真菌と真菌症
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10 巻, 3 号
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  • 土屋 毅
    1969 年 10 巻 3 号 p. 179-190_1
    発行日: 1969/11/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    われわれは Candida を始めとする多数酵母の抗原分析を行つて, それぞれの抗原構造を示し, 且それらの類縁関係も明らかにして, 各種酵母の taxonomic position に関する新分類体系を提案した. ひきつづき近年特にめぎましい進歩を遂げた免疫化学的研究に則つて実験を行い, Candida の抗体の特異性はIgG分画に高く, またかかる特異性の高い抗体の産生は, 細胞の表層に存する mannan の soluble polysaccharide の免疫によつて可能であることを示した. さらに C. albicans の血清型につき核磁気共鳴スペクトルで分析検討し, また Candida 診断用因子抗体の改良や螢光因子抗体の作製法を示し, なお新考案の鑑別培地と因子抗体の実地応用に関する成績を述べた. 最後に Candida に対する即時型皮内反応抗原による過敏性に関する問題に触れた.
  • 宮崎 寛明, 黒田 和夫, 浜田 純一
    1969 年 10 巻 3 号 p. 191-194_1
    発行日: 1969/11/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    シッカニンは石橋により Helminthosporium siccans Drechsler培養濾液より分離された抗生物質で, 特に白癬病原真菌に強い抗真菌作用を有する.
    吾々の得た成績では試験管内抗菌価は猩紅色菌, 趾間菌, 星芒状菌につき0.39mcg/ml, 動物実験白癬に対する0.1%シッカニンメタノール液の効果は, 動物治癒率10/10であつた. 然し内服治療実験では認むべき効果は得られなかつた. 臨床実験では頑癬42例, 汗疱状白癬46例に対し, 1%シッカニンチンキ及び軟膏を試用し, 74例に有効, 6例に局所刺激を見た.
  • 外松 茂太郎, 上田 恵一, 藤原 武, 松木 正義
    1969 年 10 巻 3 号 p. 195-198_1
    発行日: 1969/11/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    京都市内で発症した51才, 家婦. 2年来腰痛のため合成副腎皮質ホルモンを内服していた. 右手背, 前腕, 上腕に豌豆大までの結節が数箇みられたリンパ管型である. Sporotrichin 反応陽性, 膿汁・組織片の培養により Sporotrichum schenckii を同定. PAS染色により組織内游離胞子をみとめた. ヨードカリ内服有効. サブロー・ブドウ糖寒天培地に本菌を培養し, 菌糸および小分生子の所見を電子顕微鏡的に観察した. 菌糸と小分生子は隔膜をへだてて接し菌糸の細胞質基質から隔膜まで電子密度が高い線状の突起物がみられた. また本培地にヨードカリを添加した場合, 小分生子よりも菌糸細胞質の影響がより著明で, 細胞質基質は不均一, 粗なものが多く, 隔壁をへだてて細胞質基質の異なつた菌糸が相接し, とくに菌子・胞子いずれも胞体内空胞に電子密度が高い小顆粒がみとめられた.
  • アスペルギルス肺炎の2治験例の報告
    池本 秀雄, 森 健, 加納 達二, 植村 嘉之, 有輪 六朗, 鎌野 俊紀, 長井 辰男
    1969 年 10 巻 3 号 p. 199-208_1
    発行日: 1969/11/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    骨髄性白血病に合併したアスペルギルス肺炎の2例に Amphotericin B の内服療法を試みた. 使用量はそれぞれ26g, 191gで, 結局は2例とも死亡したが, ほぼ次のような結論をえた.
    (1) 本治療法が有効と判定された根拠は, 発病後死亡までの期間の延長, 解熱効果, 胸部X線像の改善, 肺病巣よりの逆培養陰性, 病理組織学的に肺病巣の結節化または線維化の傾向などである.
    (2) 副作用としては, 胃腸障害, 発熱, BUN上昇, 肝機能障害, 血液生化学的所見の変化などはまず認められなかつた.
    (3) 1日2gの内服では, 薬剤の血中濃度は約0.5~0.8mcg/mlであつた.
    本治療法は症例によつてはかなり有望と思われるが, こんご更に検討したい.
  • 1969 年 10 巻 3 号 p. 209-242
    発行日: 1969/11/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
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