Journal of the Japan Petroleum Institute
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66 巻, 3 号
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一般論文
  • 辻 智也, 邱 必馨, 松川 博亮, 保科 貴亮, 大竹 勝人
    原稿種別: 一般論文
    2023 年 66 巻 3 号 p. 69-80
    発行日: 2023/05/01
    公開日: 2023/05/01
    ジャーナル フリー

    液化石油ガス(LPG)の非硫黄系着臭剤候補として期待される2-ヘキシンについて静置型装置により273.14~313.14 Kにおける飽和蒸気圧および273.15,303.15,313.15 Kにおけるエタン,プロパン,ブタンとの2成分混合系の沸点圧を測定した。2-ヘキシンについては飽和蒸気圧データを用いてPeng · Robinson(PR)状態方程式の引力定数を,エタン,プロパン,ブタンについては飽和蒸気圧および飽和液密度データを用いてPR状態方程式の引力定数と排除体積を再決定した。さらに,2成分混合系の沸点圧実測値から,PR状態方程式混合則中の2成分系パラメーターを決定した。これらを用いてエタン : プロパン : ブタンの質量比が0.6000 : 97.70 : 1.700のLPG 45.00 kgに50.00 ppmの2-ヘキシンを添加した際の117.50 L容器内での気液平衡関係を推算した。273.15 Kにおける気相中の2-ヘキシンのモル分率推算値は3.939 × 10–9であり,313.15 Kに温度が上昇すると3.40倍になることが分かった。

  • Hung Quang Viet NGUYEN, 加藤 昌宏, 土森 優, 野村 正勝, 橋本 忠範, 石原 篤
    原稿種別: 一般論文
    2023 年 66 巻 3 号 p. 81-87
    発行日: 2023/05/01
    公開日: 2023/05/01
    ジャーナル フリー

    Quang Ninh(QN)州の無煙炭,Thai Nguyen(TN)州のれき青炭,およびLang Son(LS)州の褐炭として,ベトナムの三つの石炭の灰分の熱的挙動をXRD,TG-DTA,およびTEM測定を用いて調査した。QNおよびLS炭は,非常に高いSiO2およびAl2O3含有量と,低いCaO含有量である。TN炭は,CaO含有量が高く,SiO2およびAl2O3含有量が低い。QN,TN,およびLS炭の重量損失は,大気雰囲気下の1200 ℃でそれぞれ91,84,77 %であった。SiO2およびAl2O3に富むQNおよびLS原炭中のカオリナイトは,空気雰囲気下での熱処理後,イライトを介してムライトに変換された。クォーツはすべてのQNおよびLS炭で見い出された。CaOに富むTN炭中のカルサイトは,空気雰囲気下での熱処理後にアンハイドライトとライムに変化した。TNおよびLS原炭中のパイライトは,熱処理後に酸化されてヘマタイトになった。XRDおよびTEMの結果に基づき,QNおよびLS炭に見られる針状結晶はイライトであるが,TNの結晶はカルサイトである可能性がある。

  • 山本 旭, 後藤 慎介, 鄒 可昕, 吉田 寿雄
    原稿種別: 一般論文
    2023 年 66 巻 3 号 p. 88-93
    発行日: 2023/05/01
    公開日: 2023/05/01
    ジャーナル フリー

    可視光を利用した選択的な有機変換反応は化成品合成を環境調和型プロセスにシフトさせる潜在性を有し,これまでに色素増感型光触媒を用いた様々な反応が開発されてきた。色素分子は固体表面上で凝集体を形成し吸収スペクトルが変化するが,凝集状態が光触媒活性に与える影響を検討した例はほとんどない。そこで本研究では,酸化チタンへの吸着部位としてカルボキシ基を有するtetrakis(4-carboxyphenyl)porphyrin (TCPP) 分子を色素として用い,酸化チタンに吸着させる際の条件を変化させて凝集状態の異なるTCPP修飾酸化チタン光触媒を調製した。調製した触媒について,酸素を酸化剤としたベンジルアルコールの酸化反応の光触媒活性を評価したところ,凝集度合いが低い試料で高い触媒活性を示すことが分かった。各試料の光吸収量と触媒活性との関係から,色素分子の凝集により光の吸収量が減少するため活性が低下すると結論した。

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