ニューラルネットワークによる衛星画像の分類において学習に時間がかかることが問題となる。本論文はバックプロパゲーション学習の収束速度の改良に関するものである。学習時間を短縮するため, 学習速度常数 (η) と安定化定数 (モーメンタム項: α) を同時に制御するようなメカニズムを導入し, バックプロパゲション学習速度を高める方法について検討した。提案する方法の有用性を検証するため, 実際に, MOS-1マルチスペクトル画像による西ジャワ・チャンジュール (Cianjur) の土地被覆分類に応用し, 安定に, しかも, 高速に学習が収束するための学習パラメータの制御条件について調べた。ネットワークは階層型ニューラルネットワークを用いた。その結果, 提案するメカニズムを用い, 学習パラメータを制御することにより, 約10倍の学習速度の高速化が得られることが示された。また, 提案方法は, 学習パラメータ (η, α) の初期設定値に依存せつ, 安定に収束することが知られた。
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