Qスイッチアレキサンドライトレーザーは, 波長が755nmで, レーザービーム径は3mm用, 出力は4.5-8.0Jまで調節可能であり, Qスイッチ発振により, パルス幅を100nsまで短くしている. 筆者らは, 種々の色素異常症に対してQスイッチアレキサンドライトレーザーを用いて治療を行い, その効果について検討を加えた. レーザー照射により, 治療効果が高かったものは, 太田母斑, 刺青, 外傷性刺青, 老人性色素斑, 脂漏性角化症等であった.
また, 太田母斑にQスイッチアレキサンドライトレーザーを照射し, メラノサイトの変化と, 組織の治癒過程について光顕, 電顕的に検討した. Qスイッチアレキサンドライトレーザーは, 選択的にメラニンに吸収され他の細胞や組織にはほとんど影響を与えない. その後に, マクロファージが出現し, 破壊されたメラノゾーム等を処理する. その働きにより色調が消退していく事が確認された.
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