概要. ある2つの計算式に対する真の値をa, b,数値計算により得られた値を,
とする.
,
は正確でない可能性があるため,
−
の符号とa − bの符号が異なる場合がある.本論文では,この問題に対して浮動小数点フィルタを提案し,数値計算による符号の判定が正しいことを保証する十分条件を与える.
概要. 非対称連立一次方程式をconjugate gradient squared (CGS) 法などで解くとき,残差ノルムが大きく振動すると丸め誤差が拡大し,近似解の精度が劣化する.振動を防ぐ手法としてスムージングがあるが,既存の実装法では精度は改善されないことが知られている.本論文では,スムージングによる丸め誤差の影響を再考し,精度の改善に向けた新しい実装法を提案する.その有効性を数値実験により示す.
概要. 一本のねじれのない紙の閉じた輪を折って,正四面体の形にすることができる.そのような折り紙展開図は,既約分数p/qで番号づけされる.また,そのような紙の輪を変形させて切ることにより,正四面体を凸多角形に切り開く展開図が系統的に得られる.
概要. 本稿では,リンケージモデルの特異状態における剛体変位モード抽出との対比として,剛体折紙モデルの特異状態における剛体可折条件に関する定式化を示す.特にここでは二階微分項の考慮によって始めて平坦時における剛体可折条件が扱えることが示される.最後に,提案された数値的また図式的手順を幾つかの折線パターンに適用し,本定式化が有効であることを示す.