出発原料,担体,担持方法の影響の少ないモデル触媒(Co2.75Mo11,Ni2.75Mo11およびNi0.9Co1.85Mo11 wt%/γ-Al
2O
3)を調製して,4,6-ジメチルジベンゾチオフェンとジベンゾチオフェンの脱硫反応におけるH
2S,NH
3の影響を検討した。脱硫反応で考えられている水素化脱硫および直接脱硫ルートごとの性能をNiMo,CoMo,NiCoMo触媒で比較した。その結果,CoMo触媒とNiCoMo触媒はH
2Sに対する被毒の影響が少なかったのに対して,H
2SはNiMo触媒の両反応ルートの活性を大きく低下させた。一方,CoMo触媒の水素化脱硫ルートがNH
3により強く被毒されるが,NiMo触媒の直接脱硫ルートはNH
3に被毒されないことを明らかにした。また,NiCoMo触媒に関しては,NiMoとCoMoの担持比率から計算される水素化および直接脱硫ルートの反応速度定数の比例配分値より高い性能を示し,その値はNiMo触媒,CoMo触媒の各反応ルートのより高い値の和に近い値を示すことが分かり,被毒物質のある雰囲気ではNiMo単独あるいはCoMo単独より高い活性を示すことを明らかにした。
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