概要. 本論文では,オボアルブミン投与後の免疫応答に関するHusby らによる実験に基づき,抗原・抗体の体内動態に関するモデルを構築する.また,モデルが定める微分代数方程式の数値計算上の性質と,それを踏まえた適切な数値計算法を明らかにする.さらに,血中オボアルブミン濃度をデータとしてモデルパラメータを推定し,シミュレーションを行うことで,アレルギーの発症メカニズムの解明へ向けた計算科学的手法の可能性を示す.
概要. グラスマン多様体はシュティーフェル多様体の直交群による商多様体と見なすことができる.本論文では,そのような商多様体上の最適化問題を取り上げ,一般の目的関数に対して有効なニュートン法について議論する.特に,数値計算が行えるようにニュートン方程式を水平空間上の線形方程式として導出する.また,クリロフ部分空間法に基づき,目的関数のヘシアンの表現行列を陽に用いずに,方程式を効率よく求解する手法を提案する.