ランドサット等衛星画像の植生指標を用いた画素内の緑被率の推定の可能性を, 都市域を対象として, 航空機MSSデータのシミュレーション及びランドサットMSSデータにより実験的に検討した。航空機MSSデータのシミュレーションでは, 地上分解能5mの原データのクラスタ分析による緑地の抽出結果から, 20m, 30m, 50m及び80mの緑被率メッシュデータを作成し, 同じメッシュサイズで平均化した疑似衛量画像から求めた植生指標との回帰分析を行った結果, いずれのメッシュサイズでも両者の間に0.9以上の高い相関が存在することが確認された。ランドサットMSSデータを用いた実験では, 1Kmメッシュ内の平均値として, MSSデータから算出した植生指標と国土数値情報から求めた緑被率とが高い相関を持つことを示した。これらの実験結果により, 対象が都市域であれば, ランドサットTM&MSS, もも1号MESSR, スポット等の衛星画像から, 画素内の緑被率を直接推定し得る実験的根拠が得られた。
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