著者らは畜舎ならびに畜舎の近傍の土壌内に好ケラチン性真菌-
Microsporum gypseumおよび
Keratinomycesajelloi-が高率に存在していることを既に報告した.更にこの両種の好ケラチン性真菌がsoil cultureにおいて各種動物の蹄・鈎切削片のケラチンを侵して発育することを認めたので, 生きた動物の蹄・鈎に附着している土壌内にも特に好ケラチン性真菌が存在するのではないかとの疑問を抱き, 今回はこれらの土壊についてVanbre-useghemのhair-baiting techniqueの変法により, 好ケラチン性真菌の調査を行った.
この調査中, 茨城県下某牧場に飼養している1頭の馬の蹄から採取した土壌から
Microsporum cookei Ajello, 1959の1株を分離し得た.本報告においては主として本分離菌株の形態学的特徴について記載した.なお我国における本菌の分離はこれまで報告されたことがない.
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