概要. 2重結合を含む5つの正多面体上の離散ソボレフ不等式の最良定数を求めた.各多面体の頂点数をNとする.多面体の頂点に番号付けをして離散ラプラシアンAを導入する.A はN×N実対称行列で固有値0をもち,その固有空間は1次元である.Aの擬グリーン行列G∗は適切なベクトル空間に内積を導入すると再生行列となり,再生等式から離散ソボレフ不等式を得る.最良定数はG∗ の対角成分の最大値となる.
概要. 野島ポリへドロンと舘-三浦ポリへドロンは両方とも対称な二枚貼り折紙構造であり,軸方向にも半径方向にも折り畳むことができ,それらをアルミニウム缶に適用できれば便利である.本稿では,両構造が剛体折りであるか否かを検討し,そのことがエネルギー吸収特性に及ぼす影響について考察する.また,実際に適用した際の圧潰およびスプリングバック特性をシミュレーションにより検討し,考察することで,その可能性を探る.
概要. 折り紙の幾何学的な性質は古くから研究の対象とされてきた.近年では「計算折り紙」という言葉も誕生し,計算機を用いた研究や工学分野への応用についても活発に議論されている.本稿では折り紙の数理に関して平坦折りの研究についてまとめるとともに,それに関係する計算量および設計手法について紹介する.また,立体折り紙と剛体折り紙という,折り紙の数理の応用において重要な分野についても概説する.