概要. パプアニューギニアのホタルPteroptyx effulgensは,集団で光の進行波を形成する.本論文では,Hanson らによる精密な同期明滅実験を基に,新規なパルス結合振動子系モデルを提案する.進行波の形成を数値的に解析したところ,進行波形成を特徴付ける簡潔な条件が発見された.この簡潔な条件が,完全同期状態から進行波を形成するための必要十分条件であることを証明する.
概要. 弾性基盤上の張力をかけた棒のたわみを記述する4 階常微分方程式の2点境界値問題は,グリーン関数を積分核とする解として表される.境界条件は周期,ディリクレ,ディリクレ・ノイマン,ノイマンとした.再生核理論の応用で,ソボレフ不等式の最良定数はグリーン関数の対角成分の最大値で与えられる.ソボレフ不等式は,棒のたわみの最大幅をたわみのポテンシャルエネルギーの定数倍で評価する不等式である.
概要. Additional Tier1 債券(AT1 債)は,強制元本削減トリガー条項が付されたデフォルト可能性のある債券である.本論文では,完全情報および不完全情報下において,財務トリガーやPONV トリガーと呼ばれる元本削減トリガーを考慮できるように改良した構造型のAT1 債プライシングモデルを提案する.そして,日欧の実際のAT1 債の市場価格データを用いた実証分析を通じて,提案するモデルの有用性を検討する.