感受性
Candida albicans 菌株を用いて, 5-fluorocytosine (5-FC) の抗真菌作用機作について, とくにヌクレオシドおよび核酸代謝に及ぼす影響を中心に検討を行なつた.
5-FCを本菌の対数培養へ加えた場合, 最小発育阻止濃度の4倍以上の濃度で24時間以内に95%以上の殺菌効果を示した. 5-FC処理細胞においてはRNA>DNA>蛋白の順に含量低下が認められた. 5-FCは培地に加えた
3H-アデニンのDNAおよびRNAへの取り込みを強く阻害した. 反応初期では前者の阻害が強く, 時間とともに後者の阻害度が上昇した. また, 5-FC存在下で生成されるRNAは代謝的に著しく不安定であつた.
これらの成績から5-FCはアデニンその他の塩基のヌクレオチド利用阻害を介してDNAおよびRNA合成を阻害するとともに, 異常RNA形成による二次的蛋白合成阻害をもたらすことが示唆された.
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