概要. 本論文では,正定値対称行列を係数行列とする線形方程式に対して,その解を平衡点として持つ常微分方程式の初期値問題に,離散勾配法と呼ばれる常微分方程式の数値解法を適用することで,線形方程式に対する反復法を生成する枠組みを提案する.本枠組みは,無条件収束する反復法を生成でき,また多くの自由度がある中,簡単な例として定常反復法であるSOR 法を包含することを示す.
概要. ラウンドアバウトの環道を有限個のセルに分割し,各セルに車両が存在する確率の時間発展を記述する差分方程式が導かれている.その方程式の定常解は,ある緩やかな条件の下で安定であることが示される. さらに,流入規則にしたがって運用されているラウンドアバウトは,環道上の車両存在確率が高いときに車両割込み違反の影響を受けやすいことが示される.
概要. 最近の選挙制度改革の議論のなかでアダムズ方式が脚光を浴びている.この方式は人口に比例した議席配分を与え,1票の格差を小さくすると言われているが,実際のところ,わが国ではどのような配分方式であるかはあまり知られていない.そこで,これに関連すると思われる日本の参議院議員や衆議院議員の議席配分,フランスやカナダの下院議員の議席配分にアダムズ方式を使用してみた結果を検討する.