光特性を制御し,蛍光明滅スイッチング材料として評価した.ゾル-ゲル法によりCeO2:Sm3+薄膜を作製して酸化還元反応を行い,その発光特性を調査したところ,繰り返しての蛍光明滅を観測することができた.
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佐藤 功二, 石川 由加里, 石井 陽祐, 川崎 晋司, 武藤 俊介
セッションID: 1P057
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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UV励起により白色発光するメソポーラスカーボンシリカ(MPCS)複合体を、
TEOS、レゾール及びプルロニックを原料とする、三成分共組織化法により合成後に900℃(N
2)中の炭化及び500℃空気中の酸化処理を施すことにより作製した。
MPCS前駆体合成時に用いる反応触媒であるHClの濃度が発光特性に及ぼす影響に着目し、0.02-5MのHClを用いて合成を行った。
MPCSの発光色は、HCl濃度により青白から黄白色に変化した。
HCl濃度により加水分解及び重縮合反応速度が変化することで、
MPCS中に取り込まれるCの配置やSiO
2骨格の形状が変化しているために発光色が変化したものと推定している。
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堀井 直宏, 片岡 翔一, 木村 駿, 前川 公男, 井上 昭浩, 葛生 伸
セッションID: 1P058
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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シリカガラスの失透で生じる結晶相の変化と,失透抑制効果との関連性について考察した.表面を研磨したシリカガラス基板上に秤量したNaCl結晶粒を一粒置き,電気炉で800~1100oCの条件で熱処理を行った.サンプルには,Clの有無と OH濃度が異なるシリカガラス基板(20×20×1 mm)用いた.Fig. 1は,1100℃,2時間で熱処理して失透させたシリカガラス(ED-B: Cl 無, ED-C : Cl含有,東ソー製)のXRD測定結果である.塩素を含まないシリカガラス(ED-B)では,トリディマイトのみが成長しているのに対して,塩素を含有したシリカガラス(ED-C)では、結晶成長はクリストバライトが主となり,トリディマイトの成長が抑制されていることがわかった.
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中村 健作, 高橋 儀宏, 井原 梨恵, 藤原 巧, 長田 実
セッションID: 1P059
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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アモルファス固体においてラマンスペクトルの低波数領域にはボソンピークと呼ばれるブロードなバンドが存在する。ボソンピークのピーク波数は剛性率と関連付けられる事が報告されている。しかしながらシリケートガラスにおいて実際にピーク波数と剛性率を比較した研究は少なく、特に二元系アルカリケイ酸塩であるLi
2O-SiO
2系ガラスにおいてはボソンピークの詳細な報告はない。そこで本研究では、各種Li
2O-SiO
2系ガラスを作製し、低波数ラマン散乱測定を行うことでボソンピークの組成依存性を調査した。さらに
M2O-SiO
2系アルカリケイ酸塩ガラス(
M: Li, Na, K)に関してピーク波数と剛性率との関連を考察した。
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木下 幹夫, 高橋 儀宏, 井原 梨恵, 藤原 巧, 正井 博和
セッションID: 1P060
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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酸化亜鉛ZnOはワイドバンドギャップ(~3.4 eV)酸化物半導体であり、特異な誘電・光学特性を有することから薄膜やゾルゲル法による材料合成および応用研究がなされている。最近ZnOを高濃度含有する酸化物ガラスにおいて、結晶化によるZnOナノ結晶が析出した材料“ZnO結晶化ガラス”の創製およびZnO由来の発光が報告されている。またZnO含有蛍光ガラスにおいてSnO添加による内部量子効率の増大が報告されている。 これらよりZnO結晶化ガラスの光学物性に与えるSnO添加効果に興味が持たれる。そこで本研究ではZnO結晶化ガラスの前駆体にSnOを添加し、結晶化挙動および発光特性について調査を行ったので報告する。
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目黒 浩介, 井原 梨恵, 高橋 儀宏, 藤原 巧
セッションID: 1P061
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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Fe
3+やCu
2+などの3d軌道に電子を有する遷移金属イオンを含有する酸化物ガラスにおいて、電気・磁気特性に関する研究が多く報告されている。その一方で、遷移金属イオンを主成分とするガラスの結晶化挙動に関する報告は少ない。Feイオンから成る結晶はd電子およびFe配位多面体に起因した興味深い物性を示すものがある。例えば、マルチフェロイック物質であるペロブスカイト型BiFeO
3などが存在する。そこで本研究では、ガラス中に多量に包含可能なBi
2O
3と典型的なガラス形成酸化物であるP
2O
5もしくはB
2O
3を選択し、これにFe
2O
3を添加した三成分系ガラスの結晶化挙動の調査を行った。
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太田 和成, 吉村 亮太, 河村 剛, 武藤 浩行, 松田 厚範
セッションID: 1P062
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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本実験の目的はNd
3+含有オキシフロライドガラスにおけるNd
3+の化学状態と光学特性の関連性を調査することである。Nd
3+含有ガラスセラミックスをゾル-ゲル法により作製した。このままではシリカのシグナルが強いため、フッ酸処理によりガラスセラミックスからSiO
2成分を取り除いた。これによりNd
3+含有フッ化物ナノ結晶の詳細な評価が可能となった。Nd
3+の詳細な光学特性および構造評価はシリカ成分を取り除いたフッ化物結晶を用いて測定した。
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王 石泉, 安藤 昌儀, 李 春亮, 楊 萍, 村瀬 至生
セッションID: 1P063
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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量子ドット(QD)は組成や粒径で発光波長を制御できる高輝度蛍光体として、バイオ用蛍光試薬や電子材料への応用が期待されている。中でもCdSe系QDは、高発光効率・狭い発光スペクトル幅・安定性等、利点が多い。我々は、QDをガラスカプセル中に分散し、耐久性や耐光性をさらに高めた蛍光体を開発している。最近、CdSe系QD表面をシラン化した後で逆ミセル法を用いることで、1個のQDをシリカ層で被覆した。今回、この方法を応用して、少量の水と共にシラン化QDを逆ミセルに導入し集合体を形成させることにより、多数のQDを分散し高発光効率を保持したガラスカプセルを得た。
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阿部 健太郎, 殷 シュウ, 佐藤 次雄
セッションID: 1P064
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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Y0.99-xPO4:Ybx/Er0.01(x=0.10, 0.30, 0.50)ナノ粒子を、200℃での水熱法と900℃でのアニーリングにより合成した。この生成物をX線回折(XRD)、走査型電子顕微鏡(SEM)、蛍光分光光度計でアップコンバージョン蛍光(UCL)スペクトルを用いて分析した。全ての試料は正方晶のYPO4であると同定できた。また、近赤外光を励起光として可視光に変換するアップコンバージョン蛍光が観測され、Er3+の4S3/2→4I15/2遷移による緑色発光が得られた。さらに、Yb3+イオンのドープ率(x)の増加に伴い蛍光強度は増加した。これは、増感剤としてのYb3+が近赤外光のエネルギーを発光体としてのEr3+に伝達したためと考えられる。
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横地 優大, 井原 梨恵, 高橋 儀宏, 藤原 巧
セッションID: 1P065
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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Cuイオンを包含する酸化物ガラスに関する既往の研究は電気特性に着目したものが多い一方で、それらの結晶化挙動に関する調査は十分に検討されていない。Cuを構造単位とする酸化物結晶には興味深い物性を示すものが多数存在し、特にSrCu
2O
2、SrCuO
2およびSr
2CuO
3などのSr-Cu-O系において特異な電子物性が確認されている。例えばSr
2CuO
3はスピノンによる熱伝導が大きく、また絶縁体であるため電子デバイスの排熱装置としての応用が期待されている。本研究ではSrO-CuO-B
2O
3系ガラスを合成し、それらの結晶化挙動の調査を行った。
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二見 能資, 柳田 健之, 藤本 裕, 杉山 誠, Pejchal Jan, 黒澤 俊介, 横田 有為, 吉川 彰, 伊藤 暁彦, 後藤 孝
セッションID: 1P066
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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固体シンチレータは、高エネルギー電離放射線を紫外可視域の多数の光子に変換する材料として、幅広く放射線測定に使用されている。我々は、焼結法により作製したY2O3セラミックスが、既存のBGO(Bi4Ge3O12)結晶シンチレータよりも高い発光量を示すことを報告した。本発表では、放電プラズマ焼結(SPS)法によって作製されたSc2O3、Y2O3及びLu2O3セラミックスのシンチレーション特性を報告する。各サンプルのα線(241Am: 5.5 MeV)励起波高分布には明瞭なα線ピークが検出され、これらがシンチレータとして動作することが確認された。このSc2O3とBGO結晶の発光量を比較するためにγ線(137Cs: 662 keV)励起波高分布を測定した。結果としてSc2O3の発光量はBGO結晶の約1.4倍(11480 ph/MeV)であった。
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小池 勇太, 早川 知克, 野上 正行
セッションID: 1P067
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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金ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴に起因する表面増強ラマン散乱(SERS)は,非常に高いラマン散乱強度を得られるため,高感度で選択性のある有機分子測定ができるバイオセンシング材料としての応用が期待されている.そこで本研究では,より多くのとげを持つ枝分かれ金ナノ粒子を作製し,そのSERS特性を測定していくことによって,高感度バイオセンサに応用できるような優れたSERS特性を持つ金ナノ粒子を作製すること,およびSERS機構の解明を目的としている.今回は異なる形状の試料を作製し,その試料の形状,およびSERSスペクトルの評価をしたので報告する.
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勝木 準貴, 菅原 透, 吉田 智, 松岡 純, 南 和弘, 越智 英治
セッションID: 1P068
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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放射性廃棄物ガラスの溶融状態における熱・物質移動計算において、密度は重要な物性値である。本研究では模擬放射性廃棄物ガラスとメルトの密度を室温から1573Kの範囲で測定し、温度依存性と廃棄物酸化物の含有量に対する変化を調べた。模擬廃棄物酸化物の含有量が約12wt%と約14wt%のガラスを試料とした。室温密度をアルキメデス法で測定し、線膨張係数をTMAで求め、合わせてガラス転移温度までの密度を算出した。1083K-1273KではNaClを用いたアルキメデス法,1273-1573Kではアルキメデス二球法でメルトの密度を測定した。廃棄物酸化物の増加に対しメルトの密度は増加することが分かった。密度をモル体積に換算するとモル体積は温度の対数に対しては比例することが判明した。
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杉村 康太, 菅原 透, 吉田 智, 松岡 純, 南 和宏, 越智 英治
セッションID: 1P069
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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模擬放射性廃棄物ガラスはSiO2-B2O3-Al2O3-Na2O-CaO-Li2O-ZnO系を主成分とし,約20種類の廃棄物酸化物を含むガラスである.本研究では,模擬放射性廃棄物ガラス中の成分のうち,比較的含有量が多く,これまでに研究が少ないLi2O, ZnO, ZrO2に着目して熱量測定実験を行い,それらの部分モル熱容量を求めた.それぞれの成分に対する部分モル熱容量はCpLi2O = 106.3 J/mol・K,CpZnO = 87.2 J/mol・K,CpZrO2 = 169.7 J/mol・Kと求まった.測定された部分モル熱容量を文献値と比較すると,本研究で得られたCpLi2OはSiO2-Li2O系で測定された値とほぼ一致し,Na2OやK2Oなど他のアルカリ酸化物の値よりもやや大きい.CpZnOはCaOやMgOなどアルカリ土類酸化物の値とほぼ同じ大きさである.CpZrO2は他の成分の値と比較して顕著に大きな値である.
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野尻 侑希, 時田 洋輔, 張 偉, 谷口 貴章, 松本 泰道
セッションID: 1P070
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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<背景>本研究では層状ペロブスカイト酸化物にEr
3+,Yb
3+をドープし、ドーパント濃度及び層間物質による発光特性の変化を観察した。また、層状構造から無機層を剥離することによりアップコンバージョンナノシートの合成に挑戦した。<結果と考察> La
2-(x+y)Er
xYb
yTi
3O
10・La
1-(x+y)Er
xYb
yNb
2O
7の両方の系で励起光980nmにおけるアップコンバージョン発光強度を比べるとLa
1-(x+y)Er
xYb
yNb
2O
7系の方が強い発光を示した。また、K体とH体を比べると発光効率は平均して半分程度に減少することが分かった。Fig1は作製したDion-Jacobson相の層状ペロブスカイトLa
1-(x+y)Er
xYb
yNb
2O
7の結晶構造の模式図である。また、Fig2.は作製したLa
1-(x+y)Er
xYb
yNb
2O
7ナノシートのAFM画像とアップコンバージョン発光スペクトルである。Er
3+による525nm(
2H
11/2→
4I
15/2), 553nm(
4S
3/2→
4I
15/2), 653nm(
4F
9/2→
4I
15/2),の発光ピークが確認できた。
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板東 文香, 荻田 雄馬, 丸田 亮介, 村井 啓一郎, 森賀 俊広
セッションID: 1P071
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
母体材料としてこのBa3Si6O12N2に注目し、Si/Ba比の最適化を行った。また、Baサイトの一部をSrをはじめとするイオン半径の異なる金属で置換することで生じる構造の変化と発光特性の変化についても調査した。
Si/Ba=2~4のすべての試料でBa3Si6O12N2相が生成したが、Si/Ba=2の試料では、不純物相としてBa3Si6O9N4相も確認できた。発光スペクトルからSi/Ba比を変化させても発光波長は522nm付近でほとんど変化せず、Si/Ba=2.5のとき発光強度が最大となった。また、それぞれのSi/Ba比においてSrドープ量を増加させていくと、Si/Ba=2.5のときSr=40%、Si/Ba=3のときSr=60%、Si/Ba=3.5のときSr=50%で不純物相が生じた。以上から、金属置換を行う場合は、Si/Ba=3が適当であると考えられる。
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小畠 卓也, 斎藤 全, 武部 博倫
セッションID: 1P072
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
SnO-P
2O
5ガラスには低ガラス転移温度,高屈折率という特性から,精密モールド光学ガラスなどへの応用が期待されているが,耐水性が低いという問題がある。耐水性向上にはB
2O
3の添加が有効と報告されているが,温度・時間条件の影響を詳細に調べた例はない。本研究ではSnO-P
2O
5-B
2O
3ガラスに対し,温度及び時間を変化させて耐水性を評価し,ガラス構造との関係を調べた。試料は67SnO-(33-x)P
2O
5-xB
2O
3(x=0, 3, 5, 7, 10mol%)を用いた。耐水性はMCC-1静的浸出試験法を用い,40及び70ºCの蒸留水中に504時間まで浸漬させて試料の溶出量を求めた。試験後の試料は,X線回折及びFT-IRにより評価した。その結果,試料の重量減少と同時にSn
3(PO
4)
2が生成されることが分かった。水への浸出挙動をガラス構造から考察した。
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鈴木 優斗, 正井 博和, 山田 泰裕, 徳田 陽明, 横尾 俊信, 藤原 巧
セッションID: 1P073
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
異なるSn 2+濃度を有するxSnO-(25-x)SrO-75B2O3ガラスの発光特性を調査した。B2O3、SrCO3、SnOを出発原料として、溶融急冷法により無色透明なガラスを作製した。得られた試料のガラス転移温度はSnO量の増加に伴って減少した。SnOの添加とともに、ガラスの光学吸収端は長波長シフトし、励起帯のピーク位置とよく相関することがわかった。スズ含有ガラスは、深紫外光励起により、明瞭な青色発光を示した。試料の発光強度は、SnO濃度xが0.10で最大をとり、0.2以上の試料において濃度消光による発光強度の減少が確認された。
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白井 亮太, 正井 博和, 徳田 陽明, 横尾 俊信
セッションID: 1P074
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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我々は高い比誘電率と可視光領域の透明性を有する結晶化ガラスの作製を目指し、強誘電性のSr0.5Ba0.5Nb2O6 (SBN) 結晶に注目した。SBN結晶を析出するガラスセラミックスはSrO-BaO-Nb2O5-P2O5ガラスを熱処理することにより作製した。得られた試料に対して光吸収測定、X線測定を行い、光学特性を評価した。SBN結晶は試料最表面において、SBN結晶がc軸方向に配向して析出していることが分かった。740℃で3時間熱処理したSBNガラスセラミックス(厚さ1.3mm)は600nmの波長で72%の透過率を示した。
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山下 翔寛, 岩崎 謙一郎, 井原 梨恵, 高橋 儀宏, 藤原 巧
セッションID: 1P075
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
本研究室では青色発光・残光を示す新規蛍光材料としてBaZrSi
3O
9結晶を報告している。また、ZnO-GeO
2系ガラスなどにおいて結晶化ガラスを用いた希土類フリー蛍光体の作製に成功している。BaO-ZrO
2-SiO
2系ガラスは1600°C付近の高温で溶融を行う必要があり、かつ組成比がBaO:ZrO
2:SiO
2=1:1:3(モル比)のガラスはガラス化範囲の端に位置していることから溶融急冷法では作製が困難である。一方、ゾル-ゲル法は低温合成および通常では作製困難なガラスの作製が可能であるという利点がある。本研究ではゾル-ゲル法を用いてBaO-ZrO
2-SiO
2系ガラスを作製し、その構造についてX線回折(XRD)およびラマン分光法を用いて調査を行ったので報告する。
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増本 博, 鈴木 一行, 川崎 亮, 藤田 和久, 木皿 且人
セッションID: 1P076
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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宇宙研究開発機構(JAXA)が研究・開発を進めている宇宙太陽光利用システム(SSPS:Space Solar Power System)は、太陽エネルギーをレーザーもしくはマイクロ波に変換し、静止軌道上から地上または月探索プラットフォームなどに伝送するエネルギーシステムである。実現には宇宙放射線に耐えうる、より過酷な環境での使用に耐える波長選択膜の必要性が高まっている。本発表では、各種材料の耐放射線特性を評価し、有効な材料の組み合わせを明らかにし、屈折率傾斜積層構造をもつ波長選択膜の設計・製作を行った結果を述べる。
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渡邊 和音, 中西 貴之, 伏見 公志, 長谷川 靖哉
セッションID: 1P077
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
Eu
2+を添加したSrAl
2O
4結晶は、長残光・応力発光・光電導特性などの興味深い性質を示す。特に、その残光蛍光体は他に類を見ないほど優れ、広く用いられてきた。我々はこれまでSrAl
2O
4結晶をガラス中に析出・高分散させた透明かつユニークな物性を示す新物質の合成を行っている。その光学物性は活性中心Euイオンの状態に強く依存するため、本研究では熔融雰囲気中の酸素分圧(PO
2)濃度を変えた試料作製を行い、Eu
3+/ Eu
2+含有率の変化による蛍光体ガラスコンポジットの光学物性への影響を調べた。
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早川 知克, 加藤 尚也
セッションID: 1P078
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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NaGdF
4ナノ蛍光体は高いアップコンバージョン発光効率を示す母体材料として実用化が進められている.しかしながら,発光特性は母体材料の結晶構造が大きく影響するということが知られており,光学特性を評価する際にはNaGdF
4の2つの結晶構造:六方晶 hexagonal,立方晶cubicを作り分けることが必要となる.本研究では,水熱合成法を用いてNaGdF
4:Tm
3+,Yb
3+ナノ結晶を作製し,それぞれの結晶構造を生成する合成条件を調査した.また,近赤外光照射により得られる青色アップコンバージョン発光(UCPL)を測定し,結晶構造の影響について検討した.
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小川 哲志, 成瀬 則幸, 冨田 恒之, 片桐 清文, 垣花 眞人
セッションID: 1P079
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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アップコンバージョン(UPC)蛍光体は赤外光等により励起し、励起光よりも強いエネルギーとなる光を放出する物質である。1000nm付近の生体を透過する赤外光を励起源として可視域で発光するUPC蛍光体は近年バイオ・メディカル分野への応用が期待されている物質である。特にこれらの応用を前提としたUPC蛍光体の特性としては微粒子かつ高輝度であることが望ましい。微粒子UPC蛍光体としてはNaYF4等を代表とするフッ化物系の蛍光体は高輝度を示すことが多く報告されているが、安価かつ簡易に合成できる酸化物では低輝度のものがほとんどである。これまでの研究によってHo3+をドープした酸化セリウムは酸化物UPC蛍光体としてバルクでは優れた特性を示すことが確認されている。本研究では酸化セリウムUPC蛍光体のナノサイズ粒子化を念頭に、焼成過程を経ない方法で合成することを目的とし、水熱及びソルボサーマル法により作製を行った。
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高橋 宏亘, 井原 梨恵, 高橋 儀宏, 藤原 巧
セッションID: 1P080
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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封止材は異種材料の接着や空気酸化しやすい材料を保護するために使用されている。被封着物が損傷しない程度の温度で封着を可能とするため、現在は樹脂や低融点ガラス材料が用いられている。しかし近年、樹脂材料の安定温度以上で使用可能な封止材の需要が高まっていることから、本研究では中・高温での安定動作に合致すると期待される結晶化ガラスに着目した。今回は鉛系に代わる材料として用いられるビスマス亜鉛系ガラスからどのような結晶が析出するかを検証した。
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濱田 裕也, 河村 剛, 武藤 浩行, 松田 厚範
セッションID: 1P081
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
アゾベンゼンをドープした無機‐有機ハイブリッド膜はゾル-ゲル法により作製した。全ての試料で、膜作製直後からアゾベンゼンの吸光度減少が観測された。室温静置での経過時間に対するトランス‐アゾベンゼンの吸光度変化を観察したところ、フェニルシルセスキオキサン膜中のアゾベンゼンの吸光度の減少速度は他のオルガノシルセスキオキサン膜より遅かった。これはフェニル基とアゾベンゼンのベンゼン環の間でπ‐π相互作用が起き、ゲル膜の乾燥に伴うアゾベンゼンの揮発が抑制されたと考えられた。
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杉山 翔, 廣岡 正大, 小出 拓宏, 松嶋 雄太, 井東 道昌
セッションID: 1P082S
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
筆者らはこれまで、レア・アースフリー蛍光体としてバナジン酸アルカリ土類塩化合物を提案してきたが、今回新たにバナジン酸亜鉛Zn
3(VO
4)
2が優れた黄色蛍光を示すことを見出した。酸化亜鉛と五酸化バナジウム原料を硝酸に溶解し、蒸発乾固により得られた固体を前駆体として焼成したところ、400~800 nmのブロードな黄色蛍光を示す蛍光体が得られた。一方、副生成物として得られるZn
2V
2O
7は蛍光を示さず、Zn
3(VO
4)
2単相が得られる条件で合成することが重要であることがわかった。
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ミン ジホン, 山口 太一, 小林 亮, 加藤 英樹, 垣花 眞人
セッションID: 1P083
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
最近,我々は,NaScSi2O6:Euが220-430nmで励起され、550nm付近に極大を持つブロードな黄緑色発光を示す新しい蛍光体であることを見出した。このNaScSi2O6:Euに50wt%のNa2CO3をフラックス剤として添加し熱処理すると,NaScSi2O6相に加えて既知物質に帰属されないXRDパターンを示す試料が得られた。このことから、新規組成のNa-Sc-Si-O系蛍光体が形成されていることが示唆された。そこで、本研究ではEu2+賦活Na-Sc-Si-O系新規蛍光体について検討を行った。新規蛍光体の合成は, アモルファス金属錯体法により行った。新規物質の単相合成を目指し,並列合成法により組成比がNa:Sc:Si=(1,2,3,4):(0.5,1,2):(1,2,3)の組合せからなる試料の合成を行った。その結果、Na:Sc:Si=3:1:3の組成比で合成したときに,目的相が主相の試料が得られ、530nmに極大を持つブロードな発光を示した。
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奥村 直洋, 早川 知克
セッションID: 1P084
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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Mn
4+は母材にドープすることにより,赤色発光を示すことが知られており,ディスプレイや照明などへの応用が期待されている.また,Mn
4+はドープする母材を変えることにより発光波長および励起波長が変化するため,様々な母材にドープし発光波長および励起波長を調べることにより,応用に適した発光波長および励起波長を示す母材が見つかる可能性がある.そこで今回は,Mn
4+ドープMg
2TiO
4およびMgTiO
3に着目し,発光特性および励起特性を評価することを目的とした.
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浜嵜 容丞, 清水 荘雄, 谷口 博基, 谷山 智康, 伊藤 満
セッションID: 1P085
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
本研究では、Pulsed Laser Deposition (PLD)法によって合成したイルメナイト型MgTiO3単結晶薄膜の蛍光特性を調べた。その結果、製膜時のターゲット-基板間距離を減少させるにつれて、605nm近傍にバルク試料では見られないブロードな蛍光成分が成長することが分かった。この蛍光特性の起源を欠陥化学的観点より議論する。
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有賀 敦, 田澤 一樹, 小澤 真一郎
セッションID: 1P086
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
Eu
2O
3を0~40 mol%の範囲で添加したY
2WO
6赤色蛍光体の高温相を固相反応法で合成した。合成温度は1673~1923 Kの範囲で2時間大気焼成した。XRDの結果、Eu
2O
3 で賦活化したY
2WO
6は合成温度1673K 以上のすべての試料でほぼ単一相となり、Nd
2WO
6 (PDF #72-1867, ICSD #20105) 型結晶構造だった。即ち、高温相はEu
2WO
6 型結晶(C2/c)のEuサイトにイットリウムが大量に固溶した結晶構造であった。最も輝度が高かった試料は低温相に比べて4.3倍も明るかった。393 nm励起の発光スペクトルは614 nmと611 nmに強発光が見られた。614 nm発光の励起スペクトルは393 nm, 464nm, 535 nm付近のピークが観測された。
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中村 真澄, 三浦 登, 松本 皓永
セッションID: 1P087
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
ZnS:Mn に代表される局在型発光中心元素を持つ蛍光体を粉末型 EL 素子に応用するべく、蛍光体粉末の微粒子を行った。遊星型ボールミルよる粉砕を用いて、ZnS:Mn 微粒子蛍光体を得た。その平均粒径は、1 μm 以下であった。出発材料に比べ微細化されたものの、薄膜蛍光体の厚さに比べると大きい。そこで、従来の粉末型 EL 素子と比較し高電界を得るために、従来の粉末型 EL 素子に薄膜誘電体層を挿入した EL 素子の作製を試みた。
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黒江 礼奈, 井原 梨恵, 高橋 儀宏, 藤原 巧
セッションID: 1P088
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
リン酸塩系ガラスは低屈折・低分散や赤外吸収特性に優れることから光学材料として多く利用されている.また近年,リン酸塩系ガラスは光触媒機能やイオン伝導性を有する材料として,ガラスに新たな機能を付与する材料として着目されている.本研究では,ZnO-P
2O
5系ガラスにSiO
2を添加した3成分系ガラスを作製し,熱的特性などの諸物性評価とガラス構造の調査を行った.得られたガラス試料のDTA測定の結果,SiO
2の含有量に伴いガラス転移温度 (T
g) の上昇が見られた.
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大野 愛美, 崎田 真一, 紅野 安彦, 難波 徳郎
セッションID: 1P089
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
ソーダライムガラスの相分離に伴う遷移金属の分配について調査した。組成分析の結果から、遷移金属イオンの多くは相分離の後にボレートリッチ相へ分配される。しかし、遷移金属の添加は相分離に重要な影響を及ぼし、その分配挙動も遷移金属やその添加量に依存することが示唆された。
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Li Chenshu, 張 琳, 徐 超男
セッションID: 1P090
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
本研究では、構造部材として最も多く用いられる金属材料の動的塑性不安定現象の全視野可視化への応用を展開している。金属においては塑性不安定が多く見られ、その中に、加える単軸引張り力を連続的に増加させる時に力の方向と60°ぐらい角度を持っている局部的な変形バンドが何度も伝播するという現象をPortevin-Le Chatelier 効果(PLC効果)として知られている。PLC効果は微視的に溶質原子と可動転位の動的歪時効による現象であると考えられているが、詳しいメカニズムはまだ解明されていない。応力発光技術は動的な力学現象をリアルタイムに可視化することができ、PLCバンドの発生、伝播方向、伝播速度など詳細な動的挙動の可視化に成功した。
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森 祐介, 張 洪武, 山田 浩志, 徐 超男
セッションID: 1P091
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
応力発光(Mechanoluminescence: ML)とは、引っ張り、圧縮、ねじ
れ、摩擦、衝撃などの外部からの機械的な力に応答して繰り返し発
光する現象のことである。応力発光強度は、歪みや歪み速度と一定
の相間関係にあるため、構造物等における応力分布を把握するため
のセンシング材料としての利用が期待されている。
最近、張らは白色LED 用蛍光体として注目されているSr2SiO4:Eu
が弱いML を示し、また、Dy を共添加することにより、強い応力
発光を示すことを新たに発見した。Sr2SiO4:Eu,Dy のML 強度は
Sr2SiO4 の結晶相に強く依存し、β相が存在するときML 強度が高
く、β相がML に寄与しているのではないかと考えられる。
本研究では、Sr2SiO4 の応力発光特性を報告するとともに、母体
のSr サイトをCa などの他元素で置換することにより、結晶相を制
御し、Sr2SiO4 の結晶相とML 特性との関係を系統的に調べた。
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阿部 佳織, 幸田 清一郎, 板谷 清司
セッションID: 1P092
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
常圧焼成とHIPを用いて、2種類の低融点ガラスZnO-B
2O
3-Bi
2O
3系(ZBB)およびZnO-B
2O
3系(ZB)から透明体を作製した。直径15 mm、厚さ7 mmに成形した円板状ZBB成形体は空気中で450から490°Cまたは酸素雰囲気中で500°Cにおいて常圧焼成し、その後、HIPを用いて20%酸素含有アルゴン中で490°C、12 h、加熱した。一方、円板状のZB成形体は、空気中で590から670°Cにおいて常圧焼成した後、HIPを用いて20%酸素含有アルゴン中で620°C、12 h、加熱した。常圧焼成後、HIP処理を行うと、透明なZBB、ZBの焼結体が作製された。それらの平均透過率はそれぞれ66.3%および55.5%であった。
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張 琳, 徐 超男, 上野 直広, 張 エン, 李 シンシュ, 山田 浩志
セッションID: 1P093
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
我々は、微小な力学的エネルギーにより発光が励起される新規な発光材料であるー応力発光材料を開発し、計測技術への展開を図っている。今まで、代表的な応力発光材料SrAl
2O
4 : Eu
2+ をエポキシ樹脂に均一分散させ、フィルムセンサの作成に成功した。このセンサを計測対象物に接着して発光を調べれば、その面分布から構造体の動的な応力分布が可視化され、表面はもとより内部に存在する構造欠陥、亀裂、破壊の現状や進行方向を瞬時に把握することができる。しかし、使用されたエポキシ樹脂の脆性により、数パーセントの歪みまでしが計測できなかった。本研究では、ゴムの柔軟性を活かし、マトリックス材料として導入することにより、13%を超える歪みまでの測定できた。
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