日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
Print ISSN : 0029-0610
58 巻, 5 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1987 年 58 巻 5 号 p. Cover1-
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1987 年 58 巻 5 号 p. Cover2-
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 58 巻 5 号 p. App1-
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 忠雄, 渡辺 慶一, 高橋 文次郎
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 509-516
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    非腐植質の火山灰土壌下層土の床土利用に当たってカリウム施用量と堆肥量が温室メロンの生育と果実の肥大, 品質に及ぼす影響について検討した. 1) 堆肥少量区 (株当たり0.5kg) は多量区 (同じく2.0kg) に比べて生育は全般的に劣る傾向を示したが, いずれもカリウムの施用量による差はなく生育は良好であった. 2) 果実の重量と外観は堆肥少量区より多量区のほうが勝り, カリウムの施用量を増すにつれて果重は増大し, 外観も良好となった. 3) 果実の糖度,糖含有率 (sucrose,glucose,fructose) は堆肥少量区のほうが多量区よりもやや高く, 堆肥の両処理区ともカリウム10〜20g区が適量であった. 4) 果汁中のクエン酸含量は堆肥少量区に比べて多量区が高く, カリウム施用量を増すにつれてクエン酸含量は増加した. 5) 果実の水溶性ペクチンの含量は堆肥少量区に比べて多量区のほうが高かった. カリウムの施用量10gまで増すにつれてペクチン含量が増加し, これ以上施用量が多くなると減少した. 6) 果実の食味は堆肥量の多少による差はなく, カリウム10, 20g区が良好であった. 7) 植物体のカリウム含有率は堆肥少量より多量区のほうが高く, カリウムの施用量を増すにつれて含有率は高まった. カルシウム含有率はカリウムの施用量を増すにつれて低下した. 以上の結果から火山灰土壌下層土の床土利用に当たっては, カリウムの施用量は堆肥の多少にかかわらず, 10〜20gが適量であることが認められた. カリウムの多用は必ずしも果実の品質を高めなかった.
  • 蒲田 昌治, 甲斐 秀昭, 河口 定生, 河内 埜一之
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 517-527
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    除草剤施用による水田作土の微生物的窒素固定能, およびそれに関与する遊離窒素固定微生物相の変動について水稲の全耕作期間にわたり詳細に調査した. 1) 作土表層のアセチレン還元能は, 全般的にみて耕起前に高く, それ以降湛水直後まで著しく低下した. その後, 水稲の生育にしたがって増大し, 出穂・開花期にピークに達したが, 落水後の登熟期には再び低下した. 2) 各処理区間のアセチレン還元能を比較すると, 全期間を通して対照区が最も高く, ついでパラコート区で, クロメトキシニル区およびベンチオカーブ区は, 明所好気, 同嫌気, 暗所好気, 同嫌気のいずれの条件下でも概して低く推移した. 3) 除草剤処理の前後における作土表層のアセチレン還元能においても, 上記の各条件下で処理区間に差異が認められた. すなわち, パラコートよりもクロメトキシニルおよびベンチオカーブ処理による影響が著しく, その程度は暗所条件下よりも明所条件下で大きかった. 4) 窒素固定微生物相の時期別変動を調査した結果, Azotobacter属またはBeijerinckia属菌数は耕起前に高く, 湛水により減少し, 出穂期に増加したが, 落水後の登熟期に再び減少した. Clostridium属菌数は湛水によりかなり増加し, その後各除草剤区で減少したが, 出穂期には各処理区とも菌数の回復または増加がみられ, 落水により再び減少した. いずれの菌数とも, 除草剤区が対照区よりもやや低く推移した. 5) ラン藻数は, 湛水後の水稲の生育に伴って増加した. とくに, 対照区の菌数は分けつの最盛期から出穂期にかけて著しく増加した. 一方, 光合成細菌数は湛水により急激に増加し, その後出穂期から登熟期にかけてかなり減少した. 各菌数は全期間を通して対照区で多く, 除草剤区で低く推移した.また,これらの菌の薬剤負荷に対する直接的応答は, とくに湛水期間中のクロメトキシニル区およびベンチオカーブ区で菌数が少ない傾向を示した. 6) 各処理区における明所好気, 明所嫌気, 暗所好気, および暗所嫌気の各条件下でのアセチレン還元能は, 全般的にみてそれぞれラン藻数, 光合成細菌数, Azotobacter属またはBeijerinckia属菌数, およびClostridium属菌数との間に明らかな対応関係のあることが確認された. 7) 水稲の全耕作期間中の調査で得られた作土表層のアセチレン還元能から, 水田作土層における推定窒素固定量を試算したところ, 対照区が最も多く, ついでパラコート区で, クロメトキシニル区およびベンチオカーブ区はいずれも対照区の1/2以下でかなり低かった.8)以上の水田の作土の表層土壌におけるアセチレン還元能の変動は, 各種窒素固定微生物の除草剤に対する応答の差異によるところが大きいが, そのほかに, 水稲生育に伴う土壌環境の変化などの間接的要因も絡み合った結果と考えられた.
  • 遅沢 省子, 久保田 徹
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 528-535
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    土壌のガス拡散を研究するために, 非定常のガス拡散測定装置を試作し, ガラス管, ガラスビーズ, 風乾篩別作土 (粗砂, 黒ボク土, 灰色低地土) を試料に用い, 理論と実験結果の適合性を調べた. 大気中のO_2が試料を通してN_2ガス置換の容器中へ拡散する際の容器中O_2濃度変化から, 拡散係数Dを算出した. O_2濃度は, O_2濃度と直接関係にある出力を待つガルバニ電池式O_2センサーで測定した. 装置は非定常状態の相互拡散の解析解を得るための条件を満たすように十分簡単に作られた. 拡散係数の算出式について, (1) 土壌試料中の拡散ガスの貯留を考慮しない式と, (2) 考慮する式 (CURRIEの式) の適用性を検討した結果, (1)の式の場合安定した拡散係数Dが得られず, 平均数%の誤差となることがわかった. (2)の式では装置のスライド操作による影響は完全には避けられないものの, 安定なD値が得られた. 測定開始数分後と約30分後の拡散容器内O_2濃度出力の読みと装置外大気のO_2濃度出力の読みと, 試料気相率, 試料長, 拡散容器長, 時間がわかれば, 簡略化された解析解 ((11)式) により拡散係数Dを計算できる. Dは(12)式により温度補正, できれば圧力補正も行い, ガスの種類に依存しないと考えられる大気拡散係数D_0との比D/D_0値で表示するほうが便利である. (11)式中のα_1計算には, 手軽な表あるいはコンピュータの使用も容易である. 屈曲度1の気相を持つガラス管を試料として測定した結果, Dは気相率に比例し, 実測された大気拡散係数D_0値は物性値と一致した. 試料長, 容器長を変化させても一定の測定値が得られたことにより, 装置と適用式の妥当性を実証した. 土壌試料の呼吸, 試料からの水分蒸発, 湿度, 風のDに及ぼす影響を検討した結果, それらは小さかった. 出力とO_2濃度の間に直線性の成り立つセンサーを用いたことにより, O_2濃度検量線作成, 出力からO_2濃度への換算が不要となり, 拡散係数算出が簡便になった. 測定時間は30分で十分だった.
  • 大村 裕顕, 佐藤 文政, 佐々木 功, 栃木 博美, 室井 栄一
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 536-541
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    火山灰のハウスおよび水田土壌のL-アスパラギナーゼ活性と収量等との関係について実験を行って次の結果をえた. 1) トマト栽培のハウス土壌のL-アスパラギナーゼ活性は, 水田土壌と比べて高く, 活性の平均値はそれぞれ乾土1gあたり30℃で24.4および5.7mUであった. 2) 土壌の全炭素, 可給態窒素, 作物の窒素吸収量とL-アスパラギナーゼ活性との間には, 高い相関関係が認められた. 酵素活性は, 有機物施用の影響を強く受けて土壌中の易分解性の炭素量に規制されることが推定された. 3) 収量とL-アスパラギナーゼ活性とは, ハウストマト栽培でも水稲栽培でも5%水準で相関関係か認められた (それぞれr:0.824, 0.752). 4) 土壌のL-アスパラギナーゼ活性は, 条件のまったく異なるハウス土壌および津遺伝土壌においても, 土壌中の有機態窒素プールから無機態窒素を作物へ供給する際に関与して, 収量に影響することが推察できた.
  • 小山 正忠
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 541-
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 有馬 泰紘
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 542-548
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    ^<15>N標識硫酸アンモニウムを施用量を違えてバーミキュライトに施し, 根粒菌を接種してダイズを栽培した. ダイズの生育, 施用窒素の呼吸・分布, 根粒窒素固定能の発達等を発芽後34日目まで経時的に調べて次の結果を得た. 1. 施用窒素は初期より吸収され, 種子養分の転流・利用を促進し, 特に葉の生長を促進した. 2. 種子養分の消耗後, 植物体各器官のN含有率は急激に低下したが, 施用窒素の吸収によってその低下の程度は小さくなった. 3. 発芽14日目以降, 窒素無施用植物では根粒の窒素固定作用により, N含有率は低下から上昇に転じたが, 窒素施用量の多いものほどその転換は遅れ, 34日目には, 窒素施用量の多い植物ほどN含有率が低くなった. 4. 可視根粒数は, 窒素施用によって当初著しく減少したが, その後, その差は小さくなった. 個体あたり根粒重は, 実験期間中一貫して窒素施用植物で小さかった. 5. 根粒重あたりアセチレン還元活性は, 14日目では窒素無施用植物のほうが著しく高かったが, 施用窒素の1/3がポットに残存する34日目には窒素施用量の最も多いものが最も高くなり, 実験後期の根粒重あたり窒素固定量もN施用量の多いものほど多かった. 以上の結果から, 培地中に化合態窒素がかなり残存する条件のもとでも, 根粒の窒素固定活性は高い場合があり, それは, 根粒への光合成産物供給の豊富さによるものであろうと推定された.
  • 加藤 秀正, 岡 紀邦, 藤沢 徹
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 549-555
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 菅家 文左衛門
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 556-560
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    ワックスマン分画を土壌中の糖類の分析に応用することを目的に, 有機溶媒の影響, 各画分の糖組成, 分画終了後の土壌中の糖類の量, 各画分に適用する分析法の選択について検討した. 結果は次のとおりである. 1) 有機溶媒処理は必要がない. 2) 各画分の内容は, WAKSMANが述べているものとおおむね一致し, 塩酸加水分解画分は, ヘミセルロース, 硫酸加水分解画分は, セルロースを主体にしていると推定された. 3) 分画終了後の土壌中の糖量は無視できる. 4) 定量法は,各画分の還元糖割合が低いので, 全糖の定量法が望ましく, また, ペントースとヘキソースの分別定量が望ましいと考えられる.
  • 野中 昌法, 吉田 冨男
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 561-565
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    本研究はわが国の淡色黒ボク土由来の土着VA菌根菌 (Glomus属, Gigaspora属) の菌糸の生長, 根への感染, 胞子の形成を含めたVA菌根菌の増殖に及ぼす各種リン酸塩の影響をポットおよびin vitroにおいて調べた. その結果を要約すると以下のとおりである. 1) ポット集積培養によるVA菌根菌の根への感染とそれに伴う胞子形成はリン含量, とくに可給態リン含量が高まると低下した. 2) わが国の淡色黒ボク土由来のVA菌根菌の根への感染とそれに伴う胞子形成を低下させる可給態リン含量は10〜30mgP/kgであった. 3) in vitroにおいて, リン酸第1カリウムはVA菌根菌胞子の発芽に対して影響を与えないが, リン酸第1カリウム濃度が高まるに伴い菌糸の生長を抑制した. 4) リン酸第1アルミニウムはGlomus属, G.gregaritaの菌糸の生長を抑制した. リン酸第2鉄はGlomus属, G.gregaritaの菌糸の生長を抑制するが, G.gregaritaの発芽率と菌糸の生長を高めた.
  • 松中 照夫
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 566-572
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    チモシー単播草地を供試し, 前年秋のN施肥時期および前年秋と早春のN施肥量, 施肥配分が, 1番草収量に及ぼす影響を検討した. 得られた結果は, 以下のとおりである. 1) 前年秋のN施肥時期の相違は, 1番草収量にほとんど影響を及ぼさなかった. 2) 前年秋と早春の合計N施肥量が多いほど, 1番草刈取り時の全茎数, 有穂茎数および1茎重はいずれも増加し, 1番草収量も増加した. 3) しかし前年秋N施肥後, チモシー地上部に含有されたN量は越冬期間中に著しく減少し, 越冬後の土壌中に残存したN量も少なかった. この結果は, 前年の秋施肥に由来し, チモシーがその1番草において利用可能なN量が, 越冬期間中に減少することを示唆している. 4) このため,前年秋に施肥されたNは春早くに枯渇し, その後のチモシーの生育やN吸収は, 早春のN施肥量に強く影響された. その結果, 1番草収量は早春のN施肥量が多いほど増加した. 5) 以上の結果から, チモシーの1番草収量は, 施肥Nを前年秋と早春に分施するより, むしろ早春の萌芽期に全量施肥するほうがより増加すると指摘できる.
  • 松中 照夫
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 573-577
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    チモシー単播草地を供試し, 早春と1番草刈取り後のN施肥量がチモシーの2番草収量に及ぼす影響を検討した. 得られた結果は, 以下のとおりである. 1) 早春のN施肥量が多いほど, 1番草刈取り時における茎基部の乾物重やN含有量およびTAC含有量が増加した. 2) しかし, 1番草刈取り後にNが8kg/10a施肥されると, 早春のN施肥量の差異は, チモシー2番草収量にほとんど影響を及ぼさなかった. 3) 2番草刈取り時における全茎数は, 早春および1番草刈取り後のN施肥量によって変化したが, 2番草収量と全茎数との間には有意な相関が認められなかった. これは, 2番草において茎数が十分確保されているためと考えられた. 4) 1番草刈取り後のN施肥量の増加は, チモシーのN呼吸を旺盛にして, 1茎重を増加させ増収をもたらした. 5) 以上の結果から, 早春のN多肥は必ずしも2番草収量の増加に結びつかず, むしろ1番草刈取り後に十分量のNを施肥するほうが, 2番草収量の増収に寄与すると考えられた.
  • 小山 雄生, 須藤 まどか
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 578-585
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    ICP発光分光分析法により各種成分元素含有量が明らかな標準分析試料を用いて多元素同時定量を行い分析値の信頼性を検討してみたとろ, Cu, Mn, Zn, Mg, P, Caの各元素では保証値 (参考値) との差が±10%以内のほぼ満足すべき結果が得られた. これに対し, Se, Cd, Co, Crなどの微量元素ではかなり大きな誤差を生じた. そこで, 標準添加法, 回収率試験, 原子吸光分析との比較, 共存元素の影響の検討などによりさらに詳細に検討してみた結果, 直接的な発光線の重なりによる分光干渉はZnとCuの場合を除き, それ程大きな問題とはならないが, 試料中に含まれる主成分元素によるバックグラウンド発光の影響は, 存在量の少ない微量元素を測定する場合では大きな妨害となることがわかった. したがって, 今後はこのような主成分元素による干渉を補正する方法についてさらに検討する必要がある. また, ICP発光分光分析法の優れた分析能力を生かすうえで必要となる試料の迅速簡便な溶液化の方法ならびに液体試料の直接分析方法について検討したところ, テフロン製密閉容器がきわめて有用であることがわかった. また土壌の0.1NCl抽出液や血漿などの液体試料では直接分析ができることを明らかにした. ICP発光分析法の農業研究試料への応用についてはまだ緒についたばかりであり, これまでに指摘したようになお多くの解決すべき問題点が残されている. しかし, 多元素同時定量がかなり高感度でしかも能率よく行える点では,画期的な分析法と考えられた.
  • 水野 直治
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 586-590
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    北海道で栽培されている水稲6品種を用いて米粒の登熟, 割籾の発生と籾殻中のケイ酸との関係を検討し, 次のような結果が得られた. 1) 籾殻重の増大は出穂後20日目頃の中間ですでにほぼ最大値に到達し, その後はケイ酸の蓄積分のみ上積みされた. 2) 籾殻中のケイ酸含量は成熟期まで継続して増加し, 米粒の肥大は籾殻中ケイ酸含有率と高い正の相関関係にあった. 3) 籾殻中のリン酸含有率は登熟に伴って急激に減少し, 出穂後20日目ですでに最低値に達した. 同じく窒素含有率もリン酸と同様の傾向を示したが, 20日目以降にもわずかに減少した. 出穂後20日目の籾殻中窒素含有率は米粒千粒重と高い負の相関関係を示した. 4) 成熟期における割籾殻重は正常な登熟籾殻重に比較して軽い 小さい) にもかかわらず, 玄米千粒重は正常籾のそれとほぼ等しいか, またはわずかに低い値を示しただけであった. 5) 割籾の発生しやすい品種の籾殻はそうでない品種に比較して軽いにもかかわらず, ケイ酸含有率は逆に高い傾向を示した. 6) ケイ酸カルシウムとケイ酸カリウムの幼穂形成期追肥 (30kg/10a) は籾殻中のケイ酸含有率を高め, 割籾歩合を著しく高めた. 7) ケイ酸資材の施用によって, 茎葉中のケイ酸含有率の増大時期が早まり, 同時に籾殻のケイ酸含有率も早いうちに高められるため, 籾殻が完全な大きさに達しないうちに小さく決定されるとの結論に達した.
  • 山内 益夫, 前田 吉広, 長井 武雄
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 591-594
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    イネ40品種を3回に分け, 0, 80, 120mMの塩化ナトリウムを含む養液で栽培し, 耐塩性の品種間差とNaの吸収・移行特性の関連を調べた. 1.80mM以上のNaCl添加処理で, 地上部のNa含有率と地上部相対生長量 (対照区の生育量に対する指数) の間に高い負の相関関係を認めた. 2. 地上部のNA含有率はNa移行率とは正の, Na排除能とは負の相関関係を示した. 3. 根の相対生長量と根のNa含有率の間には有意な相関関係は認められず, 根の生育は地上部の生育に強く影響された. 4. 耐塩性の指標として, 地上部Na含有率はCl含有率より適していると思われた.
  • 菅家 文左衛門
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 595-596
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 菅家 文左衛門
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 597-599
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 中井 信
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 600-601
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 真鍋 久
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 602-605
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 林 浩昭, 大山 卓爾, 計良 高子, 五十嵐 太郎, 茅野 充男
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 606-608
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 敦, 高橋 正
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 609-611
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 吉川 義一, 吉田 徹志
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 612-615
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 六本木 和夫, 秋本 俊夫, 鈴木 清司
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 616-618
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 岡山 清司
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 619-621
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • J.M. BREMNER
    原稿種別: 本文
    1987 年 58 巻 5 号 p. 622-628
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 58 巻 5 号 p. 629-632
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1987 年 58 巻 5 号 p. App2-
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1987 年 58 巻 5 号 p. Cover3-
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1987 年 58 巻 5 号 p. Cover4-
    発行日: 1987/10/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
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