現在, 高解像度の衛星画像で提供されているRational Function Coefficients (RFCs) は衛星本来の解像度に比べれば, まだ相当低いレベルの精度で提供されており, また, Digital Elevation Model (DEM) のような地形資料の生成に関する技術はまだ詳しく知られていない。従って当研究では画像-地上の間の変換モデルであるRational Function Model (RFM) を元に改善された画像マッチングの方法を提案し, 一般のユーザー達が手軽にRFMを用いて3次元の地形資料を得られるようDEMの製作過程を詳しく紹介する事にする。
当研究で提案されたアルゴリズムは地上の高度情報を用いマッチング点の初期位置と探索領域を制限するPML (Piecewise Matching Line) を生成し, これを利用して画像マッチングを効率的に行う。提案されたアルゴリズムの検定はpushbroom方式の代表的なセンサーとして詳細の軌道情報が提供されているSPOT-3号のステレオ画像を対象に行われた。
実験画像のRFCsはterrain-independentの方式で計算され, 得られたRFCsの精度は従来の厳密センサーモデリング (physical sensor modeling) の3次元座標と比較された。
当研究では五つのRFMに対しx方向へ平均2.00m, y方向へ平均1.37m, z方向へ平均2.28mの標準偏差値を示した。
次に当研究で提案された画像マッチングのアルゴリズムを用いて研究地域に対するDEMを制作し, その制作されたDEMは厳密センサーモデル (physical sensor model) を用いて生成されたDEMと3 arc-second DTEDとを用いて制作された既製のDEMとの比較を通じて相対的精度と絶対的精度を調べる事にした。そしてその結果, それぞれ7.51mの標準偏差値, 16.50mの標準偏差値を示した。
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