新合成抗真菌剤 Econazole (1-〔2, 4-dichloro-β-(pchlorobenzyloxy)-phenethyl〕imidazole nitrate) の抗菌スペクトルはきわめて広く, 皮膚糸状菌 (MIC:≦0.01~1.25μg/ml),
C. albicans (0.08~10μg/ml), その他の
Candida 属菌種 (0.16~20μg/ml),
Candida 属以外の酵母および酵母様真菌 (0.01~2.5μg/ml), 黒色糸状菌 (0.16~10μg/ml),
Aspergillus 属菌種 (0.16~0.63μg/ml),
Penicillium 属菌種 (0.16~0.63μg/ml), 二相性真菌 (0.01~5μg/ml), 放線菌 (0.31~5μg/ml), グラム陽性の好気性細菌 (0.63~10μg/ml) および嫌気性細菌(0.16~5μg/ml) に対して強い抗菌活性を有している. 実験に用いた17属37種161株の真菌のうち, Sabouraud's glucose agar, およびBacto-Yeast Morphology Agar における MIC は, それぞれ全体の83%, 91%が5μg/ml以下であつた. グラム陽性の好気性, 嫌気性細菌および放線菌10属24種45株のうち, MIC が5μg/mlをこえたものは
Staphylococcus aureus の1株だけであつた. しかし, グラム陰性の好気性および嫌気性細菌11属17種28株のうち,
Bateroides 属の4種13株で MIC が≦0.08~40μg/mlと比較的低かつただけで,他の菌株は80μg/mlの高濃度でも完全に発育を阻止することができなかつた.
判定までの培養期間の延長によつて被検真菌および細菌に対する MIC は上昇するが, その程度は軽微である.
液体希釈法による皮膚糸状菌に対する抗菌活性の測定で本薬剤の殺菌効果の高いことが確かめられた.
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