この論文は同題目の論文 (I) に続いて, 著者が提案した多段階相関法を隠蔽部分を含むより一般的な画像のマッチングにも適するよう改良を加えた結果を述べる。この論文ではマッチングの収束性と安定性を高め, 迷走が発生するのを防ぐ手法を議論している。主たる論点は次のようである。
(1) 著者の方法では, 左右画像を一定の重複するパッチに分け, 左パッチ上に設けた格子点の対応点を探索する構造になっている。しかしパッチの周辺部の格子点では, マッチングの収束が悪く, かつ隠蔽部分があると不安定になる。このため, 隠蔽部分の幅と計測したx―視差にほどこすメディアンフィルタの幅を加えた間隔の格子点をパッチの端から捨てる必要がある。
(2) マッチング基準として相互相関をとると, 非常に広域の波長帯を使うことになる。このため画像の高周波部分は投影歪のために雑音化されマッチングでは不安定になる。これを防ぐため画像に狭域の帯域フィルタを施すのが有効であることを示し, いわゆるラプラシアンガウスフィルタが好ましい条件を持っていることを示した。
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