LANDSAT画像は, リニアメント―特に大きな―抽出に有効であることが知られている。しかしLANDSAT衛星の特性上ある方向すなわち太陽光に平行な方向のリニアメントは表われにくい。本研究は, 任意方向 (任意太陽方位, 太陽高度) に太陽が位置していると仮定したとき観測されるであろう疑似LANDSAT画像を求め, LANDSAT画像からは抽出することが困難であった互いに直交するリニアメントを強調, 抽出しようとするものである。
最初に土地被覆分類結果を用いて影無しのLANDSAT画像を作成した。これは, 影の部分とそうでない部分に存在するカテゴリーの平均値・標準偏差を一致させることによって行った。次に標高データを用いて, 太陽光の地表による反射光に関する3次元モデルを作成し, これによって任意太陽位置に対する疑似LANDSAT画像を作成した。最後に90°太陽方位が異なる方向に太陽が存在すると仮定した2つの疑似LANDSAT画像より, 互いに直交する方向に走るリニアメントを抽出した。
本研究により任意太陽位置 (任意太陽方位, 太陽高度) に対する疑似LANDSAT画像を作成することが可能になり, これを応用することによって, LANDSAT画像からより簡単にリニアメントを抽出することが出来る。
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