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横井 太史, 金 日龍, 川下 将一, 大槻 主税
セッションID: 1L20
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
水和ゲルを反応場とした結晶成長法は、難溶性化合物のバイオミメティックな合成プロセスとして知られている。本研究では、より低い過飽和度の環境を得るために、ゲルの両端からカルシウムイオンとリン酸イオンを拡散させるDouble diffusion systemを用い、種々の温度でリン酸カルシウム結晶の合成を試みた。反応温度が4もしくは40 ºCの試料ではリン酸八カルシウム(OCP)が、反応温度が80 ºCの試料ではヒドロキシパタイト(HAp)が生成した。HApは配向した1-5mm程度のロッド状結晶として生成した。走査電子顕微鏡観察によれば、このHApのロッド状結晶は、数十μm程度の繊維状結晶の集合体であった。一方、OCPは数十μm程度の球晶であった。
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大野 彰平, 辻 融, 緒明 佑哉, 今井 宏明
セッションID: 1L21
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
水酸アパタイト(HAp)の特定面に特異的に吸着するタンパク質やペプチドの探索は、骨や形成過程を理解し、それらに類似した生体材料を合成する上で重要である。本研究では、mRNAディスプレイ法を用いて HApのc面に選択的に吸着する合成ペプチドアプタマーを探索し、その吸着特性および結晶成長への影響を評価した。その結果、ある配列を持つペプチドはc面に特異的に強く吸着し、アミノ酸の配列および配列に依存する立体構造が重要であると考えられた。またペプチドを成長系に加えることにc軸方向の成長が抑制されたことが示唆され、成長した結晶の露出面は、ペプチドを加えることによりc面が優勢になっていた。
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清水 章充, 前田 浩孝, 春日 敏宏, 加藤 且也
セッションID: 1L22
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
炭酸カルシウムで構成される貝殻は、生物が温和な条件で作り出すバイオミネラルであり高い機械的強度を有している。シーケンスの異なるペプチドをテンプレートとして用い、炭酸カルシウムのミネラリゼーションにおいて、シーケンスが与える効果について検討した。同じアミノ酸が分かれて並んだペプチド(ブロックポリマー: Lys5Asp5)ではバテライト、カルサイトが生成した。交互に並んだペプチド(交互ポリマー: (LysAsp)5)では(104)面に配向したカルサイトの生成が見られた。また、SEM観察より、ペプチドの種類によって結晶形態は異なった。ペプチドのシーケンスによって、合成する炭酸カルシウムの結晶相および形状の制御が期待できる。
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和田 徳雄, 堀内 尚紘, 檜山 哲夫, 中村 美穂, 永井 亜希子, 山下 仁大
セッションID: 1L32
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
我々はハイドロキシアパタイト(HAp)セラミックスを電気的に分極処理を施すことにより、エレクレットを作製し、この誘起された表面電荷による電場は限定された空間でバイオマテリアルの結晶成長および生体物質の反応性や細胞や微生物の挙動に影響を及ぼすことを見出した。バイオミネラリゼーションでの知見を基にしたバイオマテリアル合成の戦略において表面電荷による局所電場と可溶性有機物の協調作用を理解することは重要である。そこでこれらの課題に対して有用な知見を得るために、分極カルサイト単結晶基板上での炭酸カルシウムの結晶成長を可溶性有機物としてポリアスパラギン酸(PAsp)を添加して調べた。
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橋詰 峰雄, 酒井 篤, 坂本 祐理, 小森 陽昇
セッションID: 1L33
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
ポリスチレン(PS)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)のような汎用高分子は擬似体液(SBF)を用いたヒドロキシアパタイト(HAp)析出において不均一核形成に有効な官能基をもたない。最近我々はヒト血清アルブミン(HSA)の吸着層を介してPS基板表面へのHAp析出に成功した。本研究ではこの手法の他のタンパク質や高分子への適用可能性を評価し、またHAp析出を促進させる前処理についても検討を行った。その結果PS基板ではHSA以外にヒト免疫グロブリンGを吸着させた場合でも1.5SBFに浸漬後HApの析出がみられたのに対し、PMMA基板では同様の処理でHApの析出はみられなかった。これは各基板に対するタンパク質の吸着量の違いが原因であると考えられた。HSA吸着PS基板を塩化カルシウム溶液で前処理することでHApの析出が促進されることも明らかとなった。
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柿沼 祐亮, 石井 賢, 石濱 寛子, 戸山 芳昭, 松本 守雄, 相澤 守
セッションID: 1L34
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
我々はこれまでに生体内に類似した環境下で純チタン上に水酸アパタイト (HAp) をコーティングし、その表面にイノシトールリン酸 (IP6) を修飾し、そのIP6のキレート能を用いて銀イオンを固定化させることにより「抗菌性チタンインプラント」を開発することに成功している。本研究では、基板を整形外科領域で注目されているポリエーテルエーテルケトン (PEEK) に変え、同様なコーティングプロセスを用いて銀イオンを担持させたので、その材料特性に関する結果を報告する。得られた試験片の材料特性は粉末X線回折法 (XRD) 、走査型電子顕微鏡 (SEM) 、エネルギー分散型X線分析 (EDX) 、X線光電子分光法 (XPS) などを用いて調べ、誘導結合プラズマ発光分光分析 (ICP) により銀の定量を行った。
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城崎 由紀
セッションID: 1L35A
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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外傷や疾患により生体組織を除去した場合,その損失部位は臓器移植や人工臓器によって治癒しなくてはならない。Bioglass®を初めとする無機物質からなるいくつかの骨組織結合性代替材料は体内で体液と触れることによって材料表面が反応し,新生骨の誘導分化を促す生体活性な材料であることが明らかとなっている。最近では硬組織だけでなく,軟組織への応用も検討されているが,無機材料は硬くて脆いため,それ自身での柔軟な組織への応用は困難である。そこで,柔軟で生体活性を有する材料が必要とされている。また近年の再生医学や組織工学のめざましい発展はすぐれた足場材料および素材を要求している。このような材料は生体内で徐々に生体組織と置き換わり,将来的には完全に分解・消失するものが最も望ましい。このため天然物由来の高分子がその素材材料として有望であり,さらに三次元的な組織構築や酸素・栄養分の供給などのために多孔体であることが望ましい。
我々の研究グループではゾル-ゲル法を用いて天然高分子と無機成分を複合化し,柔軟性な生分解性有機-無機複合体の合成に取り組んでいる。
本講演では,キトサン–ケイ酸複合体に関してこれまでに演者らが行った検討について報告する。
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佐野 秀明, 森崎 順一, 鄭 国斌, 内山 休男
セッションID: 1P001
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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CNT/Al
2O
3-TiC複合材の機械的特性、電気伝導性および耐酸化性に及ぼすCNT添加量の影響を調べた。CNT添加量が2vol%以上の場合、曲げ強度およびヤング率は改善されたが、CNT添加量が3vol%以上になると耐酸化性が劣化した。TiC粒子がAl
2O
3マトリックス内でパーコレートしているAl
2O
3-26vol%TiC試料との比較より、TiC粒子がパーコレートしていないAl
2O
3-12vol%TiC-3vol%CNT試料では、CNT添加により機械的強度がAl
2O
3-26vol%TiC試料のそれとほぼ同じになると同時に、1200℃酸化後の酸化変質層が薄くなり、耐酸化性が向上することが判った。
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堀 秀敏, 木練 透, 西尾 圭史, 中尾 将太
セッションID: 1P002
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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ゾル-ゲル法で、SiO
2粉体とZrW
2O
8粉体を合成した.次にシロキサン樹脂の硬化条件の検討を行った。シロキサン樹脂に無機材料(SiO
2粉体とZrW
2O
8粉体)を分散させて、有機無機ハイブリッド熱膨張制御材料を作製した。XRD測定結果から不純物の無い各種酸化物ナノ粒子を合成することができた。また、酸化物ナノ粒子の添加量とともに減少する傾向が認められ、最大で60%程度減少させることができることが明らかになった。
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水野 豊, 目 義雄
セッションID: 1P003
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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Mn+1AXnで表されるセラミック材料はMAX相セラミックスと呼ばれ、nが1、2または3、Mが前周期遷移金属、AがAグループ元素、XがC又はNである。その結晶構造はMn+1Xn相とA原子相が交互に積層した構造をしており、M-X間に共有結合、M-A間に金属結合を持つ。このため、軽量、高弾性率、高温高強度、高耐熱性など一般的なセラミック材料の特性に加えて、快切削性、耐熱衝撃性など金属的特性を持つなど特異な性質を兼ね備えている。なかでも、Ti3AlC2は耐酸化性に優れることから高温構造材料としての利用が期待される。しかし、構造材料として応用を考えた場合、脆さの改善が課題である。これまで、磁場を用いて結晶方位の揃ったNb4AlC3焼結体を作製することで脆さを改善した研究が報告されている。本研究では、Ti3AlC2の板状粒子を作製し、加圧焼結することで高純度の結晶配向Ti3AlC2焼結体の作製を試みた。
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宮田 健作, 藤本 憲次郎, 伊藤 滋
セッションID: 1P004
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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これまでに、HIP法を用いて、負の熱膨張を示すβ-ユークリフ゜タイトと正の熱膨張係数をもつソーダ石灰ガラスとの複合化を、低温下で両者の反応を防いで行うことを試みた。その結果、比較的小さな熱膨張係数(約1.0×10
-6/℃)を示す複合材料が得られた。しかし、相対密度はいずれも80%未満と低く、450から550℃の低温でHIPしたにもかかわらず、β-ユークリフ゜タイトは一部原料ガラスと反応し、50 mass%(仕込み)の場合ではほとんど反応していた。そこで本研究では、ガラスとの反応を考慮に入れて、仕込み時のβ-ユークリフ゜タイト含有量を75、90 mass%とし、さらにHIP温度を上げて700℃とし、緻密な低熱膨張材料の作製を試みた。さらに、常圧焼結した場合と比較検討した。
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徐 国勝, 山口 朋浩, 遠藤 守信, 樽田 誠一, 久保 勲
セッションID: 1P005
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
SiCは硬度,熱伝導率,高温強度及び化学的安定性に優れており,シリコンと近い熱膨張係数を有するため,高温,腐食性雰囲気である半導体製造装置チャンバーやエッチング用トレーなどに応用されている.しかし,SiCの破壊靱性(2~3 MPam1/2)が低いため,精密加工中にクラックやチッピングが発生しやすい.一方,高強度,高弾性及び高アスペクト比を有するカーボンナノチューブの一種であるカーボンナノファイバー(CNF)はセラミックスなどの強化材として有望とされている.そこで,SiCの破壊靱性を高めるために,SiCへCNFの複合化を試みた.複合化はSiCとCNFの混合スラリーを調製し,ゲルキャスティング後,Ar中で焼成することで行った.そして,複合体の焼結挙動及び機械的性質に与えるCNFの影響を検討した.作製したCNF/SiC成形体にはCNFが均一分散し,2150℃で複合体の相対密度はCNF添加量に係わらず98%以上に達した.また,3wt%CNT/SiC複合体の破壊靱性は4.5MPam
1/2であり,CNF無添加SiC焼結体より50%向上した.CNT/SiC複合体の破壊靱性が向上したのは均一分散したCNFのPulloutあるいはbridging効果が主な要因と考えられるが,SiC粒子三重点に存在しているカーボン凝集体が進展してくるクラックを一時的にピンニングすることによる寄与も考えられる.
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佐野 由紀, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 横内 正洋
セッションID: 1P006
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
Si
3N
4セラミックスの機械的信頼性を確保するためには、液相焼結における粗大気孔の消滅過程を解明する必要があるため、有機系球状粒子を造孔材として添加したときの気孔消滅過程を観察することを目的とした。Si
3N
4、Y
2O
3、Al
2O
3、AlN、 HfO
2を重量比で92:5:3:5:5となるように秤量し、フェノール樹脂球状粒子を5wt%添加して湿式混合を行った。乾燥して得られた造粒粉末を一軸及びCIP成形して成形体を得た。脱脂後、1650~1700℃で2 hの条件でガス圧焼結し、1600-1800℃、1 hでHIP処理も行った。得られた焼結体に対して密度測定、SEMによる微構造観察、薄片透光法による内部構造観察を行った。1650℃焼成では大きい空孔が存在しているのに対し、1700℃焼成では小さい空孔が多く存在することが明らかになった。このように、焼成温度によって空孔の消失過程が大きく異なってくることが明らかになった。
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井本 洋介, 脇原 徹, 多々見 純一, 目黒 竹司, 米屋 勝利
セッションID: 1P007
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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アルミナ多孔体は、触媒担体、断熱材などに用いられる重要な工業材料である。このような用途においては、各種水溶液による腐食挙動に関する知見が不可欠である。そこで本研究では、アルミナ多孔体を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した時の重量と機械的特性の変化を評価することを目的とした。今回は、焼結助剤としてタルクが添加された細孔径10μmのアルミナ多孔体を用いて実験を行った。これを80℃の10wt%水酸化ナトリウム水溶液に6および24時間浸漬した。いずれの腐食時間においても腐食試験後により重量が減少することが確認された。24時間腐食試験後には圧縮強度が1/3程度に低下した。また、SEM-EDS観察の結果、圧縮強度の低下は粒界に偏在していたSiを多く含むガラス層の溶出による粒界強度の低下に起因していると考えられる。
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武野 伸也, 吉田 道之, 櫻田 修
セッションID: 1P008
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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結晶粒子がナノスケールにまで微細化した正方晶ジルコニアでは、透光性や水蒸気に対する安定性が著しく向上するという報告がされている。これまでに報告されている、ナノ結晶ジルコニアの作製方法は熱間静水圧成形(HIP)や 放電プラズマ焼結(SPS)などに限られており、これらの方法では複雑形状や大型部材の作製が困難である。本研究では、ジルコニアナノ粒子が分散した市販の懸濁液を濃縮することによって得られる高固体濃度のスラリーを用い、従来の乾式法と比較して大型化や複雑形状の部材の作製が容易な鋳込み成形によりナノ結晶ジルコニアの作製を試みた。
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下間 尊弘, 吉田 道之, 赤津 隆, 尾畑 成造, 倉知 一正, 横山 久範, 櫻田 修
セッションID: 1P009
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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MAXフェーズ材料の一つであるTi
3AlC
2の結晶粒子はナノの厚さの平板が積層した構造を有しており、その焼結体は高弾性率、耐酸化性など一般的なセラミックスの性質に加え、快削性、耐熱衝撃性など金属的な性質を併せ持つことが知られている。六方晶に分類されるTi
3AlC
2の結晶粒子の形状は板状で異方性を示す。異方性材料は配向制御などマイクロメートルスケールの組織制御によりその特性が著しく向上すると期待される。我々はこれまでに、Ti
3AlC
2粉末の合成、およびホットプレスを用いた配向性Ti
3AlC
2焼結体の作製について報告してきた。本発表では配向性Ti
3AlC
2焼結体における亀裂進展挙動について報告する。
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前川 浩紀, 下間 尊弘, 吉田 道之, 櫻田 修
セッションID: 1P010
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
Ti-Al-C系複合炭化物の中で、Ti
3AlC
2はCTi
6層とAl層が交互に積層した結晶構造であり、結晶内に金属結合をもつため金属とセラミックスの性質を併せ持つ特異な材料であることが、これまでの研究で明らかにされている。これまでに報告されているTi
3AlC
2焼結体の作製方法は、熱間静水圧成形(HIP)やホットプレスなどに限られており、これらの方法では複雑形状や大型部材の作製が困難である。そこで本研究は、従来の乾式法と比較して大型化や複雑形状の部材の作製が容易な鋳込み成形によりTi
3AlC
2焼結体の作製を試みた。
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古谷 一晃, 関野 徹, 楠瀬 尚史
セッションID: 1P011
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
炭化ケイ素セラミックスの電気抵抗を低下させることによって、ヒーターなどの応用が期待できる。従来、セラミックスの電気抵抗制御には30体積%以上の導電性第二相が加えられていたが、多量の第二相粒子を分散する方法では、炭化ケイ素の優れた耐熱性を損なうことが予想される。そこで本研究では、炭化ケイ素の粒界相に導電性物質を隻手させて、電気抵抗の低下を検討した。
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朝倉 勇貴, 苗加 信太郎, 岸本 弘立, 幸野 豊, 佐々木 眞, 香山 晃, 鄭 憲採, 朴 峻秀
セッションID: 1P012
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
NITE法とは粒径30nm程度のSiC超微粒子と先端SiC繊維を使用することで,従来の液相焼結(LPS)法では,不可能とされていた低温(~1800℃)での繊維束間の微細な空隙に至るまで結晶性の高いSiC マトリックスを緻密に充填することを繊維・界面の損傷無しに可能としたプロセスである。このNITE法によるSiCの焼成では積層したSiCグリーンシート又はSiCプリプレグシートのプリフォームを製作し焼結を行うが、これらのシート中にはバインダー及び焼結助剤が添加されており、プロセス中における挙動が最終成型品の機械特性に大きな影響を与える。焼成時におけるバインダー剤の熱分解過程および製作した試料に含まれる添加元素の組成変化を知ることはNITE法の成型技術の高度化に非常に重要である。そこで本研究ではSiCグリーンシートの熱・化学分析を行い、各試料の組成変化を調査した。
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松本 崇宏, 斎藤 達朗, 垣澤 英樹, 香川 豊
セッションID: 1P013
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
厚さが10nm前後のAl
2O
3をコーティングした材料は電子デバイスや構造部材表面コーティングなど幅広い分野で利用されている。一方、このようなコーティング層の力学特性は基材と一体になったものを測定し特性を推定するという間接な方法が用いられている。従って、測定した値自体はコーティングシステムとしての値にならざるを得ない。本研究ではフリースタンディングの状態にある厚さが10nm程度のAl
2O
3の力学特性を検討することを目的とし、力学試験を行うことが出来る10nm~数100nmの壁の厚さの連続状チューブを作製する方法、及び力学特性の測定方法を検討した。
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松岡 光昭, 吉尾 紗良, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司
セッションID: 1P014
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
カーボンナノチューブ(CNT)は優れた電気・熱伝導性や高い強度、高いアスペクト比をもち、セラミックスとの複合化による導電性の発現や強化剤としての応用が期待されている。しかし、CNTは破壊源となりうる凝集体をつくりやすく、高強度化のためには均一分散が必要である。これまでにビーズミルにより、形状を維持したままCNTを液中に均一分散し、高い強度を有するCNT分散Si
3N
4セラミックスの作製に成功している。しかし、高強度化を達成したもののCNT粒子が導電パスを作らず、従来のボールミルにより作製した同試料よりも導電率が低下した。そこで本研究では、導電パスを効果的に作り導電率の向上を図るために、ビーズミルで均一に液中分散したCNTの凝集制御を界面活性剤を用いて行うことにより、CNTのネットワーク構造を形成することを目的とした。ポリカルボン酸アンモニウムを添加したスラリーでは、ビーズミルにより均一分散したCNTが凝集して、ネットワーク構造を形成している様子が観察された。
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畑尾 裕樹
セッションID: 1P015
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
圧電材料は交流電界を印加し繰り返し使用させると圧電特性が劣化することが報告されている。しかしながら,この電気疲労現象のメカニズムについては未だ十分明らかになっていない。圧電特性は強誘電ドメイン構造に強く依存することから,本研究では,圧電応答顕微鏡を用いて電気疲労されたNb系非鉛圧電セラミックスのドメイン構造を観察し,圧電材料の電気疲労劣化と強誘電ドメイン構造の変化との関連について検討した。
圧電応答顕微鏡観察により,電気疲労によって分極ロスが起こることが確認された。また,疲労回数の増加にともないドメインサイズ及び180°ドメイン壁の割合が増加していた。このような電気疲労にともなうドメイン構造の変化が圧電特性の電気疲労劣化の原因であると考えられる。
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石井 幹基, 中澤 綾香, 河野 慶, 木練 透, 西尾 圭史
セッションID: 1P016
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
近年、多結晶BaTiO
3ナノ粒子を液晶に添加することで、液晶ディスプレイの駆動電圧が低電圧化することが報告されている。この際、BaTiO
3を各種液晶へ安定的に均一分散させることが課題となっている。本研究では、ゾル-ゲル法によって多結晶BaTiO
3ナノ粒子を合成し、シランカップリング剤を用いた二種類の疎水化処理方法を行い、BaTiO
3の液晶に対する相溶性を改善することを試みた。また、それぞれのナノ粒子を二種類の液晶に添加し、各種光学定数(K
11、K
33、γ1など)と電気光学特性(V-T、R-T)を測定し、疎水化処理方法の違いが電気光学特性に及ぼす影響について検討した。
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石井 啓介, 田代 新二郎
セッションID: 1P017
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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1段階溶融塩法による板状NaNbO
3結晶粒を用いて,圧延法によりNb系の配向圧電セラミックスを作製した.BNN5の化学量論比となる混合比の出発原料にNaClを加えた場合,1段階溶融塩法ではBNN5しか得られなかった.そこで,Bi
2O
3の混合比を1/3に減量したところ,四角い板状NaNbO
3単結晶粒子が得られた.この粒子を重量比10%で混ぜたNaNbO
3仮焼粉から粘土状グリーン材を作製し,ローラーを用いて配向処理をおこなった.この焼成体は配向度94%の(100)配向を示した.
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奥田 悠, 小舟 正文, 西岡 洋
セッションID: 1P018
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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Pb(Mn
1/3Nb
2/3)O
3-PbTiO
3-PbZrO
3の固溶体を作製し、圧電特性、強誘電特性、キュリー温度の評価を行った。XRD結果より、固溶体の結晶相はPMnNの増加に伴い正方晶から菱面体晶へ変化した。
d33はPMnN/PT/PZ = 0.085/0.4475/0.4675のとき最大の157 pC/Nを得た。
kpも同組成において最大の34%を示した。
QmはPMnNの増加に伴い明瞭に増加する傾向を示した。0.110/0.440/0.450のとき最大の890に達した。これまでに得られた実験データ(
d33 = 157 pC/N,
Qm = 695,
kp = 34%,
ε33Tε0 = 622,tanδ= 0.521%,
Tc = 353℃)に基づき、至適組成は. PMnN/ PT/PZ = 0.085/0.4475/0.4675と判断される。
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安達 陽平, 木村 健志, 殷 シュウ, 佐藤 次雄
セッションID: 1P019
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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出発物質としてNaOH、KOH、LiOH・H
2O、Nb
2O
5を用いた。230℃、24 hのソルボサーマル反応によって得た白色の前駆体粉末を600℃で5 hか焼することで、目的物質である(1-
x)(Na
0.52,K
0.48)NbO
3-
xLiNbO
3 (
x=0.00-0.07)を得た。得られた物質は粒径約8 μmのプレート状粒子を含む、ペロブスカイト構造の(Na,K)NbO
3の単相であった。また、Li量の増加に伴い圧電定数
d33の増加が観測された。
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高野 祐一, 森 大輔, 稲熊 宜之, 但住 俊明
セッションID: 1P020
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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新規非鉛強誘電体材料であるBi
0.5(Ag
1-xNa
x )
0.50-yTiO
3の合成及び強誘電性や圧電性の測定を行い、Aサイト欠損やAg量が分極反転に及ぼす影響を調べた。試料の合成には約7気圧の酸素圧下で1000ºCで焼成を行いった。強誘電体であるBi
0.5(Ag
0.25Na
0.75 )
0.50TiO
3は欠損が増加すると、自発分極や抗電場が小さい
P-E ヒステリシスループが観測された。Ag量を増加させると
x ≤ 0.65で欠損が増えた時と同様の抗電場の小さい
P-E ヒステリシスループを示した。
x ≤ 0.55では反強誘電体と似た
P-E ヒステリシスループが観測された。これらの事からAサイト欠損やAg量は分極反転の機構を変える働きが有ることが判明した。
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松永 亜裕子, 松尾 拓紀, 北中 祐樹, 野口 祐二, 宮山 勝, 鳥居 周輝, 神山 崇
セッションID: 1P021
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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本研究では、正方晶構造(P4mm)をもつ(B
i0.5K
0.5)TiO
3(BKT)と菱面体晶(R3c)をもつBiFeO
3の固溶体xBKT–(1−x)BFO を研究対象物質とする。BKT–BFO系の結晶構造と基礎物性を明らかにすることを目的として、高分解能中性子回折により結晶構造を解析するとともに、x = 0.32、0.68 単結晶を育成し分極特性を評価した。高圧酸素下での育成によって、リーク電流のキャリアが抑制され、絶縁性の高い結晶が育成できた。分極特性は、x = 0.32 でx = 0.68 の2倍以上の残留分極値を示した。
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保永 賢人, 高倉 洋幸, 晝間 裕二, 永田 肇, 竹中 正
セッションID: 1P022
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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圧電材料はハイパワー用途へ広く応用されている。我々は、(1-x-y)(Bi
0.5Na
0.5)TiO
3-x(Bi
0.5Li
0.5)TiO
3-y(Bi
0.5K
0.5)TiO
3[BNLKT100x-100y; x = 0.04, y = 0.08, BNLKT4-8] が、比較的大きな機械的品質係数
Qmを持つことからハイパワー用圧電材料の候補であることを明らかにしてきた。また、Mnの添加はハード化に有効である。そこで、BNLKT4-8にMnを添加した際、また、Bサイトの一部をMnで置換した際の
Qm等について調査し比較検討を行った。最大
Qmは、添加時に737、置換時に791を示し、最大振動速度は置換時で3.8 m/s、添加時に2.6 m/sを示した。
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西尾 元太, 佐藤 茂樹, 晝間 裕二, 永田 肇, 竹中 正
セッションID: 1P023
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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鉛圧電材料の候補として注目されているKNbO
3[KN]は、単結晶において大きな圧電性を有することが報告されているが、潮解性および難焼結性により作製が困難で、圧電特性の報告例は少ない。本研究では、カリウムの出発原料に吸水性の少ないKHCO
3での作製を試み、K
(1+x)NbO
3(KN-10000x, 10000x = 6, 7.2, 8.5)において33、31、15、p、t モードで圧電特性を明らかにしたので報告する。KN-7.2の31モード圧電特性は電気機械結合係数
k31=0.17、圧電歪み定数
d31=30 pC/N、および機械品質係数
Qm=315であった。 15モード圧電特性は、
k15=0.46、
d15=160 pC/N、
Qm=203であった。これらの値はK
2CO
3を出発原料としたKNセラミックスの圧電諸特性とほぼ同等の値であった。
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和田 賢介, Ural Seyit, Gurdal Erkan, 魚島 凡子, 齋藤 康善, Uchino Kenji
セッションID: 1P024
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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非鉛圧電材料(Na,K)NbO
3 (NKN)に代表されるアルカリニオブ酸系化合物は比較的高い圧電性を示すため、(Pb,Zr)TiO
3 (PZT)の代替候補に挙げられている。圧電材料をハイパワー用デバイスに応用する場合は、大振幅励起下でも高い機械的品質係数(
Qm)を保つ必要があるが、これまでにNKN系材料のハイパワー特性に関する報告は少ない。本報告では、各種元素を添加したNKNセラミックスの一定振動速度下におけるハイパワー特性を検討した。その結果、振動速度増大とともに発熱は加速される一方で、
Qmの低下は徐々に鈍化する傾向を示した。また、共振周波数と反共振周波数で
Qmは同程度を示した。これらは、NKN系材料の特徴であると考えられた。
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伊藤 尚子, 熊田 伸弘, 三浦 章, 米崎 功記, 武井 貴弘, 和田 智志
セッションID: 1P025
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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環境汚染の観点から非鉛圧電体の研究開発が盛んに行なわれている。非鉛圧電体であるアルカリニオブ酸塩の中で(Li
0.12Na
0.88)NbO
3 (以下LNN)に注目し、正方晶系のBaTiO
3(BT)、立方晶系のBaZrO
3(BZ)およびK
0.5Ba
0.5Ti
0.5Nb
0.5O
3(KBTN)との固溶系の合成を行い、その誘電特性を評価したのでその結果について報告する。
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椿 尚之, 三浦 登, 松本 浩永
セッションID: 1P026
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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高い比誘電率をもつ材料であるチタン酸バリウムを使った厚膜誘電体を作製する。
そのチタン酸バリウムのキュリー温度を錫酸バリウムを添加することで室温までシフトさせることで更に高誘電率の厚膜を得る。それを評価した結果は、錫酸バリウムを加えていない厚膜の室温での比誘電率は6500で、加えたものは52000であった。それらを用いた無機EL素子を作製したところ、その発光効率が約3倍向上し、最大発光効率が得られた100 V印加時の輝度も3倍程度増加した。
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平野 聖尭, 小野塚 博暁, 北中 佑樹, 野口 祐二, 宮山 勝
セッションID: 1P027
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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現在用いられている不揮発性メモリ、圧電デバイスの多くは鉛系材料が用いられているが、鉛は人体、環境に有害であることから非鉛系材料の開発が望まれている。(Bi, Na)TiO3 (BNT)をベースとするBi系ペロブスカイト型強誘電体は、大きな自発分極(Ps)を持つことからPZTに替わる非鉛材料として期待されている。菱面体晶R3cのBNTと正方晶P4mmのBaTiO3 (BT)の固溶体(1–x)BNT–xBTのセラミックスにおいて、x = 0.06付近の組成で比較的良好な圧電特性が報告されている。本研究では、R3cとP4mmの組成を持つ二種類のBNT–BT結晶を、高圧酸素下溶液引き上げ法(TSSG法)により育成し、物性を評価した。
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菱川 翔太, 佐藤 栄介, 橋新 剛, 小島 一男, 玉置 純
セッションID: 1P028
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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現在、BaTiO
3系の物質は様々な方法で合成され、特異な電子材料として多く利用されている。近年では、より高結晶化、微粒子化を目指して水熱合成を用いた研究が国内外で行われている。過去の研究からNd-BaTiO
3においてはNd添加量が0.35 mol%でPTC特性が最も良くなる事が分かっている。本研究では、水熱合成時に溶媒として用いるKOH水溶液の濃度がNd-BaTiO
3の格子定数及び電気的特性(PTC特性)に及ぼす影響をXRDパターンから調べた。格子定数はKOH濃度が高いほどa軸が減少しやすい傾向にあることが分かった。
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亀井 遥海, 三井 龍太, 藤井 一郎, 熊田 伸弘, 中島 光一, 和田 智志
セッションID: 1P029S
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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Pb(Zr,Ti)O3 (PZT)セラミックスは優れた圧電材料で, 電子部品に幅広く使用されている. しかし, PZTは鉛を含んでいるため, 環境問題の観点からPZTに代わる高性能な鉛フリー圧電材料の開発が急務となっている. 強誘電体において分極領域(ドメイン)の境の部分であるドメイン壁が高い圧電特性に関わっていることが知られている. このため, ドメイン壁の密度を上昇させることで圧電特性の向上が望める. 本研究では巨視的なドメインを持たないリラクサーとドメインをもつ強誘電体を固溶させることで, 通常のドメインよりサイズの小さい特殊なドメイン(ナノドメイン)を作り出し, 高いドメイン壁密度の向上を試みた. 具体的には非鉛系リラクサ―BaTiO3-Bi(Mg1/2Ti1/2)O3 (BT-BMT)と強誘電体BiFeO3 (BF)を固溶させたBT-BMT-BF固溶体セラミックスの作製し, 圧電特性を調査した.
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菅 章紀, 小川 宏隆
セッションID: 1P030
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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利用周波数の高周波数化により、共振周波数の温度係数(
TCf)が0ppm/℃近傍で低い比誘電率(ε
r)と高い品質係数(
Q・
f)を持つ誘電体材料が求められている。さらに、通信機器の高機能化・小型化に伴い、デバイスの積層化も必要とされる。従って、電極材料の融点より低温で焼成可能で上述のマイクロ波誘電特性を持つ材料が求められる。高Q材料の一つであるMgOにおいて、LiF添加がMgOの焼結の促進に有効であることが報告されているが1)、そのマイクロ波誘電特性は明らかになっていない。そこで本研究では、(1-
x)MgO-
xLiF(
x=0.02~0.08)の合成を行い、そのマイクロ波誘電特性を評価した。さらに、 、(1-
x)MgO-
xLiFの(
TCf)のゼロ温度係数化も検討した。LiFの添加により950℃にてMgOが焼結され、
Q・
f値は75000~225000GHzに及んだ。さらにアニールにより、
Q・
f値は大幅に改善し(
Q・
f=375000GHz)、LiのMg置換によるMgOの酸素欠損の改善が寄与しているものと考えられる。
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Yih-Chien Chen, Kuei-Chien Chen, Chung-Yen Wu
セッションID: 1P031
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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The microwave dielectric properties of Nd(1-2x/3)Srx(Mg0.5Sn0.5)O3 ceramics were examined with a view to their exploitation for mobile communication. The Nd(1-2x/3)Srx(Mg0.5Sn0.5)O3 ceramics were prepared by the conventional solid-state method with various sintering temperatures. The X-ray diffraction peaks of the Nd(1-2x/3)Srx(Mg0.5Sn0.5)O3 ceramics shifted to lower angles as x increased from 0 to 0.05. The X-ray diffraction patterns of the Nd2.94/3Sr0.03(Mg0.5Sn0.5)O3 ceramics revealed no significant variation of phase with sintering temperatures. A density of 6.88 g/cm3, a dielectric constant ( ) of 19.3 and a quality factor (Q f) of 91,200 GHz and a temperature coefficient of resonant frequency of -65 ppm/OC were obtained for Nd2.94/3Sr0.03(Mg0.5Sn0.5)O3 ceramics that were sintered at 1550 OC for 4 h.
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伊豆 典哉, 伊藤 敏雄, 申 ウソク, 天野倉 仁, 深澤 正人
セッションID: 1P032
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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ZnO単成分系のみ検討してきたが、他元素添加については、検討していなかった。そこで、本研究では、Al添加ZnOナノ粒子の作製を試みた。得られた粉体のXRD分析の結果、ウルツ鉱構造のZnOであることが分かった。SEM観察の結果、粒径が約50 nmの球状のナノ粒子であることが分かった。次に、Alの分布を調べるために、STEM観察およびEDX分析を行った。観察した視野には複数の球状粒子が含まれ、それらの粒子にAlが均一に分布していることが分かった。すなわち、Alの偏在等は無いことが確認できた。
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菱田 俊一, ベラン ヤン, 羽田 肇
セッションID: 1P033
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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二酸化スズはガスセンサー素子として広く利用されている。センサー機能の向上のためには、表面反応についてより良く理解することが重要である。そのために我々は、エピタキシャル成長により調製した単結晶様の表面を持つ薄膜を用いることで、表面反応をモデル化することを目指している。本研究では、エピタキシャル成長により作製したSnO2薄膜の抵抗に及ぼす雰囲気の効果について報告する。 (110)表面を持つSnO2では、粒子界面より粒子表面での吸着がセンサー感度を支配すると考えられた。
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シューベルト フランツ, 伊豆 典哉, ハーゲン グンター, モース ラルフ, 申 ウソク
セッションID: 1P034
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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The well-known VWT/ VT material was investigated as resistive type sensing material for SO
2. Self-prepared powders were characterized by XRD, BET and SEM and their response to SO
2 was monitored. For VT powders, increase of V
2O
5 loadings also enhances the sensitivity but increase the response time.
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市瀬 貴啓, 大野 正雄, 小山 司, 森 茂生, 戸川 欣彦
セッションID: 1P035
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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ペロブスカイト型酸化物 RE
2/3-xLi
3xTiO
3 (RE=La, Pr, Nd)は高い
イオン伝導性を有することからリチウムイオン電池の固体電解質と
して注目を集めてきている。その一つとして、Nd
2/3-xLi
3xTiO
3 は
スピノーダル分解を用いた化学的相分離によるナノサイズのダイ
ヤモンド型ドメイン構造や酸素八面体の回転に起因するチェスボ
ード(CB)型ドメイン構造などのナノスケールでの特徴的な幾何学
的パターンを形成する。我々は、熱処理温度、化学組成、
冷却速度などの熱力学的パラメータを制御し、化学相分離と試料
中の歪場制御を利用して、ナノ構造を有するイオン伝導体を作製
し、伝導特性との相関について研究を行ってきている。本研究で
は、Li イオン伝導体 Nd
2/3-xLi
3xTiO
3に着目し、試料作製時の冷却
速度を制御したNd
2/3-xLi
3xTiO
3 (x=0.14)を作製し、透過型電子顕
微鏡法を用いて、その微細構造の成長過程について研究をおこ
なった。
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グロースマン カサリン, バルサン ニコライ, 申 ウソク, 伊藤 敏雄, 伊豆 典哉
セッションID: 1P036
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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ガスセンサ用酸化物半導体材料はn型とp型があり、ガスセンシングのメカニズムを理解するためにこれらの半導体の表面での反応と、それによる電気物性のう変化、即ち、ガス応答特性を同時に調べた。半導体表面での反応はDRIFTS分析を用いて詳細に調べた。
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伊藤 敏雄, 中嶋 隆臣, 伊豆 典哉, 申 ウソク
セッションID: 1P037
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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呼気には代謝や疾患等が由来の多くの揮発性有機化合物(VOC)が含まれる。呼気分析は人体に非侵襲な検査であることから簡便に実施可能なだけでなく、疾患の早期発見が期待される。肺癌の患者の呼気からppbレベルの濃度のノナナール(C8H17CHO)が検出するとの報告があり1)、高感度ノナナール検知センサの開発が求められる。SnO2を母剤とした半導体式センサは、小型で安価なセンサシステムの構成でVOC濃度のリアルタイム検知が可能である。SnO2センサは、VOCの族別に分類すると低感度な族であっても、貴金属触媒の添加で改善が可能であることが報告されており2)、これを元に、Pt, Pd, Auを添加したSnO2によって、数十ppbレベルのノナナールの検知を達成し、H2とノナナールのセンサ応答を評価したところ、ノナナールに優位な感度差があることが認められた3)。本研究では、ノナナールに対する更なる高感度化を図るべく、膜厚と焼成温度条件の最適化を行った。
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塩? 勝也, 藤戸 大徳, 片岡 聡, 新納 薫, 村井 啓一郎, 森賀 俊広
セッションID: 1P038
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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ペロブスカイト型酸窒化物LaTiO2Nは、無毒な元素のみを用いた無機顔料として注目されている。酸窒化物は価電子帯のO2p軌道の上にN2p軌道が位置しているため、LaTiO2Nでは窒素含有量を増加させることで光学バンドギャップが可視光領域で減少し、青色から橙色までの色調を制御することが可能である。しかし、色の三原色である赤色試料の合成にはまだ成功していない。そこで、Ti4+をTa5+と置換することで電荷補償のためより窒素量の多い試料の合成が可能であると考えた。さらに、La3+の一部をよりイオン半径の大きいBa2+で置換することで、結晶系が単斜晶や斜方晶から立方晶に近づくことが予想される。これによりBサイトカチオン‐アニオン‐Bサイトカチオンの結合角が180°に近づき、Bサイトカチオンとアニオン原子間の共有結合性が増加することでバンドギャップが収縮すると考えられる。そこでBaドープ量を変化させた(La,Ba)Ta(O,N)3の合成を行った。またFlux法を用い、Fluxが組成および粒子径に及ぼす影響も調査した。
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小林 康二, 北村 尚斗, 井手本 康
セッションID: 1P039
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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現在見つかっている高温超伝導物質の多くは構成元素として銅が含まれている。当研究室では非銅系超伝導酸化物の探索として、これまでにNbが4価であるSr-Nb-O系113相酸化物、214相酸化物、327相酸化物について探索を行ってきたが、超伝導の発現には至らなかった。また、結晶構造について不明な点が多く、組成と導電特性の関係は明らかにならなかった。そこで本研究では、SrとNbの組成比を0.8:1から2:1まで変化させることで組成による構造の変化について検討した。また、SrサイトへのLa置換の影響についても検討した。これらにより、組成、結晶構造、導電率の関係を考察した。
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橋本 遊, 長浜 太郎, 島田 敏宏
セッションID: 1P040
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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フレキシブル基板上に薄膜半導体や金属から成る素子を作製して曲げられる電子回路を作ることができれば、さまざまな応用が開かれると予想される。我々は、キャリヤ移動度が高く大気中でも動作する無機半導体を印刷で作る方法を探っている。本研究では粒界抵抗を下げる一つの試みとして、無機半導体微粒子に部分的に金属の無電解めっきを施し、圧着により接続する方法を考え、さまざまな無機半導体に銀の無電解めっきを行い、物質依存性を実験的に調べた。銀の析出挙動は光学顕微鏡により観察し、試料をFE-SEM、EDS、XPS、AESにより解析した。さらに、電気二重層トランジスタ構造を作製してデバイス特性を調べた。SEM像から、表面のステップの端部に銀の微粒子が選択的に生成していることが分かった。類似の現象は他の物質でも見られた。
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大津 和也, 鈴木 真也, 宮山 勝
セッションID: 1P041
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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層状構造を有するイオン伝導体薄膜は、一般的に厚さ方向のイオン伝導性が非常に低いが、ナノシート積層体が有する積層欠陥を利用することで厚さ方向のイオン伝導性の向上が期待できる。本研究では、ナノシート積層薄膜の厚さ方向にイオン伝導性を発現させる微細構造制御指針を得るため、電気泳動法で得られるナノシート積層薄膜のイオン伝導特性の評価を行った。ナノシートには、層剥離が容易で、高いNaイオン導電率が報告されているモンモリロナイトを用いた。交流インピーダンス測定から求めた厚さ方向のイオン導電率は10
-9 S cm
-1オーダーとなった。小さいナノシートから得た積層薄膜で比較的高いイオン導電率が得られたことから、配向性の制御で導電率が向上する可能性を見出した。
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伊藤 拓, 竹内 信行, 小林 久芳
セッションID: 1P042
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
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本研究では、還元加熱-酸化冷却の焼成プロセスを用いることでPTCR 半導体の低抵抗化を試みた。水熱合成BaTiO3粉末(平均粒子径0.3 μm)に,Gd(NO3)3・5H2Oを2mol% ,Mn(NO3)2を0~0.07mol%,(C2H5O)4Siを1mol%添加し,湿式混合,乾燥後,一軸加圧成形体を0.1%H2-Ar中または空気中で 1350 ℃および1380℃まで加熱し、2 h保持した後に、空気中で冷却を行った。0.1%H2-Ar 中加熱試料は空気中加熱試料に比べて低抵抗となった。また0.1%H2-Ar 中加熱試料は、Mn 添加量が増加しても室温比抵抗がほとんど増加せず、低抵抗が維持された。PTCR ジャンプの桁数は、すべての試料においてMn 添加量の増加に伴い増大した。
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古川 正晃, 竹内 信行, 小林 久芳
セッションID: 1P043
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
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本研究では、水熱合成粉末から作製したチタン酸バリウムの電気特性に及ぼす焼成温度とドナー添加量の影響を調べた。水熱合成BaTiO3原料(平均粒子径 0.1 μm )に, Gd(NO3)・5H2O を0.1~0.4mol%, Mn(NO3)2を0.05mol%, (C2H5O)4Siを1mol%添加し,湿式混合,乾燥後,一軸加圧成形し,1250~1300 ℃で2 h,空気中で焼成した。Gd0.1mol%添加試料は半導体化しなかったが、Gd0.2~0.4mol%添加試料の場合、すべて半導体化して2桁以上のPTCRジャンプを発現した。また、Gd添加量が0.2から0.4mol%へと増加するにつれて室温比抵抗が増加する傾向が見られた。これは、ドナー量の増加に伴って、陽イオン欠陥が生じたためと考えられる。
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