骨髄性白血病に合併したアスペルギルス肺炎の2例に Amphotericin B の内服療法を試みた. 使用量はそれぞれ26g, 191gで, 結局は2例とも死亡したが, ほぼ次のような結論をえた.
(1) 本治療法が有効と判定された根拠は, 発病後死亡までの期間の延長, 解熱効果, 胸部X線像の改善, 肺病巣よりの逆培養陰性, 病理組織学的に肺病巣の結節化または線維化の傾向などである.
(2) 副作用としては, 胃腸障害, 発熱, BUN上昇, 肝機能障害, 血液生化学的所見の変化などはまず認められなかつた.
(3) 1日2gの内服では, 薬剤の血中濃度は約0.5~0.8mcg/mlであつた.
本治療法は症例によつてはかなり有望と思われるが, こんご更に検討したい.
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