概要. max演算で構成される時間発展方程式の初期値問題を考える.一般解の表現の複雑度は通常指数オーダーであるが,簡約化により多項式オーダーに下げられるものが存在する.本稿ではこれら多項式オーダーの方程式に対して外部変数を導入する,あるいは方程式を連立化することによっても解の複雑度が多項式オーダーを維持するものを具体例を挙げて紹介する.
概要. ペアトレーディングは異なる2 銘柄から生成される価格差が平均回帰性を有する場合に機能する投資戦略として知られている.我々は平均回帰性を有した複数の価格差に対して,初到達時間を用いた新たな分散投資の定式化を提示するとともに,効率的フロンティアの観点から定式化が妥当であることを確認した.また単独でペアトレーディングを講じるより本稿で得られるポートフォリオで投資した方が実務的な観点から好ましい示唆を得た.
概要. 本稿では乱数生成器に対する新たな統計検定フレームワークを提案する.まず今日広く使われているNIST SP.800-22を用いた「生成器」に対する評価は不完全であることを示す.次いで生成器に対する統計評価は「無作為抽出性の評価」と解釈できることを述べ,無作為抽出性の検定例を示す.最後に検定を多数繰り返す前提のもと,検定手順と明確な最終判定を与えるルールを定めたフレームワークを提案し,評価例を示す.
概要. 本論文では,山田により提案されている偏微分方程式の解,もしくは熱方程式の解を用いて,形状の法線ベクトルを与える場を構成できることを証明する.最初に,問題設定を示すと共に,偏微分方程式の有限要素法による数値解析例を示す.次に,各方程式の場合における定理とその証明を示す.
概要. 演算max, minおよび符号反転−のみで構成される式表現を,ある標準形に同値変形するアルゴリズムを提案し,Cプログラムによって実装する.また,そのような式表現で構成される時間発展方程式の初期値問題にプログラムを応用し,計算効率を議論する.