【目的】本研究は,腰痛予防教室に参加した地域在住女性高齢者の身体的および精神心理的特徴を明らかにするため,慢性腰痛に影響を及ぼす因子について検討することを目的とした。【対象と方法】対象は,腰痛予防教室に参加した地域在住女性高齢者71名とし,腰痛既往群(13名)と腰痛群(58名)の2群に分類し,痛みの有無を目的変数とした多重ロジスティック回帰分析を用いて,慢性腰痛に影響を及ぼす因子を抽出した。【結果】多重ロジスティック回帰分析の結果,痛みの有無に影響を及ぼす因子は,恐怖回避思考と破局的思考であった。破局的思考を下位項目である反芻,無力感,拡大視に分類した多重ロジスティック回帰分析の結果,恐怖回避思考と反芻が有意な関連因子として抽出された。
【結論】特異的腰痛が多いとされる地域在住女性高齢者の腰痛と心理的因子との関連が明らかになり,とくに恐怖回避思考や破局的思考への対応が必要であることが示唆された。
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