現在, 巨大都市になる都市は考えている以上に増加しており, 特に発展途上地域に多く見られる。このことから, 都市における問題を考慮する必要が増加している。本論では, 1992年から2003年においてパキスタン・カラチの都市被覆変化を見ることで, 全体的な傾向を確認し, 都市被覆変化による水資源への影響について検討を行った。その方法として, 1992年3月と1998年5月の2つのランドサットTMイメージと2003年3月のランドサットETM+イメージを使用し, Overall分類精度が89~91パーセントのISODATA法による教師なし分類によって土地被覆の経年変化を調べた。その結果, 土地被覆の統計量を見ると, 1992年から2003年の間に都市部の面積は203.1km
2に拡大し, 荒地は191.9km
2, 緑地は13.5km
2が減少しており, 大きな土地変化が起こっていることが確認できた。また, この都市部における土地被覆の変化は, カラチにおいて水質を汚染させる以上に, 水不足を悪化させている原因であり, すべての地域に均等に水を供給することが難しくなってきていることが分かった。
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