日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
Print ISSN : 0029-0610
93 巻, 6 号
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報文
  • 岡田 佳菜子, 倉内 瑠也, 影山 新羅, 志賀 弘行
    2022 年 93 巻 6 号 p. 375-383
    発行日: 2022/12/05
    公開日: 2022/12/22
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    本試験は北空知地域の水稲直播圃場を対象として,携帯型センサーと衛星画像による2種類の光学センサーを用いて計測したNDVI値と水稲生育の関係を明らかにし,さらにセンサーごとに得たNDVI値を使用して窒素吸収量の推定を行い,推定精度を評価した.両センサーで測定したNDVI値(x)と窒素吸収量(y)の関係は,ともに年次および播種様式に関わらず指数関数式で示すことができ,携帯型センサーではR2は0.88,RMSEは15.4 kg ha−1であったのに対して,衛星画像ではR2は0.68,RMSEは24.9 kg ha−1となり,携帯型センサーから求めた回帰式は窒素吸収量の予測式として精度が高かった.携帯型センサーNDVI値と窒素吸収量の関係において,NDVI値はある程度まで高くなると飽和し,NDVI値に対する窒素吸収量の増加が著しく大きくなった.そこで,回帰式に含めるNDVI値の範囲に上限を設け,R2が最大となった時(NDVI=0.76以下)の回帰式を採用したところ,RMSEは12.3 kg ha−1となり,窒素吸収量の予測精度は向上した.携帯型センサーによる窒素吸収量推定値は,草丈×茎数×葉色値から推定した窒素吸収量の推定値(R2=0.92, RMSE 12.7 kg ha−1)と比べ多少精度は劣るが,携帯型センサーによる窒素吸収量推定法は複数の圃場で簡易に調査できることが明らかとなった.

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国際連携による土壌肥料研究の広がりと現地課題への挑戦
現地,空,宇宙から~土壌物理性の簡易診断技術の最前線~
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