Sonneveldとvan Gijzenにより,IDR(s)法がIDR法からのリニュアルの形でもたらされた.また,その後提案されたBi_IDR(s)法では,IDR(s)法の計算量が削減され,収束安定性が向上した.他方,2009年,谷尾,杉原により,IDR(s)法の一般化がなされ,BiCGStab(s,L)法が提案された.しかし,BiCGStab(s,L)法は,sの値が大きいとき収束安定性が低下することがわかった.そこで,本論文では,BiCGStab(s,L)法の収束安定性向上に,Bi_IDR(s)法で採用された直交化技法が適用できることを見い出したことを報告し,数値実験によって直交化がなされたBiCGStab(s,L)法の有効性を検証する.
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