日本レーザー医学会誌
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19 巻, 4 号
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  • Hitoshi NAKANO, Daisuke AKITA, Takeyoshi NAKAYAMA
    1998 年 19 巻 4 号 p. 191-195
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    When performing ultraviolet (UV) laser surgery, certain problems, such as genetic damage, must be considered because photochemical damage to living tissue is caused without exception during UV laser irradiation. In the present paper, changes in the structure of soft tissue caused by UV laser irradiation are discussed. A lipid was adopted as a soft tissue model. The UV and IR absorption spectra of the lipid were measured before and after each irradiation either an ArF or a KrF excimer laser. A remarkable difference in UV absorption spectra was found between KrF and ArF excimer laser irradiation. This difference was clearly identified using the resultant IR absorption spectra of the lipid.
  • 柴田 聡彦, 那須 優則, 代居 敬
    1998 年 19 巻 4 号 p. 197-204
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    レーザーによる神経ブロック療法の基礎的研究として,効果の持続を予測するために末梢神経に対するレーザーの照射量の違いによる影響を生化学的および組織学的に検討した.Nd-YAGレーザー照射は,ファイバー先端に焦点距離8mmのプローブを装着し,神経までの距離を8mmで10W(1,208J/cm2),20W(2,117J/cm2),30W(2,702J/cm2)を,18mmで10W(856J/cm2), 20W(1,378J/cm2), 30W(1,791J/cm2)を摘出したラット坐骨神経に照射した.照射した坐骨神経のタンパク質を電気泳動で検索するとともに光学顕微鏡透過型電子顕微鏡で観察した.
    結果は次のようであった.電気泳動で観察されたタンパクには軸索内細胞骨格や髄鞘の構成要素が含まれていた.レーザーの照射量の増大に伴ってタンパク量が減少する傾向がみられた.組織学的には2,117J/cm2, 2,702J/cm2の照射で髄鞘の膜の剥離や破壊された基底膜がみられた.このことより,2,117J/cm2以上のNd-YAGレーザーを神経ブロックとして照射した場合には神経再生を強く阻害する可能性が示唆された.
  • 渡辺 晋一
    1998 年 19 巻 4 号 p. 205-206
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 箱崎 美香, 小林 誠一郎
    1998 年 19 巻 4 号 p. 207-216
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    Qスイッチアレキサンドライトレーザーは, 波長が755nmで, レーザービーム径は3mm用, 出力は4.5-8.0Jまで調節可能であり, Qスイッチ発振により, パルス幅を100nsまで短くしている. 筆者らは, 種々の色素異常症に対してQスイッチアレキサンドライトレーザーを用いて治療を行い, その効果について検討を加えた. レーザー照射により, 治療効果が高かったものは, 太田母斑, 刺青, 外傷性刺青, 老人性色素斑, 脂漏性角化症等であった.
    また, 太田母斑にQスイッチアレキサンドライトレーザーを照射し, メラノサイトの変化と, 組織の治癒過程について光顕, 電顕的に検討した. Qスイッチアレキサンドライトレーザーは, 選択的にメラニンに吸収され他の細胞や組織にはほとんど影響を与えない. その後に, マクロファージが出現し, 破壊されたメラノゾーム等を処理する. その働きにより色調が消退していく事が確認された.
  • 河野 太郎, 権 成基, 佐々木 健司, 野崎 幹弘
    1998 年 19 巻 4 号 p. 217-220
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    一般的に色素性母斑に対してはレーザー治療の適応でないと言われている. 今回我々は2種類のレーザーを組み合わせ (コンバインド・レーザー), 同時期に照射することにより良好な結果を得られたので報告する.
    ノーマルモード・ルビーレーザー20Jにて照射後, 表皮を用手的に剥離する. 即時的にQスイッチ・ルビーレーザー7Jにて多重照射 (4, 5回) する, これを3, 4週間ごとに繰り返す治療を行った. 著効30.5%, 有効53.9%, やや有効13.0%, 無効2.6%と従来に比べ高い有効率を示した.
  • 舘下 亨, 小野 一郎
    1998 年 19 巻 4 号 p. 221-229
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    編平母斑は組織学的に表皮底層におけるhypermelanosisのみの変化で真皮には病変を認めない為, 皮膚剥削術, 冷凍療法, レーザー療法による治療効果が比較的容易に期待できるものと考えられがちであるが, 実際には再発率が高く治療に難渋することが多い.
    われわれは平成2年よりルビーレーザーによる扁平母斑の治療を始め, 治療法の検討を行ってきた結果, 以下の照射法をプロトコールにより治療し, 良好な結果を得ることが可能になった-つまり, まずノーマル発振パルスルビーレーザー (ノーマルレーザー) による長パルス30~40J/cm2の照射により病変部を表皮剥離の状態とする. そのうえで生じた麋爛面に更にノーマルレーザー短パルス10J/cm2およびQ-Switchedルビーレーザー (Qレーザー) 4~7J/cmcm2で追加照射をする. 初回治療後3週間目に再発の有無にかかわらずノーマルレーザー短パルス10J/ccm2とQレーザー4~7J/ccm2の照射を行うようにしている. 以上を1クールとし, 6カ月程度の間隔で2クール以上の治療を行う. 再発傾向の強い難治性の病例は未だ存在するが, 以上のプロトコールにて治療することにより再発率を著しく低下させることができ, ほぼ安定した結果が得られるようになってきた.
  • 岩崎 泰政, 岡野 伸二, 大黒 久和, 森田 健司, 山本 昇壯
    1998 年 19 巻 4 号 p. 231-240
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    血管腫の治療に用いる波長585nm, 照射時間450μsecの色素レーザーは, 真皮内に存在する拡張血管に選択的に傷害を与え, 消失あるいは狭小化させるとともに, 瘢痕などの副作用の出現を最小限にとどめるものである. 単純性血管腫へのレーザー照射により, 血管の選択的傷害と, 血管が存在した部位が線維組織に置換される過程を組織学的に確認したところ, 1400μmの深さまではレーザー光が到達し熱エネルギーが発生するが, 照射後真皮深層の血管は再開通し, 実際には600μmの深さまでしか拡張血管を消失させることができなかった. 臨床的には, 単純性血管腫では多くの症例で初回治療に反応したが, 3ないし4回照射以降は治療効果をほとんど認めなくなった. 苺状血管腫に関しては, 局面型では有効率が高く早期からの治療開始が有効と考えられたのに対して, 腫瘤型では紅斑の消退は認められたが, 最終的に腫瘤の完全な扁平化が起こらない症例が多かった.
  • 橋本 透
    1998 年 19 巻 4 号 p. 241-247
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    波長10,600nm の炭酸ガスレ・ーザーは, レーザー光が組織中の水分に吸収され著明な熱効果を現す. 皮膚科領域では組織を蒸散する目的でdefocused beamで用いられており, 各種の皮膚良性腫瘍の治療に適応がある. 汗管腫, 眼瞼黄色腫, 毛細血管拡張性肉芽腫, 脂漏性角化症, labial melanosisに対して, 炭酸ガスレーザーを用いて治療し良好な結果を得ている. また本法は, 皮膚神経線維腫や粘液嚢腫, 静脈湖など粘膜の腫瘍性病変に対しても極めて有用である.
  • 渡辺 晋一
    1998 年 19 巻 4 号 p. 249-258
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    近年種々の医学生物学の分野でレーザーの応用が盛んになっているが, その多くの場合, レーザー装置の選択はたまたま手元に存在したからであり, またレーザー治療の方法も単なる経験に基づいたものであった. しかし, selective photothermolysis (SP) という概念が発表され, 特に色素病変の治療に適するレーザーの照射条件が明らかにされた. この条件とは 1. 目的とする色素に特異的に吸収される波長, 2. 目的とする網胞の熱緩和時間よりも短い照射時間, 3. 目的とする細胞を破壊するのに充分な照射エネルギーの3つの条件を満たすレーザー光である. そしてSPの理論は動物実験で確かめられ, SPの条件を満たすレーザーは今まで有効な治療法がなかったいくつかの色素性あるいは血管性皮膚病変の治療に有用であることが示された. さらにSPの理論はレーザーによる脱毛にも応用可能である. その他炭酸ガスレーザーやエキシマレーザーを用いた光切除は皮膚の微小手術, 特に皮膚の皺取り術に使用されている.
  • 1998 年 19 巻 4 号 p. 259-260
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 19 巻 4 号 p. 261-267
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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