非測定カメラを非地形写真測量に用いようとするとき, 付加パラメータ付バンドル調整法は主要なキャリブレーション法の1つである。空中三角測量のバンドル調整は広く普及しているが, 非測定カメラを使う際には新らしく考えておかなければならない要素が増える。この解説は付加パラメータ付バンドル調整法の考え方, 取り扱い方を, 実際にプログラムを作成しようとする人の参考になる様, 叮嚀に述べたものである。従来のバンドル調整法の解説では, 式の立て方と最小2乗解の解法のみが述べられることが多かったが, 非測定カメラを使う場合, パラメータの独立性, 直接観測の可・不可性, 撮影の形態とカメラの性能によって, 対象空間のモデルの安定性が大きく変わるため, 事情は簡単でない。この解説ではこれらの問題を1つ1つ説明した。実際の応用では, いくつかのシミュレーションによって予め写真測量と対象空間での基準点測量のネットワークの強さを予想しておく必要があるだろう。この解説はそのための方法にも言及する。
説明の便宜上, ここでは通常の内部, 外部の標定要素を使わず, 岡本の一般標定論に従った。ただし必要に応じ両者の対比を行っている。解説 (I) では観測方程式を立てるところまでを説明し, 解法およびネットワークの強さについては (II) 以降に譲った。
抄録全体を表示