概要. 本論文では,多倍長演算のための非線形スカラー方程式の実数解を求める反復法を提案する.この方法は逆補間法の拡張であり,導関数の計算は不要でステップ当たりの関数評価は1回である.収束速度は2次収束(方程式によっては超2次収束)であり,計算効率(efficiency index)は2となる.これは既存の方法の中で最大である.多倍長演算による数値実験でも本解法の有効性が確認されている.
概要. 一般の重み関数で減衰度が特徴づけられた解析関数に対して,杉原による補間型の近似公式があり,最適な標本点で最適な精度を達成することが知られていた.特に,重みが指数関数的に減衰する時は最適な標本点の取り方も知られていて,鵜島による別の公式も考案されていた.本論文では,一般の重みに対して鵜島の公式を拡張し,誤差解析を行った.数値実験では,拡張された鵜島の公式が杉原の公式より高精度となる例も確認された.
概要. 多様な時系列データから複雑現象のメカニズム解明に向けた知的発見を促進することを目的とする独自の手法について述べる.本手法はベイジアンネットワークを基本としつつ,時系列データを持つ多変数間の関係性を構造的に分析・可視化することを支援する.本手法を自動車の開発領域で取得された実際の時系列データに対して適用した事例を幾つか示す.各事例において,本手法の実用性を工学的な視点に沿った解釈を与えながら論じる.