獣医麻酔外科学雑誌
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23 巻, 1 号
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  • 伊藤 直之
    1992 年 23 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1992/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ハロタン麻酔下の卵巣子宮全摘出手術が犬好中球の機能に及ぼす影響について明らかにするため, 臨床的に健康な雌犬13頭を用いてキシラジンおよびチオペンタールを投与後, OF麻酔下で手術を行い, 手術前後における犬好中球のNitro-blue Tetrazolium (NBT) 還元能を検索した。その結果, 好中球数は, 手術前の7, 700±2, 800/μlから有意に増加して手術後1日目には18, 100±4, 900/μ1となった (p<0.001) 。一方, 非刺激 (resting) NBT還元試験の陽性率は, 手術前の49.8±23.4%から有意に減少して手術終了直後には26.5±17.5% (p<0.01) となり, 手術後1日目には26.3±17.7% (P<0.Ol) となった。また, エンドトキシソを用いた刺激 (stimulated) NBT還元試験の陽性率も手術前の74.4±19.5%から有意に減少して手術終了直後には39.8±19.0% (p<0.001) , 手術後1日目には39.3±21.7% (p<0.001) となった。さらに, stimulated NBT還元試験とresting NBT還元試験の陽性率の差も手術前の24.6±7.6%から手術終了直後と手術後1日目に有意に縮小してそれぞれ13.4±8.3%, 13.0±8.5%となった (それぞれp<0.Ol) 。これらの減少ないしは縮小したNBT還元試験の陽性率および陽性率の差は, 手術後7日目には手術前の値に回復した。
    以上のことから, 犬好中球のNBT還元能はハロタン麻酔下の卵巣子宮全摘出術により低下することが示唆された。
  • 微少電流が創傷に及ぼす影響
    久保田 泰一郎, 佐藤 敬
    1992 年 23 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 1992/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    電極間の創傷の炎症は, 微少電流を通ずると電極周囲の炎症とともに増大する。この炎症は電極の極性に関係なく増大し3日後には浮腫, 充溢血が顕著となり, 好中性 (偽好酸球) 顆粒球のほか, 組織球, 単球等の浸潤がみられるなど急性炎症の所見を呈し, 創傷にかかわる周囲からの血管は怒張した。通電を断つと通電前の炎症に軽減し縮小した。
    この炎症は, 充溢血と浮腫を主徴としたが, 通電により組織中を流れる電流は血流中や細胞外液を流れ, この通電によるイオン移動によって炎症は強まり, すなわち顆粒球性や単球性マクロファジが産生する発熱物質および充溢血により局所温の上昇がみられ, ヒスタミン様物質やセロトニンにより血管の透過性を亢進させ, 創傷部への急性炎症性細胞浸潤の持続・増加がみられたものと考察した。
    本論文の要旨は第14回生体電気刺激研究会 (骨と電気刺激の研究会) で報告した。
  • 伊藤 直之, 小笠原 俊実, 河原 智
    1992 年 23 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 1992/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    右前肢の慢性跛行を呈する一歳, 雌の雑種猫において, 身体検査では局所の圧痛と腋窩部の開口部からの膿汁排泄が認められ, X線検査では近位上腕骨頸内側の骨破壊とその周囲の骨硬化像が認められたことから, 慢性骨髄炎と診断された。全身麻酔下で壊死組織の除去とドレナージによる洗浄を行い, 同時に感受性試験に基ずきテトラサイクリンを投与した結果, 良好な治癒成績が得られた。
  • 1992 年 23 巻 1 号 p. 19-55
    発行日: 1992/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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