走査型微少濃度計と汎用電子計算機を使用して, 実体空中写真から数値地形モデルおよび等高線を自動的に製作する1つの方法について一連の実験を行った。この方法は基本的にはKreilingの研究とKonecnyの提案に基づいているが実験によっていくつかの新しい成果を得た。
この論文は空中写真の画像分解から自動相互標定までを実験に則して説明した。まず空中写真をドラム走査型微少濃度計で画像分解し, 画像の行, 列を軸とする座標系を4隅の指標を使って較正する。つぎに左画像に与えた標定点を, 画像の相関を使って右画像の中で探索し, 解析的に標定要素を求めた。これに続く処理は左右画像を偏位修正してファイル処理を効率的に行えるようにした後, 地上座標系の格子点標高を順次求めていく手続きをとっているがこれについては別に報告する。
前半の実験から得た注目すべき結果としては,
1) 現在のドラム走査型微少濃度計の機構ではフィルムの変形による画像の不規則歪みがかなり大きく, 写真測量の観点からは許容度を越える。
2) 標定の自動化については, コントラストの高い点を標定点として左画像に与えればその対応点を機械的に捜し出すことができ, 相互標定の結果も目測でグレイマップを使って行った位置同定より高い精度が得られた。
3) しかし任意に標定点を与えた場合には, 山地にある対応点を捜し出すことはできなかった。
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