フロンティアデータベースを利用して, 四国から南海トラフの既存の地磁気データから磁気異常源の位置を推定した.四国陸上で見い出される顕著な磁気ダイポール異常の内, 東赤石山近傍での磁気異常は, 表層から深部6kmに存在するエクロジャイト, 超塩基性岩類の分布形状で説明ができる.また, 黒瀬川構造帯近傍での磁気異常は, 表層地質のみでは説明がつかず, 20km程度のかなり深部までの一連の岩体を考慮するべきであることがわかった.さらにこの磁気異常地点は, 地震の低活動域, 高電気伝導度異常の位置と一致する.磁化物体として推定される4km四方, 20km長の柱状の岩体は, 沈み込む海山の影響により生成されたと考えられ, 表層の岩体から深部まで一体化した蛇紋岩帯が存在することを示唆する.
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